パンパシフィック選手権・アジア大会代表選考会をかねた第90回日本選手権水泳競技大会競泳競技は4月12日、東京・辰己国際水泳場で大会3日目のレースが行われた。山梨学院勢は、女子50m背泳ぎに竹迫麻澄・山下安輝・瀬下茉利・酒井志穂の4人、女子100m自由形に本間あかり、男子400m自由形に江原騎士、男子200m個人メドレーに青木健紘が出場した。このうち、女子50m背泳ぎの竹迫麻澄と男子400m自由形の江原騎士の2人が前日に続き午前中の予選を突破し夕方からの決勝レースに2日連続で進出した。竹迫麻澄の成長はすごい、予選で自己ベスト更新の8位で決勝に進み、決勝ではベストを1秒近くも短縮させる驚異的な激泳を見せ28秒73でゴール、タッチ差で4位となった。昨年までは無名だったが3年目の今年いきなりトップスイマーに飛躍した。江原騎士は力み過ぎてしまい400m決勝は失敗レースになってしまった。隣を泳ぐ五輪メダリストの萩野公介を意識し、積極果敢に飛び出したが、後半失速し8位に終わった。
竹迫麻澄(たかば ますみ 3年 中京大中京)は長姉の麻貴・次姉の麻弥に続き山学大に進学した3姉妹の3女。昨年の50m背泳ぎは35位(30秒43)だった。3年になってから急成長、山梨が大雪に見舞われた最中に行われた2月の短水路選手権で50m・100mともに3位の表彰台に上った。この日も、予選で自己ベスト更新の8位で決勝に進み、決勝ではベストを1秒近くも短縮させる驚異的な激泳を見せ28秒73でゴール、タッチ差で表彰台を逃す4位となった。竹迫麻澄選手は「目標にしていた8秒台も出て、いい泳ぎが出来たので、満足しています」と率直に喜びを表現した。急成長したことについて「神田コーチからもっと欲を出しなさいと言われていたんですが、今年になって、水泳人生残り少なくなったんだからもっと頑張ろうと思い、冬場にしっかり泳ぎこんだら、着々とタイムがあがってきて、自分でも力がついたなと感じられるようになりました。楽しく水泳をやれています。ジャパンオープンで表彰台を狙えるように練習したい」と意欲を見せている。江原騎士(えはら ないと 3年 山学高)は、大柄な選手が多い男子の中では小柄に見えるが、瞬発力と持久力の両方ともに秀でており、100mから1500mまで日本トップレベルで泳げる驚異の肉体の持ち主。今年の大会プログラムに写真付きで「瞬発力と持久力を兼ね備えた自由形のダークホースに注目」と紹介された。しかし、注目されたことが災いしてか気負ってしまった。予選4位で決勝に進み、6コースからスタートした。隣りの5コースはロンドン五輪メダリストの萩野公介(東洋大)、スタートから真っ向勝負を挑み、200mまでは1位〜2位争いを繰り広げたが、そこから失速しずるずると後退、失敗レースの8位となった。江原騎士選手は「何もいえないタイムで、すべてだめでした。明日の800mはあまり泳いでいないので、400でこれだけだめだと不安ですが、最後のレースなので今日を糧にして泳ぎたい」と語った。
この他の山学勢は、女子50m背泳ぎの酒井志穂(カレッジスポーツセンター研究員・ミキハウス山梨)がB決勝4位(全体12位)、男子200m個人メドレーの青木健紘(4年 香川・高松工芸)23位、女子50m背泳ぎの瀬下茉利(1年 愛知・豊川)26位、女子100m自由形の本間あかり(2年 岩手・羽黒)29位、故障から復帰の女子50m背泳ぎ山下安輝(3年 山口・豊浦)30位となった。
大会最終日の13日は、女子1500m自由形タイム決勝、男子800mタイム決勝、男女50m自由形、男女200m背泳ぎ、男女100mバタフライ、男女200m平泳ぎが行われる。山梨学院勢は12人が最終日のレースに挑む。
山梨学院勢 3日目の成績 |
名前 |
学年 |
種目 |
記録 |
備考 |
竹迫麻澄 |
3年 |
50背泳 |
28秒73 |
4位(自己新) |
江原騎士 |
3年 |
400自由 |
3分56秒99 |
8位 |
酒井志穂 |
研究員 |
50背泳 |
29秒44 |
B決4位 |
青木健紘 |
4年 |
200個メ |
2分04秒63 |
23位 |
瀬下茉利 |
1年 |
50背泳 |
30秒18 |
26位 |
本間あかり |
2年 |
100自由 |
58秒11 |
29位 |
山下安輝 |
3年 |
50背泳 |
30秒71 |
30位 |
文(M.T)カメラ(平川大雪)2014.4.12
アルバムはこちら