山梨学院パブリシティセンター
競泳ジャパンオープン最終日
〜山下安輝が復活、あと一歩で表彰台の4位入賞〜
〜鈴木聡美200m5位、江原騎士800m7位

8月のパンパシフィック選手権と9月のアジア大会代表最終選考会を兼ねた競泳ジャパンオープン2014(50m)は6月22日、東京・辰巳国際水泳場で大会最終日のレースが行われた。男女200m背泳ぎ、男女200m平泳ぎ、男子800m自由形タイム決勝などのレースが行われ、山梨学院勢は15人が最終日レースに出場した。このうち、女子200m背泳ぎの山下安輝(3年)と女子200m平泳ぎの鈴木聡美(カレッジスポーツセンター研究員 ミキハウス山梨)の2人が決勝に進出、男子800m自由形タイム決勝最終組の江原騎士(3年)とともに、午後3時過ぎからの決勝レースに挑んだ。山下安輝は年明けに足首を痛め長期間苦しんだがようやく復調した。後半追い上げる自分のレー ス運びを見せ、あと少しで表彰台の4位を獲得し故障からの復活を宣言した。江原と鈴木は大会2度目の表彰台はならなかったが、鈴木5位、江原7位と健闘した。

≪男子800自由形タイム決勝 江原騎士≫
江原騎士(えはら ないと 3年 山学高)は、前日の400m自由形で2位に入り、4月の日本選手権では果たせなかった表彰台を獲得した。800mについては専門的な練習はしておらず、ペース配分などは手探り状態でレースに臨んだ。江原は前半から飛ばして行くタイプだが、100mはゆっくり入り6位、200mでスピードを上げて3位、300mから450mまでは2位を保ったが、後半が粘れなかった。500mからは徐々に後退し最終的には全体の7位でゴールした。江原騎士選手は「800はレース展開に慣れていなくて、前半飛ばさなかったのに後半ばててしまった。今日のレースの泳ぎをビデオで分析して、夏に向けて一から出直したい」と話した。
 
≪女子200m背泳ぎ決勝 山下安輝≫
山下安輝(やました あき 3年 山口・豊浦)は、年明け早々に足首を痛めてキックが打てなくなり、練習を再開させたのは3月になってから、十分なキックが出来なかった4月の日本選手権ではぎりぎりで決勝に残り8位だった。この2ヶ月間の泳ぎこみで復調の兆しを見せ、午前中の予選は日本選手権の時より1秒近く早い2分12秒81で泳ぎ、予選6位で決勝に進出した。入場してくる時に珍しく両手を大きく突き上げるポーズを作った、心に期するものがあったのだろう、落ち着いた表情でスタート台に上がった。コースは泳ぎづらい1コースだったが、後半に追い上げる自分のレースを心がけた。最初の50mも100mも最下位の8位で通過した。150mで7位に上がり、ラスト50mで猛 然と追い上げ、予選を上回る2分12秒22でゴール、あとちょっとで表彰台の4位に順位を上げた。山下安輝選手は「予選からいい泳ぎが出来ていたので、久しぶりのベストを狙って泳ぎました。すこし足りなかったけど、レースには満足しています。いつも頑張ろうとすると焦りが出てしまうんですが、今日は冷静に泳げたので収穫を得た大会になりました。ここをきっかけにして、インカレでは大幅なベストを出して心から笑顔で終われるようにしたい」。実力のある山下がやっと復活した。
 
≪女子200m平泳ぎ決勝 鈴木聡美≫
鈴木聡美(カレッジスポーツセンター研究員 ミキハウス山梨)は20日の50mで、4月の日本選手権で作った自身の記録をさらに更新する31秒04の日本新で優勝し一足先に決めたパンパシとアジア大会代表に花を添えた。ただ、現在はスピードを上げる練習に取り組んでおり、持久力を必要とする200mの練習はそれほど行っていない状態で決勝レースに臨み、2分26秒48の5位でゴールした。鈴木聡美選手は「今年はスピードを重視して取り組んでいます。200に関しては調整できていなかったので、とにかく伸び伸びした大きな泳ぎを心がけて予選決勝を泳ぎました。課題も見つかりましたしすごく刺激を受けた大会になりました。海外の選手にも劣らないスピードを付けて行きたいと思います」と大会を振り返った。
 
このほかの山学勢では、女子50m自由形の本間あかり(3年 岩手・羽黒)がB決勝6位(全体14位)となった。本間あかり選手は「タイムが伸びずB決勝にも残れなくて、気持ちの上でもどん底まで落ちました。今回が自分らしく泳ぐ第一歩だと思ってレースに臨みました。ベストではないですけれど、やっと水泳と向き合えるようになれました、やっと楽しくなってきました、インカレに向けて頑張りたい」と大会で復活の手ごたえを得た。前日の100m背泳ぎで復活優勝した酒井志穂(カレッジスポーツセンター研究員 ミキハウス山梨)は200m背泳ぎではB決勝2位(全体10位)となった。酒井志穂選手は「100も200も少しずつですが、良かった頃に近づいて来ていると感じています。過去の自分を取り戻すだけでなく、もっともっと強い選手になるという意識を忘れずにトレーニングに励んで行きたい」と語った。前日の800mで決勝進出を果たし7位と健闘した松浦由佳(2年 福井・北陸)はあまり泳いだことがない1500mにも出場し18位となった。そのほかは、女子50m自由形生田真結(1年 兵庫・市川)23位、男子200m平泳ぎ大林稜典(4年 山口・下関南)26位、女子200m背泳ぎ瀬下茉莉(1年 愛知・豊川)31位、男子200m背泳ぎ篠田大夢(4年 新潟・長岡大手)34位などとなった。
 
日本水泳連盟は大会終了後に、パンパシフィック選手権(8月21日開幕・オーストラリア)と仁川アジア大会(9月19日開幕・韓国)の日本代表を発表した。4月の日本選手権で一足先に2大会代表に選ばれていた鈴木聡美に加え、100m背泳ぎ優勝の酒井志穂も2大会の日本代表に選ばれた。
 
文(M.T)カメラ(平川大雪)2014.6.22
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