山梨学院パブリシティセンター
関甲新学生野球春季リーグ戦(第2節2戦目)
〜山学が平成に連勝開幕飾る 延長14回菊池サヨナラ〜
〜力投派右腕・山田 7回完封 投手キャプテンの自覚〜

2013年関甲新学生野球春季リーグ戦(第2節1戦目)は4月14日、埼玉県の平成国際大学野球場で2試合を行った。第2試合は山梨学院が平成国際に延長14回7対6のサヨナラ勝ちで勝ち、開幕カード平成国際戦に連勝し勝ち点1を上げる好スタートを切った。後攻の山梨学院は1回裏四死球や犠打を絡める7番・田中貴也(3年)の中前2点適時打、9番・酒井雄史(3年)の左前適時打で4対0。3回、6回にも1点づつ加点し6対0とリード。投げては山田祐也(4年)が投手キャプテンの自覚を持ち7回を88球、5安打、四死球2、奪三振7と好投。8回6点差「一二年生に経験を積ませたいと考え」2年生投手にスイッチ。2アウト後、野手2失策とワイルドピッチが絡み6対2。 さらに9回に3番手も捕まり、3点差でエース・高梨裕稔(4年)を投入したが失策が絡み6対6の延長戦へ。延長14回裏、3番・中村圭輔(3年)の内野安打と犠打で一死二塁、5番・菊池紳弥(4年)が中前にサヨナラ打を放ち連勝し事なきを得た。


□昨日は、昨秋の延長15回と球史に残る壮絶な死闘を繰り広げた因縁の両雄、山梨学院大学のエース右腕・高梨裕稔(4年土気)と平成国際大学の左腕・佐野泰雄(3年和光)の激突とあつて観衆が多く詰めかけた。試合は山梨学院が8対1で勝ち先勝。その余韻さめやらぬマウンドに山梨学院は2012年春季最多勝利投手の山田祐也(4年・山梨学院)を、後のなくなった平成国際は昨日に救援し1回を3打者に対して1三振と好投した左腕・田中宏明(4年・東京)を、先発投手に送り込んだ。山梨学院は連勝して勝ち点をとり第3節上武大戦へ、平成国際はタイブレークにしたいところ。球審のプレーボールが球場に響き渡った。


●関甲新学生野球春季リーグ戦(第2節2戦目)【 山梨学院大学 対 平成国際大学 】平成国際大学野球場

 
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平成国際
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●【山梨学院】
●[投手]山田祐也 投球回数7回、打者28、打数26、投球数88、安打5、四球1、死球1、三振7
●[投手]角張健 投球回数3/2回、打者5、打数5、投球数20、安打1、三振1、暴投1、失点2、自責点1
●[投手]諸見里尚 投球回数3/2回、打者5、打数5、投球数24、安打3、三振1、失点3、自責点2
●[投手]高梨裕稔(勝ち投手 2勝0敗) 投球回数5 3/2回、打者22、打数19、投球数75、安打3、犠打2、四球1、三振7、失点1
●[捕手]田中貴也
●【気象状況(午後2時)】天気(曇り)、気温(20.8度)、湿度(39%)、風向(東北東2.3m/s) 


◆後攻の山梨学院は1回表、二本柱の一角右腕・山田祐也(4年・山梨学院)をマウンドに上がった。力投派・山田が1番打者を右飛に、2番打者を四球、3番打者を遊飛に、4番打者を空振り三振に打ち取る上々の立ち上がり。
◆1回裏、1番主将・平井慎也(4年・富士学苑)が四球を選び出塁すると、2番・角田元気(2年・埼玉栄)の1球目で二塁へ、犠打で三塁に進塁。続く3番・中村圭輔(3年・熊本国府)が四球を選び一死一三塁。4番DH・中西峻也(2年・甲府城西)の2球目ワイルドピッチで二三塁。さらに中西の死球で一死満塁とした。昨日3ランの5番・菊池紳弥(4年・学法石川)の死球でなんなく先取得点を奪った。二死満塁、7番・田中貴也(3年・八重山商工)が2ー2の5球目を2点中前適時打し3対0、8番・大丸浩平(3年・甲府商業)が死球を選び満塁に、9番・酒井雄史(3年・木更津総合)の左前適時打で4対0とする。
◆3回裏、2回から交代した右投手から、先頭打者の5番・菊池が中前安打、これが野手に当たり転々とする間に三塁を陥れた。一死後7番・田中が左前適時打で5対0とする。
◆4回表、力投派・山田が2番打者を右飛、3番打者中前に4番打者に左前安打されるも、5番打者を空振り三振、6番打者を見逃し三振に切って取る好投。
◆6回裏、先頭打者7番・田中が内野安打で出塁すると8番・大丸の初球で盗塁。8番・大丸が四球を選び無死一二塁。続く9番・酒井の犠打で一死二三塁。1番主将・平井のランエンドヒットで田中が生還し6対0と引き離す。
◆8回表、好投していた山田から2年生右腕・角張健(2年・木更津総合)にスイッチ。右腕・角張が先頭の2番打者を遊ゴロに、3番打者を空振り三振に、続く4番打者を遊ゴロに仕留めチェンジかと思ったが、野手失策で出塁を許すと、ワイルドピッチで二死二塁とした。5番打者に右適時三塁打され6対1。5番打者に内野安打され6対2とされ降板した。
◆9回表、8回から救援した技巧派右腕・諸見里尚(3年・糸満)が先頭の8番打者代打を空振り三振に打ち取るが、9番打者に二塁打、続く1番打者に中前安打され一死一三塁、2番打者に中前適時打され6対3。一死一二塁でエース右腕・高梨裕稔(4年・土気)にスイッチ。エース・高梨が3番打者を一塁ゴロに打ち取るも内野手失策で6対4。一死一三塁、高梨が抑えようと力みリズムが崩れ、4番打者にストレートの四球を与え一死満塁とし、5番打者に2点右前適時打され同点とされる。
◆10回裏、先頭打者の5番・菊池が中前安打で出塁し、6番・加賀美祐樹(3年・東海大甲府)の犠打で二塁へ進塁するが後続が倒れチャンスを逸する。
◆12回表、エース・高梨が先頭打者に左前安打、犠打で一死二塁とされるも、10回からリズムを取り戻した高梨が7番打者を内野ゴロ、8番打者三振に打ち取る好投。
◆13回裏、6番打者が出塁、7番・犠打で一死二塁、8番・大丸が四球を選び一死一二塁、9番・酒井の三遊間を破る左前安打で一死満塁としたが後続が倒れビッグチャンスを逃した。
◆14回裏、9回裏からリリーフした平成国際エース左腕・佐野泰雄(3年・和光)から3番・中村圭輔(3年)の気迫のこもった内野安打と鈴木悠介(3年・山梨学院)の犠打で一死二塁とし、昨日ライトポール際に3ランを放っている5番・菊池紳弥(4年・学法石川)が中前にサヨナラ打を放ち連勝し事なきを得た。


二本柱の一角右腕・山田祐也(4年・山梨学院)は「チームが最後、勝てて本当に良かった」と勝利投手の権利を失ったことなど無頓着でチームの勝利に胸を撫で下ろした。7回を完封できたのは「田中のリードが良かったので、投げることだけに集中できたことが大きい」と笑みを漏らした。すかさず「立ち上がりフォアボールといらないデッドボールがあったので反省し修正したい」。それと並行して「投手キャプテンとして後輩をケアしていきたい」と威厳と品格を漂わせる。目を見開き「次の上武戦で貢献し、神宮に近づきたい」と大きく頷いた。

□延長14回サヨナラ打を放った5番・菊池紳弥(4年・学法石川)は、昨日の3ランに続きサヨナラ打を放ちながらも浮かない表情。「9回に自分のエラーで同点に追いつかれ、高梨やチームに迷惑をかけた」と詫びた。14回「どうしても、打ちたかった」と語気を強める。「前の打者たちが繋いでチャンスを作ってくれたので、自分の中では打てる気しかしなかった。『自分で決めてやる』」と「真っ直ぐだけを待っていた。『ほぼ真ん中の真っ直ぐがきた』」と振り抜いた。「ほっとした」と素顔を見せた。

エース・高梨裕稔(4年・土気)は「山田に済まないことをした」と、勝利投手の権利が自分に舞い込んできたことへの気遣いで頭を下げた。6点差があったが「何時でもマウンドに行ける準備はしていた」。野手の失策があったが「あの場面では、自分が(エースとして)何としてでも抑えなければいけなかった」と手を握りしめた。「取り敢えず勝ったので、これを教訓にしたい」とプラス思考。上武戦は「自分のピッチングをするだけ」ときっぱりと答えた。

主将・平井慎也(4年・富士学苑)は、「序盤は山田の好投でリズムに乗れ良かったが、4失点のイニングでがらっと流れが変わった」と振り返る。「延長に入り再三チャンスがあったがものにできないでいたが、14回は菊池が良く打ってくれた。この勝利は大きい」と声が弾んだ。上武戦では「ミスを少なく一つ一つアウトを取っていくことが肝心」。また「自分達の勝つパターン、高梨を軸に守り抜いて、その流れで打線を繋げたい」と抱負を清々しく述べた。

高橋監督は、開口一番「選手は良く粘って勝ってくれた」と、天を仰いだ。しばらくして「2イニングを残して6点差があったので、一二年生に経験を積ませたいと考えたが、甘くなかった。良い勉強になった」と唇をかみしめた。それにつけても「一二年生の、投手には野手のミスをも吸収できる力を付けてもらい、打者にはもう少し打ってもらいたい。今後の一二年生の奮起に期待したい」と語尾を強める。「チームは延長14回のサヨナラ勝ちを収め、この経験が血肉になりチーム力がさらに高まった」と笑顔を覗かせた。「上武戦に向けて良い経験を積んだ」。「打線は上向いている。投手は高梨と山田を軸に戦いたい」と次節を睨んだ。

文(H.K)、カメラ(平川大雪)
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