山梨学院パブリシティセンター
全日本選抜レスリング選手権
〜高橋侑希が強敵を連破しついに念願の日本一に輝く〜
〜鴨居正和も勝ち進み決勝に進出、初の準優勝を獲得〜

アジア大会と世界選手権の代表選考を兼ねた明治杯平成26年度全日本選抜レスリング選手権大会が6月14・15の両日、東京・代々木第2体育館で開催された。明治杯は、各階級の全日本ランキング上位選手によって競われる日本一決定戦。山梨学院大学レスリング部からは、フリースタイル6人、グレコローマンスタイル2人、OB5人が選ばれた。大会初日の14日は、フリー61kg級の学生二冠王者の主将鴨井正和が強敵との戦いを制し決勝に進出、大会最優秀選手に選ばれた実力者の高塚紀行(自衛隊体育学校)に惜敗したが、昨年のベスト8から大きく飛躍、自己最高の準優勝を獲得した。そして、2日目の15日に、フリー57kg級の高橋侑希がこれまで一度も勝てなかった社会人の実力者と、高校時代から勝ったり負けたりを繰り返してきた長年のライバルを連破、ついに念願だった日本一を獲得した。さらに、派遣代表を決めるプレーオフも制し、アジア大会出場権を獲得した。
レスリング競技は、オリンピック存続に向けて階級やルールが大幅に変わり、試合をスピーディーでスリリングにするために、1ピリオド(P)3分間、2Pのトータルポイント(フリーは10点差、グレコは8点差でテクニカルフォール)で勝敗を決める方式に改正され、昨年のこの大会から新ルールが適用された。ボールピックアップの運に左右される要素がなくなり、観客席で見ている観客にとっても判り易い競技になった。昨年オリンピック存続を訴えた代々木第2体育館の同じ舞台で、サッカーのワールドカップが始まった日に、リオ五輪日本代表を目指す新たな戦いが始まった。
 
≪フリー61kg級 鴨居正和≫
鴨居正和(かもい まさかず 4年 香川中央)は、昨年の学生タイトル二冠覇者で、5月の東日本学生リーグ戦では主将としてチームを2連覇に導いた。昨年のこの大会はベスト8だったが飛躍した。1回戦で坂本侑之(拓大)を11−1のテクニカルフォール(TF)で下し、2回戦は川瀬克祥(日体大)を寄せ付けず余裕の8―3で退けた。準決勝の阿部宏隆(国士舘大)には苦しんだが6−5で接戦を制し決勝に進出した。決勝の相手高塚紀行(自衛隊体育学校)は天皇杯1位の大会第1シードの実力者だが、対等に戦い試合終了30秒前まで1−2と大接戦を演じた。最後に無理やり攻めに行きバックを取られて惜敗した。鴨居正和選手は「全日本で表彰台に上ったのは今回が初めてで、いい経験になりました。準決勝までは学生相手だったので負けれないと思いました。高塚さんは高校生の時から知っている雲の上の人ですが、世代交代をと思って挑みました、まだ力が足りませんでした。秋の大会は学生最後なので個人戦でも団体戦でも優勝を目指して頑張りたい」と語った。
 
≪フリー57kg級 高橋侑希≫
高橋侑希(たかはし ゆうき 3年 三重・いなべ総合)は、高校時代にインターハイを3連覇して山学大に入学。この大会は一昨年5位、昨年は準決勝で高校時代からの2学年上のライバル森下史崇(当時日体大)との宿命の対決を制したが、決勝で稲葉泰弘(警視庁)に大差で敗れ2位だった。5月の東日本学生リーグでは鴨居とともに軽量級の二枚看板としてチームをリーグ戦2連覇に導いた。初戦の2回戦は苦しかった、高校三冠王として鳴り物入りで日体大に入学したスーパールーキー樋口黎に苦戦、終了直前に10−8として辛勝した。3回戦は大城一晟(国士舘大)を10−0(TF)大差、準決勝で昨年は全く歯が立たなかった稲葉泰弘を9−8で下した。決勝は宿命のライバル森下史崇(ぼてじゅう)との対決、またしても大接戦、終了直前のプレーについてのチャレンジが認められ6−6となりビッグポイント差で辛うじて勝利した。続いて行なわれたアジア大会の派遣代表を決めるプレーオフでは、今度は文句なしの7―4で森下を 下しアジア大会出場権を獲得した。高橋侑希選手は「決勝は際どい判定だったけど、プレーオフで疑惑の判定に持ちこまれないようにできて、ちょっと自信になりました。監督、コーチに『強気、強気』と言われていたので、プレーオフでは強気でいったのがよかった。準決勝では、初めて稲葉(泰弘)選手に勝てました。まだまだ内容は甘く、壁を超えたというより、糧になりました。アジア大会は日本選手団として行くので、日本のためにも勝ちたい。もし、世界選手権に出るとなったら、初めての世界選手権になるので、自分の立ち位置を確かめたい」と記者会見で話した。
 
その他の現役勢は、グレコ66s級の雨宮隆二(3年 韮崎工)4位、フリー86s級亀山晃寛(4年 群馬・大泉))ベスト8、新人のフリー57s級小柳和也(1年 韮崎工)ベスト8、フリー97kg級吉川裕介(2年 霞ヶ浦)初戦、フリー70s級木下貴輪(1年 鹿屋中央)初戦、グレコ130kg級貝塚賢史(1年 霞ヶ浦)初戦敗退となった。OB勢は、フリー125s級金澤勝利(自衛隊体育学校)3位、グレコ98s級山本雄資(警視庁)4位、グレコ59s級倉本一真(自衛隊体育学校)ベスト8、グレコ98s級有薗拓真(ALSOK)ベスト8、フリー86s級奈良部嘉明(筑西広域消防本部)初戦敗退となった。
 
なお、日本レスリング協会の強化委員会は、大会直後に委員会を開き、女子は今大会の優勝選手を世界選手権(9月8〜14日、ウズベキスタン・タシュケント)に派遣することにし、協会理事会にはかることを決めた。男子は、優勝選手やプレーオフの勝者がアジア大会(9月27日〜10月1日、韓国・仁川)、および世界選手権の代表候補だが、選手の希望や勤務の関係などを考慮して決定することにし、この日は決めなかった。
 
文(M.T)カメラ(平川大雪)2014.6.15
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