山梨学院パブリシティセンター
男子第64回全国高校駅伝競走大会
〜山梨県初優勝 創部16年新たな歴史を築く〜
〜4校競技場で激走制す 主将・西山ら恩返し〜

男子第64回全国高校駅伝競走大会が12月22日、京都府の西京極陸上競技場を発着とする付設マラソンコースで都道府県代表47校が参加して行われた。12時30分に一斉スタートし、7区間42.195キロメートルで高校駅伝男子の日本一を競った。史上まれな4校激走を山梨学院が2時間3分53秒で制し初優勝した。山梨県代表の山梨学院(3年連続13回目出場)は、全中時代からのつわものたち3年生5人衆の集大成ともなる大会。主将・西山が壮行会で「お世話になった方や応援していただいている方々の恩返しに、1番でゴールテープを切りたい」と決意を述べて大会に挑んだ。山梨学院は花の1区・上田健太がトップ差1秒の2位、2区・小林雄斗がトップと3秒差の2位を堅守。3区・河村知樹がトップ差46秒の3位と後退。すると4区・市谷龍太郎が期待に応える快走で、トップ差を30秒詰め2位に浮上し16秒差。5区・熊谷尭之がトップ差29秒の4位と踏ん張る力走。6区・矢ノ倉弘がトップ差を26秒縮め3秒とするとともに、3位にあげる快走。アンカー7区・主将の西山令が、世羅・伊賀白鳳・大牟田との4校による競技場で激走の末、残り200メートルで仕掛け、100メートルで追随してくる大牟田を猛ダッシュを掛けて振り切った。西山は両手を広げ両手の人差し指を立てて、有言実行となる恩返しのゴールテープを切った。山梨学院は創部16年で初優勝を飾り、3年生5人衆の夢を叶えるとともに、新たな歴史を築いた。
なお、女子優勝は豊川(愛知)が1時間6分54秒で2年ぶり4回目の優勝。山梨県代表でアベック出場した山梨学院女子は1時間8分21秒で6位入賞を果たした。


□3年連続13回目の出場の山梨学院は、関東大会で2時間4分58秒で2位フィニッシュ。チーム新で大会記録、昨年の都大路3位匹敵の走りにも箱崎孝久監督は「順位にもこだわっていたので、厳しいレースだった」と、「都大路を睨み、練習で追い込んでいたので、その疲れが抜けずに選手の体が動かなかった」と声を押し殺し、「原因はわかっているので、微調整して、都大路で納得のいく走りを心がけたい」と口を結んだ。壮行会で主将・西山令が「3年生は『高校3年次に優勝』を目標に入学してきました。多くの敗北や挫折などで挫けそうになったとき、様々な人に支えられました。日本一を勝ち取ることは厳しいが、皆さんに『がんばれ』と背中を押してもらい、1位でゴールテープを切り、この山梨に帰ってきたい。僕たちは支えてくれた人々に、走りで恩返しをしたい」と、力強く決意を述べた。この日の西京極陸上競技場は、天候 曇り、気温 8度、湿度 59%、風向 北東、風速 1.9m/s。北海道から沖縄までの47都道府県代表がスタートラインに付く、山梨学院のエース・上田健太が後方3列目インコース側から、12時30分に号砲とともに一斉にスタートした。上田健太が花の1区の10キロを小林とのトップ差1秒の2位。2区・小林雄斗が3キロの下り坂を区間2位で、小林とのトップ3秒差として2位を堅守。3区・河村知樹が8.1075キロの上がり下りのタフなコースを区間8位で、世羅とのトップ差46秒の3位と後退。すると4区・市谷龍太郎が8.0875キロの下りを期待に応える区間3位と快走し、世羅とのトップ差を30秒詰め2位に浮上し16秒差。踏ん張りどころの5区・熊谷尭之が3キロの上がりを区間11位で世羅とのトップ差29秒の4位と力走し、6区・矢ノ倉弘へ。矢ノ倉が襷を受け取ると5キロのカーブと上り下がりの多いコースを区間2位と期待どおりの走りで、世羅との差を26秒縮める3秒とする3位へチーム順位を上げる快走。その矢ノ倉がアンカー7区・主将の西山令に悲願となる優勝への襷を委ねた。主将・西山が伊賀白鳳と世羅と並走。1キロ過ぎに大牟田が追いつき4校が並走となる混戦へ。残り2キロで世羅が仕掛け、スパートをかける。慌てずに西山もついていく。いぜんとして4校混戦でゲートをくぐり競技場へ。史上まれな4校激走に、競技場は応援団や観客の大歓声に沸く。伊賀白鳳が力を振り絞り前へ出る。西山が追随する。西山が残り200メートルで仕掛け、100メートルで渾身の力を振り絞りラストスパート。競技場が響めく。西山は他を振り切り、両手を広げ両手の人差し指を立てて、有言実行となる恩返しのゴールテープを切った。

☆1位 山梨学院(山梨)、2位 大牟田(福岡)、3位 伊賀白鳳(三重)、4位 世羅(広島)、5位 佐久長聖(長野)、6位 小林(宮城)、7位 八千代松陰(千葉)、8位 学法石川(福島)

文(H・K)、カメラ(Y・Y)(平川大雪)(藤原稔)(今村佳正)(小池裕太)
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男子第64回全国高校駅伝・山梨学院高校応援団
〜歓喜の初優勝、応援スタンドは喜びの渦に〜

山梨学院高校駅伝部の活躍を応援で後押しすべく、生徒会、吹奏楽部、チアリーダー部、応援団、PTA役員などおよそ150人が山梨から駆けつけた。山梨を前日21日にバスで出発し、京都に1泊しこの日の応援に備えた。今年度の全国大会のスポーツ応援は高校駅伝が初舞台。昨年の全国高校駅伝では、男子が山梨県勢初となる8位入賞を果たし、その陰には選手の力とともに、応援の力があった。昨年のアンカー・西山選手は、競技場に入り、応援団の大声援を受け、前を走る鳥栖工をラスト300mで抜き去り、県勢初の快挙を達成。その興奮を味わった生徒も2・3年に進級し、自然と応援には力が入る。スタート・ゴール地点となる京都市・西京極陸上競技場には、吹奏楽部、チアリーダー部、応 援団などおよそ100人が競技場バックスタンドに陣取り、沿道では生徒会、PTA役員などが声援を送った。男子のスタート時の競技場の気温は8度。比叡山は雪化粧し、京都盆地特有の「比叡おろし」が吹き荒れ、凍えるような寒さが競技場を包み、時折小雨もぱらついていた。応援団は競技場から京都市街へ出る選手たちを寒さを吹き飛ばす熱のこもった応援で送り出した。レース前半から上位で襷渡しを行う積極的な展開に早くも応援スタンドは大興奮。アンカー・西山選手が、3校と争いながら競技場内に入り、トラックでデットヒートを繰り広げ、残り100mで後続を突き放しトップに躍り出ると、応援スタンドからは悲鳴に近い歓声が上がった。そのまま逃げ切り、1位でフィニッシュテープを切ると応援スタンドは喜びの渦に包まれ、抱き合って喜ぶ吹奏楽部員や涙するチアリーダーの姿があった。優勝し、仲間と抱き合い喜びを分かち合ったチアリーダー部の門坂有紗部長は「優勝して欲しかったので最後は一生懸命声援を送りました。優勝の瞬間が見れて嬉しいです。選手の皆さんには“お疲れ様でした”“ありがとうございました”という言葉を掛けてあげたいです」と語った。また、音楽で選手を後押しした吹奏楽部の伯耆部長は「演奏するのを忘れるぐらい興奮しました。初優勝の場面に立ち会えて凄く嬉しいです。凄いことを成し遂げて、選手のみなさんのことを尊敬したいです」と述べた。寒風が吹き荒れる中、襷掛けの袴姿で選手にエールを送り続けた応援リーダーの眞田帆風さんは「最後に4人で優勝争いをして、そこから抜け出したアンカーの走りに感動しました。最後はみんな夢中になって応援し、とても貴重な場面で一緒に声援を送れたので良かったです」と語り、もう一人の応援リーダーの田中里奈さんは「みんなが気持ちを一つにして応援し、優勝したので凄く嬉しいです。私たちの応援はまだまだなので、選手の活躍に見合う応援ができるようにしていきたいです」と話した。スタンドで声援を送った天野一PTA会長は「壮行会での主将たちの挨拶は感動しました。きょう、初優勝に立ち会えて感動の一言。有言実行、良くやってくれた。山梨も元気になると思う。この経験をもとに、みんなで素晴らしい学校を作ってくれれば良いと思います」と語った。

表彰式前には選手たちが応援スタンドを訪れ、結果報告会が行われた。この大会を主催する毎日新聞の清水隆明甲府支局長が「素晴らしい成績で、こんなに大きな感動や勇気を与えてくれてありがとうございました。選手たちも素晴らしかったですが、応援も大変見事でした。胸を張って山梨に帰りましょう」と挨拶。箱崎孝久監督は「皆さんの応援があったお陰で西山が最後に(トップで)ゴールテープを切ることができました。本当にありがとうございました」と述べ、西山令主将は「生徒や保護者、先生方の応援があって、優勝ができたと思っています。少しは皆さんに恩返しができたかなと思っています。自分の力以上のものを皆さんの応援で出すことができました。本当にありがとうございました」と応援への感謝を口にした。学校を代表し川手佳彦統括顧問が「男子は創部16年目で、最初は少人数で色々と大変なことがあった。私たちは、きょうのこの日を夢見ていました。本当に良くやってくれました。これも皆さんの応援のお陰だと思っています。本当にご苦労様でした」と述べた。最後は全員で校歌を斉唱し、選手や生徒たちの活躍を讃え合った。
文・カメラ(Y.Y)
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