山梨学院パブリシティセンター
記録的大雪ピンチはチャンス
〜雪かき奉仕と筋力トレーニングで体力倍増〜
〜センバツ甲子園に出場する山学高野球部〜

1ヵ月後の「第86回選抜高等学校野球大会」に出場する山梨学院高校野球部が、観測史上最高の大雪でグラウンドが雪に埋まり、実戦練習が出来ないピンチに陥っている。しかし、選手たちは砂田グラウンドが住宅地の奥まったところにあることから、降雪直後から、周辺住民の足を確保するための除雪作業に連日取り組み、屋内練習場での練習とトレーニングルームでの筋力トレーニングに毎日汗を流している。吉田洸二監督は「センバツのことだけを考えるとたしかに厳しいが、夏のことを考えると、逆に最高の冬場のトレーニングが出来ている」とピンチをチャンスと捉えている。チームは、3月10日から雪のない九州に遠征して実戦練習を行い、14日の組合せ抽選会に臨むことにしている。丸太 トレーニングで腕力や足腰がグンと逞しくなった選手たちは、逆境で力を蓄え、春のセンバツに挑む。


20年ぶり2度目のセンバツに出場する山学高野球部は、当初8日から実戦形式の紅白戦を開始させることにしていたが、その日に最初の大雪が降り、14日に降ったその2倍の大雪で防球ネットとバッティングゲージが倒壊する被害が出た。降雪直後は胸まで埋まるほどだった雪は、21日には40cmほどまでに減ってきたが、踏んで融かそうとしても土まで届かないため、踏んだ穴が凍り付いてしまう悪循環状態。専門家の見立てでは、土のグラウンドのため重機を入れることは可能だが、グラウンドの痛みが激しい上に、ファウルグラウンドに雪をうずたかく積み上げると、そこから解ける雪で長期間ぬかるんでしまうという。太陽の力に頼るしかなく、このままグランドを使えずに甲子園入りする状 況も懸念される。砂田グラウンドは、大学キャンパスに近い城東大橋沿いの甲府市砂田町にあり、グラウンドが住宅地の奥まったところにあることから、部員たちは周辺住民の足を確保するための雪かき奉仕を連日行ってきた。屋外での練習は、最初の大雪の8日から数えると2週間まったく出来ない状態だが、屋内練習場での練習とトレーニングルームでの筋力トレーニングにひたすら取り組み、全選手が汗をたくさん流してきた。最大の特徴は吉田洸二監督が長崎県立清峰高校監督時代に考案した吉田式丸太トレーニング、10キロ前後の硬く重い丸太を両腕で抱えてジャンプ、前後開脚3分、左右開脚3分、さらにウサギ足で抱えて歩くという超過酷な訓練で、腕力と足腰を徹底的に鍛え上げている。寮での食 生活にも気を配っており、選手の体は一段と逞しく締まってきた。投手陣は屋内練習場ブルペンで連日110球前後の投げ込みを行っている。急造ながら関東大会突破の立役者となった左のエース山口大輔投手(2年)は左右へのコントロールを重視した投球練習。フォームをサイドスローからオーバースローに変えグンと伸びのある球を投げるようになった右のエース上原進投手(2年)は、フォームチェックを主体に投げ込みを行っている。打撃陣は、室内でバッティングマシーンを使っての打ち込みとバンド練習中心のメニューに取り組み、城東大橋下の道路を除雪し200mダッシュでスピード力をつける練習に励んでいる。菊池海斗主将(2年)は「外でないとやれない内外野の連携は出来ていないが、内野の連携などは屋内練習場で工夫してやっています。九州遠征で実戦練習と試合を行い、短期間で力と自信を身に付けて、センバツに臨みたい」と明るい笑顔を見せた。吉田洸二監督は「正直なところ予定が1か月狂ってしまいました。センバツのことだけを考えるとたしかに厳しいが、夏のことを考えると、逆に最高の冬場のトレーニングが出来ていますし、素晴らしい室内練習場を活用して創意工夫しています。子どもたちは本当に打てるのか、打球が取れるのかと心配していると思いますが、甲子園に行った時に、選手に勇気を与え奮い立たせるのが指導者の仕事。3月10日からの九州遠征でチームと各選手の状況を見極めて、センバツに立ち向かいたい」と話している。雪に負けるな、山学球児たち!
 
文・カメラ(M.T)2014.2.21
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