山梨学院パブリシティセンター
ユースオリンピック出場決定
〜トライアスロンの久保埜南(高2)が日本代表〜
〜3人で切磋琢磨、夢は東京オリンピック出場〜

山梨学院高校2年のトライアスロン久保埜南(くぼの みなみ チームケンズ山梨)選手が、8月に中国で開催されるユースオリンピック日本代表に選ばれた。久保埜選手は北海道・千歳市出身、父も2人の兄もトライアスロン選手だった一家に生まれた。トライアスロンのJOCナショナルコーチでオリンピック対策プロジェクトリーダーのトーシンパートナーズチームケンズの飯島健二郎監督に「山梨学院さんと提携することになった。練習環境が整っている山梨で練習して、山梨からオリンピックを目指そう」と勧誘され、15の春に思い切って北海道を離れ山梨学院高校に進学した。入学から1年、16の春に最初の目標であるユース五輪出場を決めた。今年4月には一期生の久保埜の後を追い二期生2人が入学、トライアスロンの3人は東京オリンピックを目標に猛練習に励んでいる。


日本トライアスロン連合は、カザフスタンで開かれたアジア大陸別代表選手選考会で銀メダルを獲得した久保埜南(山学高2年)を、8月に中国・南京で開催される第2回ユースオリンピック日本代表に選んだと発表した。トライアスロンはスイム(水泳)、バイク(自転車ロードレース)、ラン(長距離走)の3種目を連続して行う競技。競技が始められた当時は、非常に長い距離設定で行われていたが、バランスのとれた距離として、スイム1.5km、バイク40km、ラン10km(トータル51.5km)が設定され、シドニー五輪から正式競技になったオリンピックでも同距離が採用されたことから、「オリンピック・ディスタンス」と呼ばれ、現在は世界選手権など多数の大会がこの距離 で実施されている。18歳以下の久保埜選手たちジュニア世代は、オリンピック・ディスタンスの半分のスプリント・ディスタンス(トータル25.75km)で競技が行われる。

久保埜南選手は、4月6日に沖縄・豊崎海浜公園内特設会場で行われたアジア大陸別代表選手選考会・日本代表選手選考会を兼ねた「2014美ら島チャレンジトライアスロンin豊崎大会」でプロ選手や20代の強豪選手を抑え弱冠16歳で優勝。6月1日にカザフスタン・ブラバイで開催されたアジア大陸別代表選手選考会で韓国選手に次ぐ2位となり銀メダルを獲得した。5位までの各国1位選手に出場権が与えられることから、男子1位の山崎向陽選手(中部大学一高)とともに選ばれた。

指導を受けているのは、トーシンパートナーズチームケンズの飯島健二郎監督と瀬尾幸也コーチ。普段の練習は、ロンドン五輪に出場した足立真梨子選手と第1回ユース五輪で金メダルを獲得した佐藤優香選手の2人のプロ選手と、4月に山梨学院高に入学した瀬賀楓佳(せが ふうか 1年)・杉原有紀(すぎはら ゆうき 1年)の2人の後輩と一緒に練習している。瀬賀は久保埜と同じカザフでの大会でアジアジュニア選手権の部に出場し、世界ジュニア選手権選考対象となる2位の好成績を残した。山学高の3人は朝6時45分から登校するまでの間は、甲府市青葉町のフィッツスポーツクラブ青葉校でスイムの練習、学校が終わった後に、ロードと境川自転車競技場でバイクの練習を行い、小瀬陸上競 技場でランの練習に取り組んでいる。

久保埜南選手は「カザフでの大会の2週間前から足が少し痛くなり、あまりランをしていない状態で出場し少し悔しいレースでした。第1回のユースオリンピックでは、同じチームケンズの先輩佐藤優香さんが金メダルを取っているので、私もそれに続いて金メダルを取りに行きたいと思います。去年はほぼ一人での練習で少し辛かったけど土台は作れたと思います。今年は後輩が入ってきて毎日刺激をもらっています。将来の目標は、2020年東京オリンピックで日本人初のメダルを取ることです」。おっとりした表情だが、心の中では、オリンピックへの思いを熱く燃やしている。後輩の二人も、久保埜と同様に東京オリンピック出場を胸に山梨にやって来た。瀬賀楓佳選手は「山梨に来る前は不安な気持ちもありましたが、2か月で慣れてきて楽しくなってきました。カザフでの大会(ジュニア部門2位)では練習の成果を出せました。将来は速いのは勿論、中身もしっかりした選手になって東京オリンピックに出たい」と話す。杉原有紀選手は「来たばかりの時はケガで練習が出来なかったけれど、少しずつ出来るようになりました。ランが得意でスイムはまだまだです。目標は東京オリンピックです」と151cmの小柄な体に大きな夢を抱いている。3人を指導している瀬尾幸也コーチは「久保埜は3種目ともバランスよく、自分でレースが組み立てられる選手です。ユースオリンピックに向けてランを強化し、高校生の間に、最後のランニング勝負で勝てる選手に育てたい。瀬賀についてはスイムが得意なので先行型の流れで行きたい。杉原はランが得意なので、最後に追い上げて逆転するレース展開を考えています。それぞれの個性を大事にして、じっくり育てて行きたい」と3人の育成に努めている。

久保埜は北海道の出身、瀬賀は大阪の出身、杉原は滋賀の出身。3人は同じように15の春に、大きな夢を胸に抱き、思い切って故郷を離れ、山梨にやって来た。チームケンズの先輩たちと一緒に寮生活を送り、お互いに切磋琢磨してオリンピックを目指している。

 

文・カメラ(M.T)2014.6.18

スイム練習アルバム
ラン練習アルバム
カザフスタン大会(写真提供 チームケンズ山梨)

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