第94回天皇杯全日本サッカー選手権大会が7月5日に開幕し、各地で1回戦が行われた。3年ぶり2回目の出場の山梨県代表の山梨学院高校は甲府・山梨中銀スタジアムで東京都代表の明治大学と対戦。明大は関東大学サッカーリーグ1部に所属しインカレ優勝2回、準優勝3回などを誇り、天皇杯は5年ぶり13回目の出場で過去にはJ1クラブにも勝利している大学サッカー界の強豪。試合は序盤から明大がコンパクトなパスサッカーで主導権を握り、幾度と無く山学ゴールを脅かし、山学は耐える時間が続く。前半12分、山学は最初のCKのチャンスを得るものの、シュートまで持ち込めない。前半15分を過ぎるとMF伊藤大祐のドリブル突破などからシュートまで攻撃が結びつき、徐々に山学は攻撃のリズムをつかみ始める。しかし、明大も球際の強さを発揮しボールを占守し、一進一退の攻防が続く。先制は明大。前半41分に山学の反則から得たPKにより先制し、0対1で前半を終える。後半に入っても、大学生の強い当たりに苦しめられる。後半9分には右サイドからファーサイドへクロスを上げられ、これをヘディングで逆サイドへ切り返され、明大FWに頭で合わされ、2点目を決められてしまう。反撃に出たい山学は、MF伊藤のサイド突破やMF小川雄大の個人技などでチャンスを作るもゴールネットを揺らすことができず試合終了。山学は攻守に渡り健闘したものの善戦及ばす明大に0対2で破れ、天皇杯1回戦突破はならなかった。
天皇杯サッカーは高校生のアマチュアからJリーグ加盟のプロチームまでが参加する日本最大のサッカートーナメントで日本サッカー最強を決める戦い。出場チームはJ1・18チーム、J2・22チーム、前回大会アマチュア最優秀1チーム(AC長野パルセイロ・現J3)、都道府県代表47チームの全88チーム。1回戦で都道府県代表チームが戦い、2回戦からJ1・J2チームが登場。山梨県代表の山梨学院高校は、先週行われた山梨県予選決勝で社会人チームの韮崎アストロスに3対1で勝利し、3年ぶり2回目の出場。1回戦の対戦相手は東京都代表の明治大学。明大は関東大学サッカーリーグ1部に所属し、インカレ優勝2回、準優勝3回などを誇り、天皇杯は5年ぶり13回目の出場。東京 都予選ではJ3の町田ゼルビアを破り、過去には天皇杯本戦でJ1・J2クラブにも勝利している大学サッカー界の強豪(J1クラブに初めて勝利した大学サッカー部)。試合前から厳しい戦いが予想された。山学は同日にプリンスリーグ関東の試合も組まれており、先週同様にトップチームを2チームに分け試合に臨んだ。
≪天皇杯1回戦 山梨学院高vs明治大≫(7/5)於 山梨中銀スタジアム |
● 山梨学院高 0 |
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得点 〔明治〕矢島倫太郎、和泉竜司 |
試合は明大のキックオフでスタート。序盤は明大がコンパクトなパスサッカーで試合の主導権を握り、幾度と無く山学ゴールを脅かし、山学は耐える時間が続く。前半12分、山学は最初のCKのチャンスを得るものの、シュートまで持ち込めない。前半15分を過ぎると山学がボールを持つ時間が増え始め、17分にはMF伊藤大祐がドリブルでペナルティエリアまで持ち込み、この日初めてシュートまで攻撃が結びつく。これにより徐々に山学は攻撃のリズムをつかみ始める。しかし、明大も強いプレスとセカンドボールへの対応、当たり負けしない体幹など球際での強さを発揮しボールを占守し、一進一退の攻防が続く。試合の均衡が破れたのは前半41分。山学がペナルティエリア内での反則(警告)を取られ、PKを与えてしまう。これを明大MFの矢島倫太郎がゴール左へ決め、山学は先制を許してしまう。後半に入っても、大学生の強い当たりに苦しめられる。後半9分には右サイドからファーサイドへクロスを上げられ、これをヘディングで逆サイドへ切り返され、明大FWの和泉竜司(2013年U−20日本代表)に頭で合わされ、2点目を決められてしまう。反撃に出たい山学は、MF伊藤のサイド突破やMF小川雄大の個人技などでチャンスを作る。一方、守備でもGK古屋を中心にDF陣が体を張りゴールを守り、追加点を許さない。山学の応援スタンドにはサッカー部員の他にチアリーダー部、有志の生徒が詰め掛け、最後まで途切れることなく熱い声援を送り続けた。仲間からの声援を受け、必死にボールを追い、パスをつなぎ、ゴール前まで持ち込むものの、決定打に欠きゴールネットを揺らすことができない。後半アディッショナルタイムにはフリーキックのチャンスをMF大場祐樹が直接狙うもボールは左枠外へ。山学の懸命の反撃もむなしく試合終了のホイッスルが鳴り、攻守に渡り健闘したものの善戦及ばす明大に0対2で破れ、天皇杯1回戦突破はならなかった。
試合後、記者会見に臨んだ吉永一明監督は「この1週間準備する時間はあまり無かったが、選手たちは良く戦ってくれた。欲を言えば1点取りたかったがそれができなかったのは次への課題」と試合を振り返り、具体的な課題について「失点は2点してしまったが、崩される、バラバラにされる場面は少なかったし、非常に集中した守備は良かったと思います。ボールを奪った後に、慌ててしまったり、フィニッシュの場面でも普段ならもう少し落ち着いてできるものができなかったりという部分が課題かなと思います」と述べた。この日のゲームキャプテンの福森勇太選手は「個々の差の部分でもう少し戦えたかなと思います。アジリティ(俊敏性)の部分で負けていたが、そういう部分で人数をかけてチームとして戦えていたらもう少し良い試合ができたかなと思います」と試合を振り返り、インターハイに向け「チームとして全体の競争が始まっているので、さらに個人個人が頑張って競争をして、インターハイに臨みたいです」と語った。
文(Y.Y)、カメラ(平川大雪)2014.7.5
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