日本列島のほとんどの地域でこの夏一番の暑さを記録した7月25日、最高気温37,7度の猛暑日となった甲府市山梨学院和戸サッカー場で、山梨学院高サッカー部が埼玉県立浦和東高と練習試合を行った。浦和東高はインターハイ埼玉第2代表チーム、山梨第1代表として出場する山梨学院高と同様にインターハイに出場するが、組合せパートが異なり、両校ともに決勝に進出しない限り対戦しないことから練習試合が実現した。試合開始時間はインターハイの開始時間に合わせて“正午”、試合時間はインターハイの時間に合わせ35分ハーフ、焼けつくような酷暑の中で、インターハイ本番を意識した布陣と戦術で、両チームが激しい戦いを繰り広げた。炎天下の試合は3−1で山学高の勝利となった。
この日の甲府の気温は、午後3時過ぎにこの夏の最高気温37,7度となったが、試合開始時間の正午の段階で、早くも35度を超える猛暑日となっていた。強い日差しが照りつけた人工芝フィールドの体感気温は40度にも達した。前後半にそれぞれ給水タイムを設けて試合が行われたが、鍛え上げられた若いアスリートの体というのは凄い、むし暑い酷暑の中で両チームの選手たちは、息も切らさずに激しく戦い続けた。インターハイの試合時間は35分ハーフ(70分)で行われる。選手権の40分ハーフ(80分)、山学高が普段戦っているプリンスリーグの45分ハーフ(90分)と比べると20分も短い試合時間となる。この試合時間の短かさが試合の展開と戦術に大きな影響を与えるという。先制した方が断然有利で、のんびり入って相手に主導権を 取られると、逆転するのが難しい展開になりやすいという。両チームとも、35分ハーフを意識した戦いを繰り広げた。そして、暑さと戦っていたのは選手だけではなかった。2人の女子マネージャーは選手を熱中症から守るために、スポーツドリンク作りとアイシングの氷作りに奮闘していた。ともに3年の常盤ミナさんと佐々木美穂さんは「日本一という目標があるから、熱いけれど最後まで諦めずに、地元で日本一になって輝いてほしい」と話し、暑さと戦って選手を支えていた。試合結果は、先制を許した山梨学院高が前半のうちに追いつき、後半に2点を奪い3−1で浦和東高に勝利した。山中登士郎主将は「(甲府盆地の)暑い中でやるということは、全国のチームに対し多少アドバンテージがあると思うので、地元ということも生かして、出場メンバーだけでなく、部員全員でチーム一丸となって日本一を勝ち取りたい」と話している。フォワードの188cmの長身原拓人選手は「前で収めて周りに散らし、もう一回中でもらって、点を取るのが自分の仕事です。どこと対戦するにしても身長を生かしてチームを引っ張りたい」と決意している。吉永一明監督は「暑い中での戦い、上手いだけでも勝てないし、強いだけでも勝てないし、本当の意味でタフなチームでなければ勝ち上がれない大会になると思います。そういった意味で準備をしています。出来るだけいい状態で入って、最終日まで残れるようにしたい」と話し、「試合前と試合後の体重測定や食事での栄養管理など、暑さ対策と体調管理に注意を払い、後半になってギアを上げられるタフな選手を選んで使う」ことにしている。Aチームは、県内の自宅通学組7人も寮に入り25人全員で大会に向けた強化練習に入っている。登録メンバー最終締め切りの25日夜に17人の登録メンバーが発表されるが、外れた8人も大会を通して一緒に練習し、チームの団結力を高めることにして いる。
平成26年度全国高等学校総合体育大会(インターハイ)サッカー競技は、山梨を会場に8月2日から7日まで開催される。山梨第1代表の山梨学院高は2回戦からで、初戦は3日となる。前日に対戦する東海大翔洋(静岡)対東海大三(長野)の勝者と韮崎中央公園陸上競技場で“正午”キックオフで対戦する。
文・カメラ(M.I)2014.7.25
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