平成25年度「第57回全日本大学空手道選手権大会」が11月17日、大阪・東大阪アリーナで開催された。大会は各大学対抗の団体戦、地区予選を勝ち抜いた男子62大学、女子57大学が大阪に結集した。形の部は男女ともに3人制、組手男子は5人制、組手女子は3人制で実施された。山梨学院大空手道部は、10月の関東空手道選手権で、伝統校である形の部は男女ともに準優勝、力を伸ばしてきた組手の部は男女ともにベスト16に入り、創部初となる男女全種目出場を達成させ全国の舞台に挑んだ。大会の結果、高橋茉里・柄澤愛・中西夏輝の3人で臨んだ女子団体形が3位を獲得した。白井鷹哉・戸口大輝・富田渓介の3人で臨んだ男子団体形は、予選6位で準決勝進出を逃した。組手女子は 初戦敗退に終わったが、強化指定後初の組手男子は初陣の壁を突破し2回戦進出を果たした。
形の部は午前中に採点方式による予選が行われ、男子は12大学、女子は8大学が出場した。採点の結果、男子は予選1位帝京大、2位同志社大、3位沖縄国際大、4位関西大(以上準決勝進出)、5位拓殖大、6位山学大となり、男子形は準決勝進出を逃した。女子は予選1位同志社大、2位帝京大、3位山学大、4位早稲田大の順で準決勝に進出した。
女子団体形準決勝は、関東大会の決勝戦と同じ顔合わせ山学大VS帝京大となった。山学大の布陣は、真ん中に小柄な高橋茉里(3年 岐阜・池田)、右に柄澤愛(2年 東京・帝京)、左に中西夏輝(1年 兵庫・夙川学院)の3人。準決勝の形は「トマリバッサイ(泊抜塞)」で挑んだ。対する帝京大は「ゴジュウシホショウ(五十四歩小)」を選んだ。山学女子は抜群の切れ味を発揮し、素晴らしい演武をした。観客席の山学大応援席からは「やった、勝った!」の声が上がったが、5人の審判の旗は帝京大に上がり3位となった。高橋茉里選手は「自分たちの中では、いい形が出来た、力を出し切ることが出来ました。悔しいけれど悔いのない戦いが出来たと思います」と振り返った。結果的には、帝京大が決勝で同志社大を下し優勝しており、惜敗の3位となった。
一方、男子団体形は3年生トリオで挑んだ。真ん中に戸口大輝(3年 埼玉栄)、右に白井鷹哉(3年 山口・宇部鴻城)、左に富田渓介(3年 山梨学院)の布陣で臨んだ。素人の目には最高に力強い演武に見えたが、残念ながら予選6位という採点になった。白井鷹哉選手は「手応えはあったのだが、点数が伸びなかった」と唇をかみ締めていた。
山学大空手道部は、2009年に強化育成クラブに指定された当初は、形だけが強かったが、組手も徐々に力をつけ、女子団体組手は今年で4年連続の全国大会出場。男子団体組手は、かなり以前に一度だけ出場した記録があるが、強化指定クラブになってからは初の全国大会進出を果たした。
女子組手は、先鋒に栗原さおり(1年 進修館)、中堅にエースの松本めぐみ(2年 九州学院)を配置、大将が永井綾夏(1年 帝京)の3人で臨んだ。1回戦で京都産業大と対戦し松本は圧勝したが、2人が敗れ、2回戦進出はならなかった。
組手男子は、1回戦で東海地区代表の愛知学泉大と対戦した。先鋒に飛田祐樹(2年 埼玉栄)、次鋒に堀部雅也(3年 柳ヶ浦)、中堅は太田廉(3年 日大明誠)、副将が室井大勢(3年 山口鴻城)、大将は飯村修市(3年 佐世保北)の布陣で臨み、3勝1敗1分けで勝利した。2回戦で慶応大に1勝3敗で敗れたが、初陣の壁を突破し大いに健闘した。
片田貴士監督は「男子の形については予想外の悔しい結果、ビデオを見てしっかり分析したい。女子の形は持ってる力を出した、いい出来だったと思います。組手の方は、男子は初めての初戦突破、ポイントゲッターがしっかり役割を果たしてくれた。女子に関しては、2年生のエースがしっかり決めてくれて収穫は大きかった」とそれぞれの戦いを分析した。
山学大空手道部にとって、今年の全日本大学空手道選手権は、形・組手男女全種目出場を達成させた新たな歴史を切り開いた大会となった。
文(M.T)カメラ(平川大雪)
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