山梨学院大学の学部横断型副専攻アートマネジメントプログラムの実践教育の一環として「山梨ワイン&アートオークション」が12月10日、東京・品川の“Terratoria”で開催された。このオークションは、今年度から開講されたアートマネジメントプログラムの『ギャラリー経営と実践』(柴山哲治客員教授・後期科目)のギャラリーでの販売実践として行われ、前期科目の『アートマネジメント概論』で得た理念の実践を行うというもの。山学大では前期にも『オークション経営と実践』の授業で、オークション運営をしており今回で2度目。今回の会場は、様々な絵画の展覧会などが開催される寺田倉庫株式会社が開設した多目的ギャラリー“Terratoria”。学生らは教室では感 じることのできない雰囲気に緊張した面持ちで“実践”に臨んだ。オークショニアは、世界最古の国際競売会社“サザビーズ”の日本法人“サザビーズジャパン”の代表取締役を務めた柴山客員教授が担当し、学生らは、会場設営や受付、入札前の作品の展覧運搬などを担当した。学生は、緊張しながらも真剣な眼差しで実習を行い、学生の一人は「作家の皆さんが楽しそうに作品について話をしていて羨ましいと感じました。また、参加した皆様に、ワインを通じ山梨の良さも伝えられたので良かったと思います」と感想を語った。
山梨学院大学では、平成24年度から学部の枠を越えた横断型の学習プログラム「学部横断型副専攻(CMP:Cross Major Program)」をスタート。学習プログラムは、山梨学院の特色を生かし「スポーツアドミニストレーションプログラム」「観光・ホスピタリティプログラム」「国際教養プログラム」「アートマネジメントプログラム」の4本柱。今回行われた「山梨ワイン&アートオークション」はアートマネジメントプログラムの『ギャラリー経営と実践』(柴山哲治客員教授・後期科目)のギャラリーでの販売実践として行われた。「山梨ワイン&アートオークション」は、若手アーティストの作品27点と、作品をイメージしたラベルを冠した山梨ワインを交互にライブ・オークションにて販売。出品ワインは、山梨県が誇る代表的なワイナリー5社が製造した山梨産ワイン。オークショニアは、世界最古の国際競売会社“サザビーズ”の日本法人“サザビーズジャパン”の代表取締役を務めた柴山客員教授が担当。学生らは、オークション開始の3時間前から会場に入り、照明の調整や椅子の配置など、ギャラリー運営の基礎やオークション開始に向け会場設営などを行った。また、オークション中は、パドルを来場者に渡す受付や入札前にオークション参加者の客席を回り、作品の最終展覧を行うなど各自に与えられた仕事を真剣な眼差しで行った。
受講生の一人、経営情報学部3年の渡邉咲さんはオークション開始前「オークションは初参加で、授業を通じ絵画の良さが分かってきたので来場者にその思いが伝わるように頑張りたい」と意気込みを語った。実際に実習を行った結果「このようなイベント運営は初めての経験で、常にお客様は動いており常に問題が起こるという難しさを感じました。時間があっという間に過ぎてしまい、対処できなかった部分もあったので反省し、今後に生かしたいと思います」と語った。また、アートやワインに触れてみて「作家の皆さんが楽しそうに作品について話をしていて羨ましいと感じました。また、参加した皆様に、ワインを通じ山梨の良さも伝えられたので良かったと思います」と述べた。
法学部3年の若林開さんはオークション実習は2回目。前回の反省点に注意して実習に臨んだ。実習後、若林さんは「前回の実習をイメージして実習に臨みましたが、作者の思いを上手く伝えられずに悔しい部分がありましたが、実習中、修正できることは修正し、自分なりにやるべきことはできたと思います」と話し、「授業以外でもこういう機会があれば触れ合いたいという思いがあり、これで授業が終わってしまうので残念な気持ちもあります」と心境を語った。
担当教員の柴山哲治客員教授は「初めてとしては素晴らしい結果だと思います。このプログラムは、社会への地域貢献、アートをマネジメントできる人間の教育が目的になっていて、お客様もアート作品を全点落札されましたので、成果としては良かったと思います」と話し、学生の実習態度について「非常に良かったと思います。アートビジネスは知的肉体労働なので、きょうの勉強は、前回のアートのみからワインも加わったので一段と良い経験になったのではないかと思います」と講評した。今後のアートマネジメントプログラムにあり方について「始まったばかりのプログラムですが、きょうも地元の山梨のワイナリーの方々に参加・協力頂いていますが、山梨の産業人や市民の方々と一緒になって教養とビジネスを両輪にもっと山梨を盛り立てていけたらと思っています」と抱負を語った。
山梨学院大学アートマネマネジメントプログラムでは、芸術関連産業の経済と経営を実践的に学び、アートビジネスに関する専門的な知識と世界で活躍するために必要な素養を醸成している。山梨学院では、このようなオークションを通じ、日本を芸術・文化・観光立国へと発展させる人材の育成を図り、ビジネスやマネジメントの側面から、現代に生きるアーティストや地域産業を支える人材の輩出を目指している。
文(Y.Y)、カメラ(平川大雪)
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