平成25年度第33回全日本学生スピードスケート選手権大会が12月12・13の両日、群馬県総合スポーツセンター伊香保リンクで開催された。大会は、スプリント力を競う短距離のスプリント競技部門(SP)と、短距離から長距離までのオールラウンドの力を競う総合競技部門(AR)の2部門について、それぞれの種目優勝と総合優勝を争う2日間の学生No1決定戦。山梨学院大勢は、澤田芽依が1日目のSP女子500mで初優勝、1000mで3位、2日目の500m2位でSP総合トップに立ったが、最後の1000mが6位に沈み、SP総合は悔しい3位となった。一方、オールラウンダーの池田千奈美が1日目のAR500m2位を獲得、3000mは5位だったが、2日目の5000m で優勝を果たし、AR総合2位と大健闘した。男子は、大林昌仁が5000mで3位の表彰台に上がり、AR総合4位を獲得。由井翔がAR総合5位に食い込むなど、男女ともに1月のインカレに向けて大きく弾みを付けた。
スプリント競技(SR)は、500mと1000mを1日目と2日目に2回滑り、それぞれの優勝と2日間合計の総合優勝を争う。総合競技(AR)は、500m・1500mと男子は5000m・10000m、女子は3000m・5000mを滑り、それぞれの種目優勝と総合優勝を争う。山梨学院大からは、男子13人、女子10人が出場した。
山学大勢のうち、スプリント(SP)女子の澤田芽依(2年 帯広三条)が大飛躍した。1日目の500mで自己ベストを1秒近くも更新する40秒22でいきなり優勝を勝ち取った。去年までは苦手意識があった1000mでも自己ベストを1秒以上も短縮させる1分23秒71で3位の表彰台に上がった。2日目も500m2位となり、3種目を終えた段階でトップに立ったが、最後の1000mが6位に沈み、総合成績は3位となった。身長168cmの長身を利した、足をしっかり伸ばすゆったりしたフォームに改善したことが好成績に結びついた。澤田芽依選手は「姿勢を低くし、足を長く伸ばすフォームに変えて、500mは初めて40秒台を出すことが出来ました。夏に走りこんでスタミナがつき、1000mも最後まで落ちないようになりました。自分でもびっくりの初優勝です」と喜びながらも「2日目の1000mでタイムを落とし、悔しい気持ちが強いです。この借りはインカレで返したい」と悔しさも口にした。
オールラウンド(AR)では、女子の池田千奈美(2年 駒大苫小牧)が大躍進した。小柄ながら抜群のスタミナの持ち主、1日目のAR500m2位で発進し、3000m5位、2日目の1500mは4位に食い込み、最終種目の5000mで見事に優勝した。この結果、AR総合準優勝と大健闘した。池田千奈美選手は「500mはいいタイムを出せたが、自信があった3000mは最初から足が重かった。5000mは2位に大差をつけての優勝で素直に嬉しいです。総合は1位に1秒足りず悔しい思いをしました」と話し、自身の心に成長を誓っていた。
男子では新人の大林昌仁(1年 佐久長聖)が健闘した。5000mを6分台(6分59秒13)で滑り、新人ながら3位の表彰台に上った。2日目の1500mは強風の中で5位、1万mは6位となり、AR総合5位に食い込んだ。大林昌仁選手は「連戦の中で、ここまでいい結果が出せなかったが、今回はいい感覚で滑れました。12月のオリンピック選考会で5000mに出場できるので、しっかり滑り込んで臨みたい」と飛躍を期している。由井翔(3年 長野高) は、1万m5位、5000m6位でAR総合6位に入った。
この他の山学勢は、SP1000m(2日目)阿部美沙希(3年 白樺学園)5位、SP1000m(1日目)伊藤さゆり(3年 東海大三)6位、SP500m(1日目)下田琢也(3年 嬬恋)6位などとなった。
今年の山学大は、昨年まで活躍した歸山麻衣・土田愛・梅川風子らが卒業し、昨年のAR女王高橋菜那(2年 白樺)がユニバーシアード大会出場で欠場となり、上位入賞は難しいと思われたが、澤田芽依・池田千奈美・大林昌仁ら1・2年の若い力が台頭、3年の由井翔・下田琢也・阿部美沙希・伊藤さゆりらが奮起した。1月のインカレに向けて自信と弾みをつけた。
今シーズンの日本学生氷上選手権(インカレ)は、1月6日から9日の日程で、北海道・帯広市で開催される。昨年の山学大女子は、創部初の総合4連覇(通算7度目の総合優勝)を獲得した。また、一昨年2部に降格した男子は、2部で圧倒的強さを発揮し1年で1部昇格を果たした。山学大チームは、フィギュア陣とともに一丸となり、女子は総合5連覇、男子は1部上位にチャレンジする。
文(M.T) カメラ(平川大雪)
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