スケートシーズンが開幕した。先陣を切り「第36回日本学生ショートトラックスピードスケート選手権(インカレ)」が10月19・20の両日、長野県南牧村帝産アイススケートトレーニングセンター行われた。今年の山学大ショートトラック陣は、高校時代から昨年まで7年間山梨学院に在籍し、インカレ4連覇の偉業を成し遂げた中口雪絵が卒業して女子部員がいなくなり、男子だけのエントリーとなった。昨年の男子は、5年ぶり17回目の総合優勝を獲得したが、今年は1500m準決勝で2人がインピーディング(走路妨害)で失格になるなど、非常に苦しい戦いとなった。個人でメダルを獲得したのは1日目の1500mで3位に入った岩下聖一人だけだった。2日目の最終レース5000mリ レーで3位に入り、学校対抗総合成績は神奈川大、阪南大に次ぐ3位で2日間の大会を終えた。
≪男子1500m決勝 岩下聖(いわした ひじり 1年 長野・小海高)
1500mは、1周111.12m の楕円形トラックを13周半回り続ける。決勝レースは6人で争われた。序盤は後方で待機し、他の選手の動きを探りながら徐々にスピードを上げるレースをする選手が多い中で、岩下は非常に積極的なレースをした。4周目で先頭に立ち、そのままずっと6人の集団を引っ張り続けた。ラスト2周で抜かれ一旦は4位に下がったが、最終コーナーで逆転し3位に上がった。岩下聖選手は「自分は引っ張って押し切るタイプ、結果的にはラッキーな形で3位に入ったが悔しい。ユニバの教訓を活かして最後まで走り切らなければいけなかった」と反省を口にした。走り終えた岩下選手に対し、オリンピックを2度経験している同郷の先輩でもある篠原祐剛コーチは「自分の長所は活かしたが、後ろから来ている2位が最後に刺すタイプであることを見極めていれば、最後の足が残せたはずだ。来ている相手によってレースが組み立てられる選手になれ」と期待の新星にアドバイスを送っていた。3000mの岩下は、あと一歩でメダルの4位だった。
この他の選手は、與那誠一(4年 福岡・須恵)が1000m5位、500m6位。足立知生(4年 岐阜・中津商)が1000m6位。山浦大明(2年 長野・小海)が3000m6位などとなった。5000mリレーは、岩下・山浦・平田・與那で3位。学校対抗総合成績は、1位神奈川大132点、2位阪南大121点、3位山学大111点などとなった。
一方、10月12・13日に甲府・小瀬アイスアリーナで行われた「ユニバーシアード冬季大会ショートトラック日本代表選手選考会」で、現役学生は代表入りを果たせなかったが、OGの中口雪絵(池本刷子スケートクラブ)が500mと1000mで優勝しユニバーシアード日本代表に選ばれた。中口雪絵選手は「卒業したからシューズ脱ごう思うて大阪に帰ったんやが、やっぱスケート好きや。チャンスやからトライしよう思うて山梨に戻り、9月から大学の練習に加えてもろうてレースに備えました。日本代表として頑張って来ます」と山梨にいた時もそのままだった大阪弁で抱負を語った。ショートトラックのユニバーシアードは、12月11日から21日にイタリア・トレンティーノで開催される。川上隆史スケート部監督が日本代表チームの監督に選ばれ派遣される。
文(M.T) カメラ(平川大雪)
| アルバム1500 |
アルバム3000 |
アルバム5000 | アルバム中口選手 | アルバム表彰式 |