山梨学院パブリシティセンター
全日本学生柔道体重別団体 最終日
〜環太平洋大に敗れ山学女子決勝進出ならず〜
〜準決勝で新興勢力の西のライバルに屈する〜

「平成25年度全日本学生柔道体重別団体優勝大会」は11月3日、兵庫県尼崎市ベイコム総合体育館で最終日の戦いが行われた。この大会は、男女ともに1チーム7人制、各階級のチーム代表で大学日本一を競う大学対抗団体戦。男子は第15回、女子は第5回となる。山学大男子は1日目の2回戦で大接戦の末に日体大に2勝3敗2引き分けで敗れ上位進出はならなかったが、昨年度準優勝の山学大女子は初戦の2回戦で帝京科学大、3回戦で仙台大を下し、順当に準決勝に進出した。準決勝の対戦相手、岡山の環太平洋大学(IPU)は、ガーナ人の父を持つヌンイラ華蓮らを主力に急激に力を伸ばしてきた西の新興勢力。新ライバルとの対決は厳しい戦いになった。48kg級の増田沙由美が一本勝ちを収めた以外は、敗れるか引き分けに留まり、1勝4敗2分けで決勝進出を逃した。


大会2日目の配列は、1日目終了後ベスト4校代表者立会いのもと抽選で決められた。女子の配列は、先鋒52s級、次鋒78s級、五将70s級、中堅48s級、三将57s級、副将78s超級、大将63s級となった。

女子準決勝 ≪山学大vs環太平洋大≫ (11/3) 於 尼崎市ベイコム総合体育館

  先鋒
52kg
次鋒
78kg
五将
70kg
中堅
48kg
三将
57kg
副将
78超
大将
63kg
山梨学院大 山崎 西田 長内 増田 井上 佐野
 
技あり

一本

一本

一本
引き
分け
引き
分け

優勢
環太平洋大 谷本 梅木 ヌンイラ 久賀 渡辺 安松 黒木

山学大(1勝4敗2分け)敗退

環太平洋大の先鋒谷本和は52kg級の柔道グランドスラム銀メダルの実力者、48kg級の山崎珠美(2年 三浦学苑)が一階級上げて挑んだが、技ありを取られ先勝された。次鋒の78kg級西田香穂(2年 甲府工)は学生体重別優勝の梅木真美に、五将の70kg級長内香月(1年 高岡龍谷)学生チャンピオンのヌンイラ華蓮に善戦しながら一本を取られ、3連敗と非常に苦しくなった。ここから、中堅の48kg級増田沙由美(2年 藤村女子)が開始早々に一本勝ちを収め、逆襲が期待されたが、三将57kg級の連珍羚(4年 台湾錦和)と副将79kg超級の井上愛美(3年 愛媛新田)が引き分け、大将63kg級の佐野賀世子(3年 高岡龍谷)が有効を取られ、1勝4敗2分けとなり決勝進出は果たせなかった。

試合後、選手を集めた山部伸敏監督は「年に2回しかない団体戦を今年は取れなかった。惨敗が今の自分たちの実力だ。ここからどう這い上がって行くか、日本一の栄光を引きずるのでなく、生まれ変わらなければいけない。4年生は自分がチームに残せるものをしっかり残すように、3年生以下はしっかり受け止めて自分を高めるように」と話した。西田孝宏総監督は「取られるところはしっかり取られ、分けるところはしっかり分けられた、離れる一方だ。今日の試合だけでなく、色々なものを見直さなければいけない。初優勝した時は死に物狂いの練習をした。それだけの練習をしたのかどうか、それぐらいやらないと勝てないんだ。2回も3回も泣いてばかりでどうする。初心に帰って次につなげるように」と選手を諭した。

個人戦の講道館杯に出場する選手もいるが、4年生はこの団体戦を最後に、競技生活に区切りを付ける。一人ひとりが後輩たちにメッセージを贈った。台湾から来日し、今年はキャプテンを務めた連珍羚主将は「みんなありがとうございました、卒業しても山梨学院の事は忘れません」と泣きながら話した。連は実業団のコマツに進み、リオ五輪に台湾代表として出場するために日本で稽古を重ねる。連同様に柔道を続ける町純香選手は「今回は負けたけど、みんななら出来る、一からやり直して頑張ってください」と後輩を励ました。小さな体で努力を重ねた高田知穂選手は「最後の団体戦に出れなくて悔しいけど、来年はみんなが初優勝してくれると思う、頑張ってほしい」と涙をぬぐった。小山涼子選手 は「8人の4年生に付いて来てくれてありがとう。目標は日本一だから、来年はもっといいチームになって一番高い所に上ることを願っています」と励ました。故障し今年は主務としてチームを支えた藤本みどり主務は「不器用なので、十分にはできていなかったかも知れないけれど、近くでみんなをサポートするのは楽しかった、来年は優勝して下さい」と語った。中心選手としてチームの勝利に4年間貢献した馬場奈津美選手は肩の故障で最後の大会に出場できなかったが「故障して迷惑をかけてしまい、4年生としての役割を果たせなかったが、この一週間不安に思っていたのが馬鹿らしいくらいいい試合をしてくれた。負けちゃったけど、一人一人が持ち味を出してくれた。すごいいいチームだなと思いまし た、来年新入生とともにまたいいチームを作って、自分たちの悔しさを晴らせるように頑張って下さい」とエールを贈った。試合に出られなくても、後輩たちの受けを笑顔で受け、応援する時は人一倍大声で一生懸命応援した勝間愛理選手は「試合の前から鳥肌が立っていました。全力で戦ってくれているのが分かって、本当に嬉しかった。私は弱くて、自分の力では無理だったから、後輩に頼ってばかりだったけど、今日の試合を見て、自分のやって来たことは間違っていなかったんじゃないかと思いました。一生懸命戦ってくれてありがとう」と述べた。4年生は、全員が涙で言葉を詰まらせながら、後輩たちを励まし、来年以降を託した。

文(M.I) カメラ(平川大雪)
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