山梨学院パブリシティセンター
レスリング全日本大学選手権
~鴨居正和2冠2連覇、怪物アレッグも2冠~
~濱本豊準優勝、高橋侑希3位、総合準優勝~

フリースタイル大学日本一を決める「第39回内閣総理大臣杯全日本大学レスリング選手権大会」が11月9・10の両日、大阪・金岡公園体育館で行われた。7階級に各大学の代表1名が出場、1位(12点)から8位(1点)に得点が与えられ、各階級の総合得点で大学日本一を争う。昨年10年ぶり3度目の総合優勝を果たした山学大は、今年最後の団体戦で大会2連覇に挑んだ。1日目は、60kg級の鴨居正和が強敵を次々に下し優勝を果たした。鴨居は昨年の優勝者で、8月の全日本学生選手権(インカレ)も制しており、2冠と2連覇を達成させた。66kg級の主将濱本豊が準優勝、55kg級の高橋侑希が3位を獲得した。2日目の最重量120kg級で、怪物留学生のボルティン・アレッグが8月のインカレに続き2冠を獲得、大会史上21人目の1年生王者となった。最終総合成績は1位早大、2位山学大、3位日体大となった。早大をわずかに下回り2連覇こそ逃したが、上位3校が三つ巴の激闘を繰り広げた大会で日体大を押さえ準優勝を獲得した。


この大会はシードがないため、優勝を争う実力者同士が1回戦で対戦し無得点に終わることもある。組み合わせが学校対抗戦に大きく影響する大会。
山梨学院の布陣は、55㎏級高橋侑希(2年 三重・いなべ総合)、60㎏級鴨居正和(3年 香川中央)、66㎏級濱本豊(4年 山口・鴻城)、74㎏級野間一輝(4年 茨城・霞ヶ浦)、84㎏級中村風太(4年 千葉・佐倉南)、96㎏級吉川裕介(1年 茨城・霞ケ浦)、120㎏級ボルティン・アレッグ(1年 カザフスタン)の7人で臨んだ。

≪超難関な組み合わせを突破して優勝した鴨居正和≫
60㎏級鴨居正和の1回戦の対戦相手は全日本選抜選手権優勝の高谷大地(拓大)、2回戦が国体王者の池田智(日大)、3回戦はJOC優勝の中田陽(日体大)、準決勝がリーグ戦で大接戦だった新人戦優勝の黒沢翔(早大)、決勝は西日本インカレ2連覇の有元伸悟(近大)という、1試合も気が抜けない実力者との試合ばかりだった。鴨居正和選手は「1回戦・2回戦が山場だと考えていた。乗り越えた後は、先のことは考えずに、目の前の一試合一試合に集中して戦った。2連覇と2冠を勝ち取ることが出来ましたが、気を緩めずに来年も結果を残したい」と語った。

≪圧倒的強さのアレッグをレスリング界は不沈艦と命名≫
ボルティン・アレッグは、カザフスタンからやって来た120㎏級の1年生、身長は186cm、物凄い筋肉と超なで肩な縦にも横にも大きい巨漢選手。高田裕司監督が「将来のカザフスタンオリンピック代表に育てたい」と国際レスリング連盟を通じてスカウトした。タックルは非凡だが、それ以外の技は未熟、日本でこれから身につけて行く。ただ、とにかくタックルがすごい。1回戦で日本人最強の岡倫之(日大)を7-0、準々決勝で新星の園田新(拓大1年)を7-0、準決勝で米平安寛(日体大)を8-0、決勝でグレコチャンピオンの前川勝利(早大)を5-0、相手に1ポイントも与えずにあっさりと優勝した。余りの強さに、日本レスリング協会の記者は"不沈艦アレッグ"と命名した。1年生で2冠を獲得した怪物留学生は、4年間勝ち続ける力を持っている。

≪キャプテンの責任を果たした濱本豊≫
66㎏級の濱本豊は主将、5年ぶり4度目の優勝を果たした春の東日本学生リーグ戦で最優秀選手賞を獲得し、秋のこの大学選手権では2位を獲得、キャプテンとしてチームの準優勝に大きく貢献した。濱本豊選手は「個人的には最低限の仕事が出来たと思うが、チームとしては大会2連覇を狙っていたので悔しい。ただ、全員が頑張って実力を出してくれた。来年につながる結果を残せたと思う」と振り返った。

≪高校時代からのライバル森下史崇と死闘≫
55㎏級高橋侑希と1学年上の森下史崇(日体大)は高校時代からの同世代ライバル、試合の度に勝つか負けるかの死闘を繰り広げる。今年は東日本学生リーグ戦と全日本選抜選手権で高橋が連勝、インカレでは森下が勝利。先月の国体では直接対戦はなかったが高橋が優勝し森下は3位だった。この大会は2回戦で対戦、軍配は僅差で森下に上がった。高橋は敗者復活戦に回り、他を圧倒して3位となった。

この他の山学勢では、4年最後の74㎏級野間一輝が大健闘した。1回戦で大藤寛士(同志社)、2回戦で稲田貴(群馬大)、準々決勝で赤池俊樹(法政大)を下した。準決勝で嶋田大育(国士舘大)、3位決定戦で松田健悟(青学大)に敗れ5位となったが、弱点と見られた74㎏級で4年生が大いに気を吐き、チームに貴重な得点をもたらした。84㎏級中村風太は1回戦で細谷翔太朗(日大)に敗れた。96㎏級吉川裕介は1回戦で強敵の大阪昂に屈した。なお、得点源と期待された84㎏級のエース亀山晃寛(3年 群馬・大泉)は大会前に負傷し出場できなかった。

小幡邦彦コーチは「大会前から日体大・早大との三つ巴の戦いが予想された。亀山の負傷や組合せの運不運もあり、2連覇は果たせなかったが、各選手とも良い戦いをしてくれた。今年は優勝の喜び(東日本リーグ)も、優勝できなかった悔しさも味わった。こういう体験がチームを成長させてくれる。多くの選手が来年も残るので、この体験を来年につなげて行きたい」と三つ巴の戦いを振り返った。

文(M.Ⅰ) カメラ(平川大雪)
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