山梨学院パブリシティセンター
全日本学生ホッケー選手権 決勝
〜激闘70分!天理大を下し2冠2連覇を達成〜
〜決勝ゴールを決めた田中泉樹が最優秀選手賞〜

平成25年度「男子第62回、女子第35回全日本学生ホッケー選手権大会(インカレ)」は10月23日、埼玉・飯能市阿須ホッケー場で男女の決勝戦が行われた。女子の決勝戦は、昨年と同じ顔合わせ、昨年度優勝校山学大と準優勝校天理大の宿命のライバル対決となった。試合は激闘となった。前半7分に天理大が3連続PC、これをGK勝部奈穂とDF陣が体を張って止めた。前半15分に今度は山学が2連続PC、ロンドン五輪出場の田中泉樹が2本目をフリックシュートで決めた。その後は一進一退、激闘70分の攻防の末に1−0で勝利、山学女子は気迫のプレーで2連覇を達成させた。通算6度目の大学日本一を勝ち取った選手たちは、監督、主将、4年生を次々に胴上げして、喜びを爆発させた。


山学大女子は、6月の全日本大学王座決定戦で優勝しており、この秋はインカレ2連覇と、2008年以来5年ぶりの2冠獲得に挑んだ。19日の初戦で早稲田大を5−0、21日の準々決勝で関西学院大を9−0、22日の準決勝で関西最強と言われた立命館大を2−1で下し決勝に進出した。試合前、選手全員が声を揃え「合言葉は、絶対優勝」と叫び、決戦のフィールドに散った。

平成25年度全日本学生ホッケー選手権 女子決勝
≪山梨学院大vs天理大≫(10/23)於 飯能市・阿須ホッケー場
○ 山梨学院大 1
前半 1−0
後半 0−0
0 天理大 ●
得点 田中泉樹


[大会公式記録・戦評]
スタンドを埋め尽くす観客の視線を浴び、寒風を貫くホイッスルの音と共に山梨学院のセンターパスによって開始された女子決勝戦。昨年の決勝と同カードとなったこの試合は、まず天理が先制のチャンスを掴む。前半早々PCを獲得すると、2度のアゲインの末、ついに枠内右隅を捕えたかのように思えたシュートは、山梨学院GK#3勝部の好セーブに阻まれる。闘志を剥き出しにしてぶつかり合う両者は、どちらが流れを掴むでもなく一進一退の熱い攻防を繰り広げるが、得点版に「1」が刻まれたのは前半15分。山梨学院がPCを獲得すると、#1田中がストレートでフリックを突き刺し、先制する。その後も互いに決定的な得点チャンスはなく、1-0山梨学院のリードで前半を折り返す。後半に入ると両チームの卓越したドリブル技術による攻めと、高い組織力で形成されたDF陣が交錯し観客を沸かせるも、得点には至らない。PCの際は、山梨学院GK#3勝部、天理GK#1景山の好判断好セーブが光り、ゴールを死守する。試合終了間際になると、観客席から一層熱い声援が飛び、選手達の動きも懸命さを増してゆくが、互いにゴールネットを揺らすことなく後半戦が終了した。試合終了のホーンは、同時に、山梨学院大学の2年連続6度目の優勝を告げ、熱い戦いの幕を閉じた。

凄い戦いだった。4年目の秋にやっと出場の機会を得たGK3番勝部奈穂(4年 島根・横田) は最初で最後の大舞台で、準決勝も決勝も、渾身のプレーでチームのピンチを救った。キャプテンのMF8番松瀬有里(4年 岐阜各務野)は大会期間中に負傷した右足をテーピングでぐるぐる巻きにして気迫で戦った。昨年は腰痛で1年間練習も出来ずに苦しんだFW7番山田明季(3年 大阪・羽衣学園)は誰よりもフィールドを走り、攻撃の場面でも守備の場面でも、誰よりも多くボールに絡んだ。FB20番藤井美沙(2年 大阪・羽衣学院)は膝と肩を痛めながら強行出場した。誰もが全力でフィールドを駆け抜けた。ベンチに入れなかったものはスタンドで全力応援した。今年のチームは最初から一つにまとまっていたわけではない。全員の心を一つにするために、みんなで話し合い「FOR THE TEAM〜one for all,all foa one〜」をスローガンに掲げ、「王座奪還」「インカレ連覇」を合言葉にして、厳しい練習に励んできた。MF1番田中泉樹(3年 岩手・不来方)の優勝シュートには、チーム全員の勝利への思いが詰め込まれていた。

気迫でチームを牽引した松瀬有里主将は「大会期間中にケガをしてしまい、万全な状態ではなかったですが、みんなが支えてくれました。相手も負けたくないという気持は一緒、それを振り切ることが難しかったですが、最後まで粘り切ることが出来ました。うれしい、の一言でホッとしています。最高の胴上げをしてもらいました」と喜びを表現した。GK勝部奈穂選手は「1・2年の頃はまったく出れなくて、去年はちょっと出れただけでした。今年は出れると思ったけど春は出れなくて悔しい思いをしました、最後のピンチの時は緊張しましたが、それまでみんなが守ってくれていましたし、前に出て止めるしかないと思い勝負しました。自分の中で1番の試合が出来たので満足です」。最後に最高のプレーをした4年生キーパーは嬉し涙を流した。最優秀選手賞を獲得した田中泉樹選手は「プレーでチームを盛り上げて行くのが自分の役割なので、チームに貢献しようと一生懸命戦いました。全日本に出場できることになったので、社会人のチームにも勝てるように頑張りたい」とトロフィーを胸に笑顔を見せた。4年生の6人(写真左から吉田美瑞穂・篠田早紀・松瀬有里・中込夏未・勝部奈穂・大場史帆)は「色々なことがありました。苦しかったことの方が多い4年間でしたが、下級生に助けられて、最高のチームになりました。みんなが優勝をプレゼントしてくれた。ジョンさんや三澤コーチ、支えてくれた皆さん、そして、チームのみんなに感謝したい」と声を揃えた。ジョン・シアン監督は「やってくれると信じていましたが、勝負の行方は分からないもの、最後同点に追いつかれそうになったが良く粘ってくれた。今年初めの頃は、2冠取れるとはとても思えないところからのスタートだった。色々な課題を乗り越えて、結果的に素晴らしいチームになってくれた」と選手の努力と成長と健闘を称えた。

大会最終成績
女子優勝山学大(2年連続6回目)、2位天理大、3位立命館大、4位聖泉大、
男子優勝立命館大(2年連続優勝)、2位天理大、3位朝日大、4位駿河台大、

文(M.T) カメラ(平川大雪)
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