山梨学院パブリシティセンター
関東大学女子バスケ選手権 最終日
〜決勝リーグでも快進撃、強豪校を下し創部初優勝〜
〜2部校の優勝は大会史上初、全員が最優秀選手だ〜

平成26年度「第48回関東大学女子バスケットボール選手権大会」で、山梨学院大バスケットボール部女子が頂点に立った。5月11日の初戦でインカレ優勝の松蔭大を下す大金星を挙げて勢いに乗り、東京学芸大、日大に勝利、ベスト4による決勝リーグに初進出した。1勝1敗で向えた最終日最終試合、勝つと優勝負けると4位という状況で、大会得点王となった181cmの長身中国人留学生馬伊娜を擁する昨年の選手権とリーグ戦二冠王者の白鴎大と対戦した。山学女子は強敵に一歩も怯まなかった。前半を30−36の劣勢で折り返したが、後半の第3ピリオド(3P)に野田・木工・木村・菅原・高木姉妹・宮川の活躍で逆転、最終的には83−71で勝利、創部わずか7年目のチームが 一気に関東の頂点に立った。ベンチに入れずスタンドから大声援を送り続けた者も含め全員で勝ち取った創部初優勝、全員が最優秀選手だ。2部のチームが1部の伝統校・強豪校を次々に下し優勝したのは、48年の歴史を数える大会史上初の快挙だった。


バスケットボール部女子は2008年に強化育成クラブとして誕生、関東大学女子バスケットボールリーグ戦4部からスタートし初年度4部優勝3部昇格、2009年3部優勝2部昇格、2010年から2部でプレーしている。この4年間は伝統校の厚い壁に1部昇格を阻まれてきた。シーズン開幕戦の春のトーナメントで、松蔭大、東京学芸大、日本大を下し創部初の決勝リーグに進出した。決勝リーグ第1戦の早稲田大は82−73で勝利、第2戦の東京医療保健大は52−62で敗戦、1勝1敗で最終日を向え、第1試合で早大が医療保健大に勝ったため、白鴎大に勝つと優勝だが、負けると4位となる最終日最終決戦に挑んだ。

第48回関東大学女子バスケットボール選手権 決勝リーグ最終戦
≪山梨学院大vs白鴎大≫(5/18)東京・代々木第2体育館

○ 山梨学院大 83

1P 22−18
2P  8−18
3P 28−18
4P 25−17

71 白鴎大 ●

スターティングメンバーは、大会を通じ不動だった11番G野田桃香(4年 静岡・飛龍)、10番F木工理恵(4年 福井・足羽)、14番C木村有沙(4年 宮城・明成)、5番C菅原絵梨奈(3年 愛知・桜花学園)、7番F高木佑佳(2年 福岡・東筑紫)の5人。これに、17番宮川倭帆(3年 長崎・長崎明成)、高木佑佳の妹15番F高木伽奈(1年 宮崎・小林)らが途中から随時交代出場した。相手の白鴎大は昨年の二冠獲得の原動力となった3年生大型トリオがチームの主力、特に、山学大戦でも一人でチーム得点の半数以上にあたる39点を稼ぎ、断トツの大会得点王になった181cmの長身中国人留学生馬伊娜をいかに抑えるかがゲームの焦点だった。両センターの14番木村と5番菅原の2人が、体を張って馬と対決した。そして、野田が、木工が、日大戦で捻挫した足首をテーピングで固めて強行出場した高木姉が、高木妹が、宮川が、出場した全選手が体を張り、全力でプレーした。2Pこそリードされたが、ほかの3Pはすべてリードした。最大の敵、馬を4Pの残り4分に5ファオルに追い込んだところで勝負あった。山学は野田がチーム最多の27点、菅原26点、木工15点、高木姉7点、木村6点、高木妹2点の合計83点を獲得、71点の白鴎大に勝利、初優勝を達成させた。
 
優勝の瞬間、コートの5人も、ベンチのメンバーも、スタンドからなだれ込んだ部員たちも、誰もが涙を流しながら抱き合った。たくさんの先輩が代々木第2体育館に駆けつけて後輩の戦いを見守っていた。1期生の外村悠貴さんは「後輩たちは、みな逞しかった、涙が出るほど嬉しい」と話し、2期生の占部夢乃さんは「こんなに早く優勝できるとは・・・」と絶句した。
 
優勝した直後に行われた表彰式で、伊藤唯主将らに表彰状、優勝杯が贈られ、大会最優秀選手賞にリバウンド王を獲得した菅原絵梨奈、優秀選手賞に木工理恵、新人賞に高木伽奈が選ばれた。伊藤 唯主将は「コートの5人も、ベンチも応援席もひとつになって勝てたトーナメントだったなと思います」と述べ、チーム最多27得点の野田桃香選手tは「ここまで来たら優勝したくて、悔いを残したくなくて、よかった〜」と話し、捻挫した足首をテーピングで固めて戦った高木佑佳選手(姉)は「足首をガチガチに巻いて出ました、やっと今日は自分らしいプレーが出来たかなと思います」と痛みに耐えた。新人賞を獲得した高木伽奈選手(妹)は「姉が負傷したときに出ろと言われ、姉ちゃんの分もチームに貢献しようと思いました。新人賞はびっくりです」と驚いていた。大会最優秀選手賞の菅原絵梨奈選手は「自分の仕事はリバウンドを取ること、チームに貢献できてよかった、チームの全員が最優秀選手賞です」と、チーム全員で勝ち取った最優秀選手賞と語った。梅嵜英毅監督は「選手が、寮に帰った方が落ち着くと言うので(梅嵜監督と林五十三コーチがバスを運転し)5日連続甲府から通いました。僕らの本当の目標は1部に上がること、この大会である程度形を作り上げれば次につながるかなと思っていたので、選手はある程度自信を持つことが出来たかなと思います。今年はディフェンスがよくなりました、去年まではシュートを落としたら点を取られていたけど、落ちても守れるようになった、粘れるようになったことが優勝につながりました」。勝因はディフェンス力の向上と分析していた。
 
大会最終成績は、優勝山梨学院大、準優勝早稲田大、3位白鴎大、4位東京医療保健大、5位専修大、6位日体大、7位拓大、8位日大の順となった。そして、個人成績各部門トップ10に、山学大の各選手がいかに頑張ったかが如実に示された。ポイント・トップ10は2位に菅原(90点)、4位木工(72点)、5位野田(69点)、10位木村(51点)だった。3ポイントシュート・トップ10は、2位野田(8本)、5位木工(5本)だった。リバウンド・トップ10は1位菅原(52回)、7位高木姉(24回)、8位木村(22回)。アシスト・トップ10の3位に木工(11本)が入った。創部7年目で初優勝の “常勝常笑軍団”は、表彰式後、代々木第2体育館のコートで、カメラの放列に最高の笑顔を向けた。
 
文(M.T)カメラ(今村佳正)2014.5.18
| アルバム1 | アルバム2 |

Copyright (C) 2014 YGUPC. All Rights Reserved.