関東大学リーグ戦グループ2部最終戦が11月24日、南アルプス市・御勅使南ラグビー場で行なわれた。ともに6勝0敗の山梨学院大と関東学院大が優勝を賭けて全勝対決した。山学はグリーン、関東は水色と黒の横縞のユニホーム、山学大は開始早々の前半1分にゴール前のラックから先制トライを決めて波に乗った。5分、10分、13分に立て続けにトライを奪い、前半を34−7で折り返した。後半は、大学日本一6度の輝かしい歴史を持つ関東学院大に激しく攻め込まれ、10分以上もゴール前に釘付けになる時間帯もあったが、フォワードバックスが一体となって守り、最後は55−14と突き放し大差で勝利した。7戦全勝として11年ぶりに優勝を勝ち取り、12月8日に1部8位の拓殖大と 対戦する。4年連続の入れ替え戦進出、今年こそ、悲願の1部昇格だ!
今シーズンの山学ラグビーは、9月22日の玉川大との開幕戦を64−5で発進、第2戦白鴎大69−5大差、第3戦国士舘大36−29辛勝、第4戦東洋大36−13圧倒、第5戦専修大39−12圧勝、第6戦国学院大46−28勝利、ともに6戦全勝で関東学院大との最終戦を向かえた。相手の関東学院大は、大学選手権優勝6回を誇るかつての日本最強大学。昨年の入れ替え戦で立正大に敗れ、31年ぶりに2部に落ちてきた。対する山学大は、3年連続して立正大との最終戦に敗れ3年連続2位。4年生は入れ替え戦に進出しながら昇格を逃す苦い経験を1年の時から3年連続繰り返してきた。山学戦士は、今年こそリーグ優勝し、有利な1部最下位(8位)との入れ替え戦進出を目指し、紅葉に包まれた御勅使南ラグビー場の戦場に向かった。快晴微風の絶好のコンディション、午後2時、山学のキックオフで試合が開始された。
平成25年度関東大学リーグ戦グループ2部 最終戦
山梨学院大vs関東学院大 (11/24) 於 御勅使南ラグビー場 |
○ 山梨学院大 55
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前半34−7
後半21−7 |
14 関東学院大 ● |
山学トライ、トコキオ3、ラファエレ3、角田、安江、 |
相手はあの関東学院、31年ぶりに2部に落ちたとはいえ6戦全勝、強豪を相手に当然苦しい戦いになると思われた。しかし、今年の山学大は強かった。キックオフのボールをそのまま一気にトライに持ち込んで波に乗り、前半はトライの山を築いた。ニュージーランドからの留学生、司令塔のSOティモシー・ラファエレ(4年)と長身のNO8ソシセニ・トコキオ(2年)の2人が、正確なキックと力強いプレーでチームを牽引、フォワードとバックスが一体となって素晴らしいランニングラグビーを展開した。5分、10分、13分、20分、立て続けにトライを奪った。関東学院に26分にトライを与えたが、28分にトライ、35分にペナルティーゴールを決め、前半を34−7で折り返した。
後半は関東学院が意地を見せた。中盤に激しく攻め込まれ、10分以上もゴール前に釘付けになる時間帯があった。関東のフォワードは、モールを作り再三再四ゴール前に迫った。これでもかこれでもかと攻めてきたが、山学は全員がこれでもかこれでもかとはね返しゴールラインを死守した。与えたのは26分にスクラムトライを許した1トライだけだった。終盤の37分にキックパスを絡めてトライ、40分にFL渡邊賢哉(1年)→SH森賀光貴(2年)→ラファエレとつないでトライ、最終スコアは55−14の圧勝、7戦全勝として11年ぶり7回目の優勝を、強い体と強い心で、勝ち取った。
後藤輝也主将(4年 桂)は「僕ら4年は、3年間ずっと最後に負けて、入れ替え戦で負けてきた。初めて勝てた。子どもの頃に憧れの目で見ていた関東学院を相手にこの点差で勝てて本当に嬉しい。入れ替え戦に向けてしっかり練習します」と笑顔を見せた。3年負けて泣いた4年は、今年は必ず勝って泣くつもりだ。吉田浩二監督は「2002年にここで勝って以来ですから、嬉しいですね。勝って入れ替え戦に臨めることは選手にとって自信と力になる」と関東学院の牙城を崩した戦いを振り返り、選手に対し「よく戦った。あと2週間、もう一歩成長して入れ替え戦を勝ち切ろう。しっかりケアして、もう一歩積み上げよう」と、そこで勝つために厳しい練習を重ねて来た最後の戦いに向け、選手を鼓舞した。
1部2部入れ替え戦は、12月8日(日)に熊谷ラグビー場Aグラウンドで行われる。11年ぶりに2部優勝した山学大は、午後2時キックオフで、1部8位の拓殖大と対戦する。山学戦士たちは、10年ぶりの1部復帰を胸に、山学魂で昇格決戦に挑む。
文(M.I) カメラ(小池裕太)
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