平成26年度「第48回関東大学女子バスケットボール選手権大会」で、山梨学院大バスケットボール部女子が大躍進している。5月11日の2回戦で昨年のインカレチャンピオンで優勝候補の松蔭大を下す大金星を挙げた。14日の3回戦で東京学芸大にも勝利、15日の準々決勝で日大にも勝利した。創部初の決勝リーグ進出を決め、ベスト4以上を確定させた。バスケットボール部女子は2008年に強化育成クラブとして誕生、関東大学女子バスケットボールリーグ戦4部からスタートし初年度4部優勝3部昇格、2009年3部優勝2部昇格、2010年から2部でプレーしている。この4年間は伝統校の厚い壁に1部昇格を阻まれてきた。創部7年目の今シーズンこそ1部昇格を期す“常勝 常笑軍団”は、春の選手権を最高の笑顔で発進した。
シード校の山学大は、トーナメント初戦の10日に、グループリーグを勝ち上がってきた相模女子大を108−57の大差で下し、11日の2回戦でインカレ優勝の松蔭大と対戦した。両センターの木村と菅原のポストプレーとリバウンド、野田の3ポイント、木工のカットインなど、出場メンバー全員が自分の持てる力を出し切り、松蔭大を77−53で下し3回戦に進んだ。
3回戦vs東京学芸大戦(5/14) 東京・駒沢体育館
第48回関東大学女子バスケットボール選手権 3回戦
≪山梨学院大vs東京学芸大≫
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○ 山梨学院大 63 |
1P 11−13
2P 13− 9
3P 15−20
4P 24−15
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57 東京学芸大 ● |
スターティングメンバーは、11番G野田桃香(4年 静岡・飛龍)、10番F木工理恵(4年 福井・足羽)、5番C菅原絵梨奈(3年 愛知・桜花学園)、14番C木村有沙(4年 宮城・明成)、7番F高木佑佳(2年 福岡・東筑紫)の5人。これに、主将の4番伊藤唯(4年 宮城・明成)12番G大里悠碧(2年 栃木・宇都宮文星)、15番F高木伽奈(1年 宮崎・小林)らが途中から随時交代出場した。(7番の高木佑佳と15番の高木伽奈は福岡出身の姉妹)、昨年と比べるとディフェンスはものすごく良くなった。しっかりゾーンを組み、圧力をかけた守りで相手に余裕を与えなかった。しかし、攻撃はものすごく良くなかった。イージーシュートを何本も外し逆襲に会い、焦らなくていい場面で焦り、自分たちからバタバタしてリズムを崩した。結局、試合はものすごい接戦となった、最初から最後までずっとシーソーゲームで勝利の女神が行ったり来たりした。残り5分の段階では41−48と引き離された。しかし、ここから14番のセンター木村有沙が大活躍した。ポストプレーとゴール下のリバウンドを踏ん張り得点、試合終了残り1分前に55−55の 同点に追いつき、残り44秒に木村のポストプレーで57−55と逆転した。このあとは1プレーごとに両チームがタイムを取り合った。山学は時間をうまく使い、チームファオル5の学芸大の反則を誘って最後は63−57で振り切った。勝負どころで力を発揮した木村と18得点をあげた菅原絵梨奈の両センターの活躍などでベスト8入りした。伊藤 唯主将は「松蔭大に勝ったことでどこかに気のゆるみがあった、そこを相手に付け込まれてこういう展開になってしまったと思います。トーナメントは一戦一戦なので、明日の日大戦はもっと自分たちらしいプレーをしてベスト4を狙いたい」と語った。勝負どころで大活躍した木村有沙選手は「だめだったところを修正して上位を狙いたい。オフェンスが崩れるとディフェンスも崩れるパターンが多いので、そこを直して行きたい」と上を見つめる。梅嵜英毅監督は選手に対し「完璧に相手に合わせてしまった。フェイクもなくプレーするから相手に読まれる、逆を意識させればディフェンスは反応する。楽にバスケットは出来ない、良かったのは最後のちょっとだけだ」と厳しく諭した。
準々決勝vs日大戦(5/15)東京・代々木第2体育館
第48回関東大学女子バスケットボール選手権 準々決勝
≪山梨学院大vs日大≫
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○ 山梨学院大 73 |
1P 18−20
2P 14−12
3P 27− 9
4P 14−10
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51 日本大 ● |
スターティングメンバーは前日と同じ野田・木工・菅原・木村・高木(姉)の5人。高木のシュートで好スタートを切ったが、日大は3ポイントシュートで巻き返し、前半は32−32の同点で折り返した。後半開始早々に高木(姉)が足首をねんざし負傷退場するピンチに陥ったが、姉に替わり急遽出場した妹の15番F高木伽奈(1年 宮崎・小林)が大舞台で物おじせずに動き回り、チームの勝利に貢献した。第3ピリオドに木村のバスケットカウントから一気に突き放し流れを呼び込んだ。この日はディフェンスだけでなく、オフェンスも良かった。司令塔のガード野田とセンター木村の2人がチーム最高の15得点をあげるなど、出場選手全員が松蔭大戦と同じように自分の力を発揮した。第4ピリオドはベンチ入りメンバー全員を出場させる余裕の試合運びで73−51の大差で日大を圧倒した。抜群の運動神経で攻守ともにチームを引っ張る野田桃香選手は「ベスト4に入ったのは初めてなのでとても嬉しいですが、まだ甘い所があると思います。明日からは強敵ばかりとの3連戦、気持ちを引き締めて臨みたい」と語った。伊藤 唯主将は「昨日と同じ入りをして、点が取れない時間がありました。内容的にはいいとは言えない試合だったと思います。明日からの決勝リーグは隙を見せたら100点ゲームをされてしまうので、入りから集中していい試合が出来るようにしたい」と反省を口にした。梅嵜英毅監督は「2戦目にレベルの高い1部のチームを相手に集中できたので、継続できればと思ったが、昨日、今日とも勝てるだろうと思ったのか、集中し切れていなかった。経験のなさがマイナスに出たと思います。ともあれ、ここまで来たので、明日からの決勝リーグは、2戦目の松陰大戦と同じ様に戦えるように持って行きたい」と戦いを振り返った。
決勝リーグに進出したのは、Aブロックから昨年の選手権・リーグ戦覇者の白鴎大、Bブロックからは昨年1部昇格を果たした東京医療保健大、Cブロックからは1部校を倒し念願のベスト4入りした山梨学院大、Dブロックから2年連続準優勝の早稲田大が進出、4強は白鴎大・医療保健大、山学大、早大となった。16日から18日までの3日間、総当りリーグ戦で優勝と順位を争う。
文(M.T)カメラ(平川大雪)2014.5.15
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