第96回全国高等学校野球選手権山梨大会は7月14日、小瀬スポーツ公園山日YBS球場で3回戦3試合が行われた。初戦の桂高戦を11−0(5回コールド)の猛打で勝ち上がった山梨学院高は、富士学苑高と対戦しこの日も打線が絶好調だった。稲葉皇介が1回と3回に二打席連続のホームラン、渡辺拓夢と山口大輔も本塁打を放ち、3本の2塁打を含む11安打の猛攻で9点を奪った。一方、右腕エースの上原進は絶不調だった。スライダーも直球も制球が甘く、富士学苑打線に山学の11安打を上回る12安打された。6点を奪われる苦しい投球だったが、9点を奪った打線の援護で完投した。
[詳しくは]
夏の高校野球山梨大会3回戦≪山梨学院高vs富士学苑高≫(7/14)甲府・山日YBS球場
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
富士学苑高 |
0 |
1 |
3 |
0 |
0 |
0 |
0 |
2 |
0 |
6 |
山梨学院高 |
4 |
1 |
1 |
0 |
2 |
1 |
0 |
0 |
× |
|
山学バッテリー 上原−加々美、
本塁打 稲葉2・渡辺・山口、2塁打 金城・渡辺・加々美、
安打 山学11・富学12、失策 山学0・富学0、
一回裏に先頭金城義(3年)の左越え二塁打をきっかけに6番稲葉皇介(3年)の3点本塁打で4点を先制したが、右腕エース上原進(3年)が不調だった。2回表にワイルドピッチで1点を与え、2回裏に3番山口大輔(3年)の左前適時打で味方が1点を取り返してくれたが、3回表に富士学苑の打線に連打で3点を奪われ1点差に迫られた。3回裏稲葉の2打席連続ホームラン、5回裏7番渡邉拓夢(3年)の2点ホームラン、6回裏山口大輔のソロホームランが飛び出し、落ち着くかに思われたが、8回にも甘い球を痛打され2点を奪われた。上原は完投したが12安打され6失点のほろ苦い勝利投手となった。打線は4本塁打を含む11安打に5犠打を絡めて富士学苑の3投手を攻略した。
上原進投手は「序盤からコントロールが悪くて甘い球を全部打たれてしまった。点を取ってもらっていなかったら負けていたので、打線に感謝しています。次はピンチの場面でも力まずに落ち着いて投げるようにしたい」と苦しんだ投球を振り返った。2打席連続本塁打の稲葉皇介選手は「最初のは繋ぐつもりで右方向を狙い、結果的にホームランになりました。いい状態で夏に入れています、自分たちの目標は甲子園で勝つことなので、次の試合でも謙虚な気持ちで打席に入り、大振りせずに力まずに打ちたい」と語った。菊池海斗主将は「非常に力のあるチームとの試合でしたが、点を取られても取り返す気持ちで戦いました。我慢できた試合だったと思います。ここからさらに厳しい戦いになって行くと思うので、変わることなく落ち着いて試合に臨みたい」と次に切り替えていた。吉田洸二監督は「先発ピッチャーが本来の調子が出ないというのも高校野球ですし、今日は厳しい試合展開だったと思います。生徒には5回に我慢の勝負だと伝えました。このチームはメンタル面が強いです。厳しい練習をしていて、苦しくても挫けない強さを身につけてきました。それが今日のゲームに出たと思います」と打ち勝った試合を振り返った。
1塁側の山学高応援席は、授業のある特進と英語科を除く約700人の生徒が大声援を送った。吹奏楽部席の最上段で最も重い楽器スーザフォンを肩から担いで演奏していたのは2人の女子生徒だった。本来は英語科の男子生徒が担当するのだが、授業で野球応援に参加できない為、普段はトロンボーンとチューバを担当している女子生徒2人が担当した。山下みゆきさん(写真左)と松田実子さんは「入学してから夏の甲子園には一度も行ってないので、この夏は是非連れてってほしいと思っています。スーザフォンはとっても重いけど、選手のためにも、吹奏楽部の全員のためにも、肩に力を入れて全力で吹きます」と最上段から熱いメッセージを送っていた。
山梨学院高次の試合は準々決勝、日程が順調に消化されれば18日(金)小瀬球場第1試合(午前10時開始)で、15日に対戦する都留対帝京三の勝者と対戦する。
文(M.T)カメラ(平川大雪)2014.7.14
| アルバム1 | アルバム2 | アルバム3 | 応援席アルバム |