平成26年度関甲新学生野球春季リーグ戦1部プレーオフ優勝決定戦が5月24日、群馬県・上武大学野球場で行われた。山梨学院大は、リーグ通算成績を勝ち点4の8勝3敗とし、白鴎大と同率首位で並び、この日、初優勝を懸け、全部員が心一つに白鴎と対戦。先攻の山学は1回表、1番・中西峻也が右前安打で出塁すると、3番・中村圭輔のレフト線への適時2塁打で先制。続く4番・角田飛夢矢の四球、5番・田中貴也の死球で2死満塁とすると7番・那須大が中前適時2塁打を放ち2点を追加。さらに続く8番・金城章斗の中前適時打で2点を追加し、1回だけで一挙5得点。さらに、3回表に4番・角田の中越2塁安打、5番・田中の右前適時2塁打で6点目を追加。勢いづく打線は5回表にも3番・中村、6番・加賀美祐樹、8番・金城のタイムリーで3点を追加。6回表にも3番・中村のタイムリーで得点を重ね11対0に。投げては先発・松尾勇太が得点圏までランナーを進められるも本塁を踏ませないピッチングで6回まで零封。7回裏に1点を返されたものの、最後の打者を三振に打ち取りゲームセット。山学は創部初の春季リーグ戦制覇と全日 本大学野球選手権の出場権を獲得した。なお、最高殊勲選手(MVP)に山学の松尾勇太投手が選出された。
最終節で平成国際大と激闘を演じ、2勝1敗で勝ち点を得た山梨学院大は、リーグ通算成績を勝ち点4の8勝3敗とし、白鴎大と同率首位で並んだ。2校同時優勝はないため、優勝決定のプレーオフが行われることとなり、山学ナインは出場選手、ベンチ入り選手、応援選手が気持ちを一つにし、初優勝を目指し、白鴎ナインに挑んだ。

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山梨学院 |
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白鴎 |
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山梨学院
【投手】松尾(勝ち投手)7回コールド 打者30、打数26、投球数110、安打7、犠打2、四球2、三振6、失点1、自責点1
【捕手】田中
【長打】<三塁打>加賀美、<二塁打>中村×2、那須、角田(飛)、金城
先攻の山学は1回表、1番・中西峻也(3年・甲府城西高)が右前安打で出塁すると、3番・中村圭輔(4年・熊本国府高)のレフト線への適時2塁打で先制。続く4番・角田飛夢矢(2年・山梨学院高)が四球を選び、5番・田中貴也(4年・八重山商工高)が死球で出塁すると2死満塁から7番・那須大(2年・東稜高)が中前適時2塁打を放ち、中村・角田が生還し2点を追加。さらに続く8番・金城章斗(2年・糸満高)の中前適時打で田中・那須が戻り2点を追加し、1回だけで一挙5得点。勢いづく山学打線は、3回表、4番・角田の中越2塁打、5番・田中の右前適時2塁打で6点目を追加。さらに猛攻を仕掛け、5回表に先頭打者の2番・DH秋山孝太(2年・敬愛学園高)が右前安打で出塁すると、3番・中村の左前適時打、6番・加賀美祐樹(4年・東海大甲府高)の中越適時3塁打、8番・金城の中越適時2塁打で3点を追加。6回表にも3番・中村の左越適時2塁打で得点を重ね、スコアは11対0に。投げては先発・松尾勇太(3年・米子西高)が得点圏までランナーを進められるも本塁を踏ませない粘投 で6回まで零封。大会規定で得点差によるコールド試合成立となる7回裏に1点を返されたものの、最後の打者を見逃し三振に打ち取りゲームセット。初優勝が決まると、この時を待ちわびたように、選手たちがベンチから飛び出し、マウンドに集まり、喜びを爆発させた。山学は創部初の春季リーグ戦制覇と全日本大学野球選手権の出場権を獲得した。試合後の表彰式では、最高殊勲選手(MVP)が発表され、山学の松尾勇太投手が選出された。表彰式後には、伊藤彰監督、須田喜照コーチ、田中貴也主将が胴上げされ、部員全員で喜びを分かち合った。
試合後のミーティングでは、スタンドで初優勝を見届けた前監督の高橋一三顧問が「チーム一丸となって戦った素晴らしいゲームだった。神宮にむけてやってきたことが全て出ていた。神宮出場という目標は達成できた。これからさらに頑張ろう」と全部員を称え、伊藤彰監督は「本当にみんな良く頑張ってくれた。ベンチの選手や応援団の選手の声があり、これほど山梨学院の野球がいいな、楽しいな、素晴らしいなって感じれるくらい最高の野球をしてくれた。みんながしっかり繋げてくれて初めて神宮に踏み入れることができる。次の神宮の舞台でも変わらない山梨学院の最高の野球をやりましょう」と声を掛けた。さらに今季からベンチ入りしている須田喜照コーチは「本当におめでとう。新チームになってみんなが積み重ねてきたことが形になったことは凄く嬉しいことであり、自信になったと思う。結果はなかなか出すことが難しいけれど大事な試合を勝てたことはみんなの力。絶対に優勝したいという思いを全員がずっと持ち続けてきた結果だと思う。俺は、まだコーチになって2年目で今季からベンチに入れてもらって、こんなに良い思いをさせてもらって、指導者として勉強させてもらってみんなに本当に感謝している。神宮でも勝ちにいくので、今まで通り山梨学院の野球ができるようしっかり準備して頑張ろう」と思いを語った。田中貴也主将は「新チームになってから意見が食い違って色々苦労したり、試合で上武に負けて悔しくて、色々な思いがあったけど最終的には全員で神宮に行ける事になったし、優勝できて凄い嬉しい。神宮でも俺らの野球をしっかりやって優勝目指して頑張ろう。応援のみんなやベンチで声を出してくれたみんなには凄い感謝しているし、みんなの力がなければ優勝できなかったと思うので、神宮でも良い野球ができるよう頑張っていこう」と涙ながらに語りかけた。
ミーティング後、取材陣に初優勝の思いについて問われた伊藤監督は「私がというよりは、選手たちが凄い野球をしてくれた結果が優勝に繋がっていて、今は凄い不思議な気持ちです。(優勝した瞬間は)嬉しいという思いとほっとした思いと高橋前監督を神宮に連れて行くことができるようになったという思いがありました」と述べた。さらに、田中主将は「守る方も打つ方も力以上のものを発揮できたと思いますし、それは応援の力がそういう試合にさせてくれたと思います。個々の能力は高かったのですが、チームを思いやる心が新チームには足りないと思い、常にそこを言ってきて、そこをみんながやってくれたのが大きいです。去年のように高梨さんみたいなスーパースターはいないので、全員でま とまらないと勝てないので、チームが一つになれて良かったです」とチームを思いやった。この日、先制打を放ち、4打数3安打3打点の猛打賞の活躍の中村圭輔選手は「“最高”の一言に尽きます。神宮ではこのリーグ戦での経験が凄い大事になってくると思うので、先輩たちの思いを込めながら一つ一つやっていきたいと思います」と語った。また、完投し、今季のMVPに選出された松尾勇太投手は「今年のリーグは前半良いピッチングができなくて博巳さん(桃原)や尚さん(諸見里)やチームに凄い負担をかけてしまって、なんとか後半立て直してチームに貢献して優勝までもっていくことができたので、良かったです。きょうは、リーグ戦の中でも状態が良くなくて苦しいピッチングでしたが、守備やバッティングに助けてもらい、1失点におさえることができました。神宮まで期間があるので、投手陣で競争して状態をしっかりあげて関甲新の代表として恥じないピッチングをしたいです」と語った。
山学ナインが出場権を得た全日本大学野球選手権は、6月10日に明治神宮野球場と東京ドームで開幕。山学は2回戦からの登場で、初戦は11日の神宮球場での第4試合、午後4時30分から松山大対福井工業大の勝者と対戦する。山梨学院にとって悲願の“神宮”出場、全部員が頂点を目指し、気持ちを一つにして大きな戦いに挑む。
文(Y.Y)、カメラ(平川大雪)2014.5.24
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