山梨学院高校吹奏楽部の打楽器三重奏と金管八重奏の2チームが、1月26日に甲府・コラニー文化ホールで開催された「第19回西関東アンサンブルコンテスト」に山梨県代表として出場した。打楽器三重奏のメンバーは、小澤 亮、鹿間美緒、深澤綾菜の3人でいずれも2年生。金管八重奏のメンバーは、トランペット數野 光・新海茉波・石原佳苗の3人、ホルン大森正照、チューバ前島政道、トロンボーン末富雅人・山下みゆき・伊藤芽衣の3人で3年生4人、2年生4人の構成。夏の吹奏楽コンクールがオーケストラの演奏を競うのに対し、冬のコンテストは、少人数編成のアンサンブルの腕前を競う大会。2チームは12月に行われた山梨県アンサンブルコンテスト高校の部で揃って金賞・県代表を 獲得、冬休み期間中も毎日登校して練習を重ね、西関東大会のステージに立った。
年末の12月16日に行われた「第37回山梨県アンサンブルコンテスト」で、高校の部は山梨学院高の2チームと甲府西高管楽八重奏、甲府一高打楽器五重奏の4チームが県代表に選ばれた。山学高吹奏楽部からの西関東大会出場は、一昨年のサクソフォーン四重奏・クラリネット八重奏、昨年の金管八重奏に続き3年連続で、平成21年度のサクソフォーン四重奏と合わせ通算4度目の出場となる。2チームは、冬休み期間中も登校し、3学期に入ってからは放課後のルネサンスホールや教室で特訓を重ねて来た。打楽器三重奏の3人が使う楽器は、マリンバ・コンガ・ティンパニー・ビブラフォン・シンバル・タムタム・銅鑼など、実に19の打楽器。スポーツをしているようなハードワークで演奏中機敏 に動き回り、3人で力を合わせすべての楽器を打ち分ける。金管八重奏のメンバーのうち6人は、埼玉県所沢市で開催された昨年の大会経験者で、前島政道君は10月に楽器をトロンボーンからチューバに替えて猛練習した。新加入の大森正照君も伊藤芽衣さんも6人との呼吸がぴったり。2チームは、胸の高鳴りを抑えて西関東のステージに上がった。
演奏順3番目に打楽器三重奏の3人が登場して来た。演奏曲目は「ディベルティメント〜3人の打楽器奏者のために〜」。最初は3人によるマリンバの合奏、小刻みな小さな音から、次第に音が高まり、激しく連打して、サッと小澤君のドラムソロに変わった。3人は激しく動き回り、19もの打楽器を次々に打ち分けて行った、圧巻の5分間だった。小澤 亮君「初めての西関東、緊張したけどうまく出来た」、鹿間美緒さん「県代表を誇りに、楽しくやれました」、深澤綾菜さん「最後にビブラフォンのペダルが外れてしまい音が響かないアクシデントがあったけど、練習の成果発揮できました。ちょっと悔しいけど、西関東で演奏できて良かった」とそれぞれ振り返った。
12番目に金管八重奏が登場して来た。曲は「3匹の猫より、1ミスタージャムズ、3バーリッジ」。最初の曲はトランペット中心、2番目の曲はトロンボーン中心で、真ん中に陣取ったホルンとチューバがしっかりと全体を支えた。8人は演奏中にしばしば目線を合わせた、呼吸がピッタリと合った5分間だった。大森正照君「今までの中で一番楽しかったし、思い出に残りました」、新海茉波さん「一番いい演奏が出来たと思います」、數野 光さん「県大会よりうまく行きました、すごい楽しかった」、末富雅人君「本番前は緊張したけど、吹いているうちにどんどん楽しくなりました」、伊藤芽衣さん「入りが決まり、楽しくできました」、山下みゆきさん「県大会よりずっと楽しかった」、石原佳苗さん「途中からみんなと目が合い、とても楽しくできました」、前島政道君「自分たちの音楽を作ることと、楽しむことを大事にして大会に臨みました。個人的には楽器が替わり、緊張の真ん中ぐらいのド緊張だったんですが、まわりの仲間がみんな笑顔で嬉しくなりました」。誰もが口を揃えて楽しかったと述べた。その言葉と笑顔は、努力を重ね、自分たちが出来る最高の演奏をしたことを意味していた。
大会の結果、3月21日に岡山県倉敷市で開催される「第37回全日本アンサンブルコンテスト」高校の部には、埼玉栄高の打楽器八重奏と埼玉県立伊奈学園総合校高の金管八重奏の2チームが西関東代表として出場することになった。山梨県代表の4チームは、いずれも銀賞を獲得した。顧問の渡邉正樹教諭は「去年までの出場チームは全部銅賞だった、銀賞は初めてで階段を一つ上がれた」と部員たちの健闘を称えた。埼玉県勢の壁は厚く全国大会出場の夢は叶わなかったが、山学高の2チームはともに努力の結晶のような演奏を行った。それぞれがそれぞれの階段を一つ上がった。
文・カメラ(M.T)2014.1.26
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