第96回全国高等学校野球選手権山梨大会の開会式が7月8日、甲府・小瀬スポーツ公園山日YBS球場で行われた。参加37チーム(谷村工・都留興譲館は合同チーム)のベンチ入りメンバー740人が甲子園出場を目指し結集した。午前8時45分、山梨学院高吹奏楽部と東海大甲府高吹奏楽部の合計150人が演奏する「栄冠は君に輝く」に乗って入場行進が始まった。今年の先導役は山梨学院高チアリーダー部が務めた。青と黄のコスチュームが初夏の陽射しに映え、金と銀のボンボンを両手に、28人は華麗なステップで選手を誘導した。春夏連続の甲子園を目指す山梨学院高は19番目に登場、校旗を持つ菊池海斗主将を先頭に、力強く堂々と行進、いよいよ球児の夏が始まった。
大会プラカード、各校の女子マネージャー代表が掲げる国旗・県旗・大会旗に続き、前年度優勝の日川高を先頭に入場行進が始まった。19番目入場の山梨学院高のプラカードを持つのはマネージャーの秋田冬美さん、選手の先頭は校旗を掲げる菊池海斗主将、開会式の司会進行を務めた吉田高放送部の山田桃子さんが「3年生最後の大会、一戦一勝、全力で進みます」と場内アナウンス、昨夏を経験した者も、今年初めてベンチ入りした者も、実に堂々と爽やかに力強く行進した。山梨県高野連の河口知男会長は「14日間、36試合の暑い熱い戦いが始まります、汗と涙と感動が始まります、練習の成果を発揮し、思い出に残る感動の大会にして下さい」と選手を激励した。主催者の朝日新聞河原理子甲府総 局長は「大会は大正4年の1915年に始まりました。来年の97回で100年を迎えます。終戦から1年後の1946年8月15日に再開された時、当時の朝日新聞は“青春、今、我らに”と書いています。これから始まる大会の一瞬一瞬を記憶して下さい。その青春の記憶は、いつか辛い時に皆さんの心を温めると信じています」と穏やかな声で励ました。選手宣誓を引き当てた日大明誠高岡崎郁弥主将は「『キラキラ輝く、キミの夏』の全国スローガンの下、私たちは最後の最後まで諦めず、野球を楽しむことを忘れずに、正々堂々と戦うことを誓います」とはきはきした声で宣誓した。
今年の山梨学院高校野球部は、3月に20年ぶり2度目のセンバツ甲子園出場を果たしたが、初戦で京都代表の福知山成美高に敗れ悔し涙を流した。悔しさを糧に練習に励み、5月の春季関東大会で山梨県勢14年ぶり優勝の快挙を成しとげた。屈辱の3月末から今日まで、選手たちは甲子園で勝つことだけを考えて練習に励んで来た。関東で優勝した時も「ここで勝つために練習して来たのではない」と笑顔はなかった。この夏は、春夏連続、3年ぶり6度目の夏の甲子園出場を目指す。初戦は10日、山日YBS球場午前9時開始で桂高と対戦する。日程が順調に消化されれば、17、18日に準々決勝、19日に準決勝、21日午後1時から決勝戦の日程となる、後半は全試合が山日YBS球場で行われる。今年の山梨県高野連標語は「自分を信じて、この一球にすべての思いを」(最優秀賞 日川高3年宮澤一輝君)。山学ナインは、遠くは見ない。一戦一勝、初戦の桂高戦に心と体を研ぎ澄ませて挑む。自分と仲間を信じて、一球に青春のすべての思いを込める。
文(M.T)カメラ(平川大雪)2014.7.8
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