山梨学院パブリシティセンター
ウインタープロジェクトに中学生が参加
〜山梨学院小と山梨学院中とが小中初連携の試み〜
〜学校の壁を取り払い課題探求授業でともに学ぶ〜

山梨学院小学校のウインタープロジェクトに、山梨学院中学校の1・2年生全員が初めて参加した。小学校と中学校とが学校の壁を取り払い、小1の児童から中2の生徒までが同じ教室で同じ課題をともに学ぶ授業は少なくとも山梨県初で、おそらく日本初、小中連携の道を探る新たな試みとして注目される。山梨学院小学校は、毎年3学期に独創的な教育実践であるウインタープロジェクト(今年は1月29日〜2月5日)を実施している。期間中は、全学年の壁が取り払われ、子ども自身が興味のある研究会の講座を選び自発的に学ぶ。研究授業の狙いは、子どもが自分の力で学び、失敗の中から生きる力を育ませようというもの。課題を克服すると、難易度ごとに1級〜3級の博士号シールを取得できる。自分で自分を高める学びを提供する試みは、開校時の10年前から形や内容を毎年改革させて取り組んでいる山梨学院小独特の教育プログラム、全国的にも珍しい課題探求型授業に、今年は中学生が初参加した。
山梨学院小は、運動要素主体の春の「スポーツプロジェクト」、文化的・芸術的活動主体の秋の「オクトーバープロジェクト」とともに、自主学習主体の冬の「ウインタープロジェクト」を学校の3大プロジェクトと位置づけて子どもたちの探究心を高める教育プログラムを実践している。期間中は1年生から6年生までの全学年の壁が取り払われ、興味を抱いたテーマについて低学年から高学年までの児童がともに学ぶ。「言葉研究会・数(かず)研究会・社会研究会・自然研究会」の4つの研究会には、6〜10の講座がそれぞれ用意されており、各児童が自分の学力・知識力・能力に応じて自由に選べるように組み立てられている。普段の授業では学び切れない専門的な知識を学び「博士号」シールの取得を目指すゲーム形式の授業。期間中、教師は極力アドバイザーに徹し「学び方を学ぶことを教える」のもこのプロジェクトのねらいの一つになっている。


研究会名

29日(木)

30日(木)

31日(木)

3日(木) 4日(木) 5日(木)
言葉研究会

English Comics(全学年)

英語でアフレコ講座(全学年)

狂言講座(全学年)

正式名称講座(全学年)

暗記・暗唱講座(全学年)

韻ふみ講座(全学年)

絵本講座(低学年)

登場人物研究講座(低・中学年)

漢字KANJI講座(中・高学年)

甲州弁講座(中・高学年)
 
数研究会

数学パズル講座(全学年)

タングラム講座(低学年)

あんごう・ほうそく講座(低学年)

展開図アート講座(中学年)

一筆書き講座(中学年)

昔々の数のこと講座(高学年)

暗号・法則講座(高学年)
 

自然研究会

マグマと火山講座(全学年)

海の生態系講座(全学年)

色講座(低。中学年)

きれいきれい講座(低・中学年)

リニアモーター講座(中・高学年)

元素記号・実験講座(中・高学年)
 

社会研究会

日本の名城講座(全学年)

航空機講座(全学年)

鉄道講座(全学年)

世界の名画講座(全学年)

映画の歴史講座(全学年)

旅名人講座(3年生以上)

クラシック通講座(3年生以上)

お城について研究する「日本の名城講座」に参加した山学中2年の今村光臣君は「公立小学校から来たので、こういう知的好奇心をそそる授業を小さい時から受けられる小学生はすごく恵まれてるなと思います。お城について一緒に調べることは学年に関係なくやれることで、出来る子は1級とか上のところまで自分を高められる。小1から中2までが一緒にいることに違和感を感じないなんて、中学生から見てもすごいことだなと思います」と語った。正式名称講座に参加した丸山範子さん(中2)は「今まで知らなかった言葉の本当の名前を知ることが出来たり、みんなと話しながら覚えられることがすごく楽しいと感じました。普段の授業とは全然違う色々な体験が出来ました」と話し、新海美帆さん(中2)は「小学生と自然に触れ合えて楽しいと感じましたし、記憶力は私たち中学生より、小学生の方が上なんだなと感じられる場面があり、とても刺激を受けました」と語った。中学生を引率した山学中の川口洋教諭は「中学校になると学ぶ内容が増えてきて、一生懸命それを学ぶことに終始しがちになりますが、何か一つの事に特化して、自分で選んで、自分で調べて、自分でまとめるという過程を経験できるというのは、生徒の学びにとってすごくいいことだなと思います。普段は同級生とのやや狭いコミュニティになりがちですが、こういう交流によって、生徒は様々なことを身に付けるだろうと感じました」と話している。山学小の山内紀幸校長は「積み重ねが必要な計算力などは差があるが、なんだろうという好奇心には年齢や学年の差がない。知りたいという知識は突き詰めていくと、役に立つか立たないかではなく、最終的には面白いか面白くないかということに行き着く。知識を身に付けようとする体験がすごく大事。受験の勉強も大事だが、それだけだと受身の学びだけになってしまう。時には転換も必要で、こういうプロジェクトを体験させてやることによって、受身も攻めも両方出来る学習者になって行ってもらいたい。小中の教師同士が準備段階から交流し打ち合わせを重ねて実現に漕ぎ着けました。今回が初の試みですが、今後も小中連携交流の道を探って行きたい」としている。

文(M.T) カメラ(平川大雪) 2014.2.5

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