観測史上最高の大雪がようやく融け、不老園の梅が咲き始めた3月1日、山梨学院高校で平成25年度第56回卒業式が行われた。今年度の卒業生は、普通科338名、英語科35名の合計373名。担任の教師が、一人ひとりの名前を読み上げ、壇上に上った生徒の代表に卒業証書が贈られた。師走の都大路を最速で駆け抜け、学校史上初、山梨県史上初の、全国高校駅伝優勝の快挙を達成させた男子駅伝部の卒業生5人に今年度の創立者古屋賞が贈られ、赤尾俊前生徒会長らに外部団体賞が贈られた。今年度の山梨学院高校は、ソフトボール部全国選抜大会山梨県勢初の準優勝、県高校総体大会史上初の男女総合アベック優勝、吹奏楽部4年連続西関東大会出場銀賞獲得、都大路駅伝部男子優勝・女子6位の 県勢最高成績、野球部20年振りセンバツ出場の朗報など、文武両面で光り輝く成績を残した。式を終えた卒業生は、前庭で待っていた部活の後輩らと別れを惜しみ、思い出を胸に、新たな道に踏み出して行った。
卒業式は、大勢の保護者が見守る中、午前10時から体育館で行われた。最初に、各クラスの担任の教師が、卒業生一人ひとりの名前を読み上げ、壇上に上った普通科と英語科の代表2人に卒業証書が手渡された。過去最多だった皆勤賞・精勤賞受賞者の紹介に続き、学校史上初、山梨県史上初の、全国高校駅伝優勝の快挙を達成させた男子駅伝部の上田健太、河村和樹、市谷龍太郎、矢ノ倉弘、西山令の卒業生5人に今年度の創立者古屋賞が贈られ、5人を代表し西山令主将が表彰状を受け取った。さらに、赤尾俊前生徒会長らに外部団体賞が贈られた。古屋忠彦校長は式辞の中で「何事に対しても謙虚であってほしい、他者のために何かをする人間であってほしい。そして、言葉の使い方を学ぶことを勧めます。これからの長い人生をより良く生きて行くためにも、相手の立場を考え、言葉を大切にする人間として、健やかに成長して行ってほしいと願っています」とはなむけの言葉を贈った。在校生代表の鈴木理奈生徒会長は「目の前のハードルを越えるための努力を日々惜しまなかった先輩方は私たちの模範であり、憧れの存在でした。先輩方がして下さったように、私たちも後輩たちの背を押し、山梨学院高校の伝統をさらに発展させて行くことを誓います」と送辞を述べた。卒業生を代表して答辞を述べた生徒会前副会長の星野百萌さんは「私たちは、今、新たな扉の前に立っています。3年間はとても濃い毎日だったのに、あっという間に過ぎ去って行きました。扉の向こうの未来に不安を感じ、この場所にまだ留まりたいと思っている自分がいます。みんな、怖いんです、本当は不安で、不安で、仕方がないんです。それでも目の前の扉を開けずにはいられない。たくさんの仲間と過ごした日々と、思い出を胸に、新たな道を歩み続けて行きます」と涙を堪えながら素晴らしい別れの言葉を述べた。卒業生は、野球部OBのシンガーソングライター伸太郎さんの曲「それぞれの旅立ち」が流れる中、あるものは笑いながら、あるものは涙を流しながら、別れの花道を歩いて行った。
卒業式を終えたあとの前庭では、部活の後輩たちが先輩たちを送り出す光景があちこちで繰り広げられた。ソフト部はグラウンドと同じように円陣を組み「Go We are Fine!」と先輩を送り出した。全国選抜大会準優勝投手となり山学大に進む小林咲嬉投手は「勉強と部活動を両立させることが出来ました。高校で日本一になれなかったので、大学で日本一をめざし、日本代表になれるよう頑張りたい」と抱負を語った。野球部は卒業生一人一人を後輩たちが胴上げで手荒く祝福した。主将を務め山学大に進む大下拓馬選手は「3年間あっという間だったなと思います。高校では悔しい思いの方が多かったので、大学では1年から試合に出れるよう練習に励み、高校での悔しさを大学で晴らしたい」と大学でのリベンジを誓った。チアリーダー部は一人一人が思いを語り、ゴルフ部は後輩たちが先輩に寄せ書きを贈り、吹奏楽部はブーケを贈った。373人の卒業生は、想い出と思いをその胸に詰め込み、酒折の学び舎から旅立って行った。一人一人が放つ光は永久に輝かん!
文(M.T) カメラ(平川大雪)2014、3、1
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