第66回春季関東地区高校野球大会が5月17日、神奈川県内の3球場で開幕した。大会には各県の第1代表と第2代表、開催県神奈川県の第1〜第4代表、センバツ4強の佐野日大の19校が出場、関東王者の座を賭け5日間にわたり熱戦を繰り広げる。山梨第2代表で3年連続出場の山梨学院高校は、横浜スタジアム第2試合で埼玉第1代表の浦和学院高校と対戦した。山学のマウンドには右腕の上原進が上がり、6回表から左腕の山口大輔が継投した。試合は三度先行されながら三度追いついた末の9回裏に、先頭打者の金城義が好投手小島和哉の初級ストレートを振り抜き、打球は広い横浜球場のレフトスタンドに入った。昨春センバツ全国制覇チームに、サヨナラホームランで劇的に勝利した 。
春季関東高校野球大会2回戦≪山梨学院高vs浦和学院高≫(5/17)神奈川・横浜スタジアム
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浦和学院 |
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山梨学院 |
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山学バッテリー 上原−山口・加々美
本塁打 金城、2塁打 山口 津田(浦学) 稲葉 菊池、
安打数 山学9 浦学9、失策 山学2 浦学2、
山梨学院のマウンドには、背番号1をつけた右腕の上原進(3年)が上がった。1回表2死3塁から、打ち取りながらレフトのライン際に落ちる不運な打球で1点を先制され、5回には遊撃手のミスから3点目を与えたが強力打線の浦和学院に強い心で毅然と立ち向かい好投した。三度先行されたが、山学打線は先行される度に強い打球をはじき返し三度とも追いついた。先発した左腕の岸圭汰を2回で引き摺り下ろし、評判の高い浦学の左腕エース小島和哉を引っ張り出した。その小島に対しても4回裏に9番瀧澤虎太郎(2年)の左前適時打、7回裏に菊池海斗(3年)がミスを帳消しにする中越え適時二塁打を放ち三度目の同点に追いついた。6回表から救援した左腕の山口大輔(3年)は、センバツの時 と違い、内外角に非常に丁寧に投げ分け、浦学を2安打に抑えるいいピッチングをした。守備陣は序盤でミスをしたが、後半はピンチの度に美技や好送球、好返球でチームを救った。甲子園では力を出せなかったが、チームの全員がセンバツで何かを得ていたのであろう、悔しさをばねにしたのであろう、どのプレーにも勝利への執念がこもっていた。思いの集大成のような場面が9回裏に訪れた。この回の先頭打者1番金城 義(きんじょう つとむ 3年)が、前評判の高い好投手小島和哉の初球内角のストレートをものの見事にレフトスタンドに弾き返した。横浜スタジアムが驚きの歓声に包まれる中、サヨナラのベース一周をしてホームインした。
金城義選手は「ずっと詰まらされていたので、最後の打席はインコースが真ん中に感じられるように、少し後ろに立ったら高めにいい球が来たので思い切り振り抜きました」と会心の打席を振り返った。菊池海斗主将は「こういう競った試合を勝てたということは自分たちにとって大きな一歩だと思います。関東は気の抜けない相手ばかりなので、今日以上にミスをつぶしていい試合をしたい」と語った。吉田洸二監督は「勝ったことで60点の試合が70点80点になったと思います。内容的には、この子たちはもっとやれると思います。僕が目指している土壇場に強いチームの試合が、少しできるようになったかな。今日は課題も出たので、いいところは残して、課題は短期間ですが明日の練習で克服するようにして、次のゲームに向かいたい」と述べた。
次の試合は準々決勝、あす18日に対戦する横浜VS霞ヶ浦の勝者と、19日保土ヶ谷球場午前10時試合開始で対戦する。
文(M.T)カメラ(今村佳正)2014.5.17
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