平成26年度全国高等学校総合体育大会(インターハイ)が、南関東(山梨・東京・神奈川・千葉)を舞台に始まった。山梨学院勢は8月2日から登場、山梨県内で行われた競技では、陸上の女子走り幅跳びで近藤祐未が5m72の跳躍で8位入賞、女子3000mの畠山実弓が2日の予選を突破し3日の決勝で8位でゴールし入賞を果たした。山学ホッケースタジアムが会場となったホッケー男子は2日の1回戦で修明(福島)を6ー0で下し、3日の2回戦では小国(熊本)にリードされたが、チアリーダー部も舞ったスタンドの大声援に後押しされ、後半終盤に大逆転劇を演じ3−2で勝利しベスト8に進出した。サッカーは2回戦からの出場で静岡代表の強敵東海大翔洋と対戦、大場のPKと原 のヘッドで翔洋を2−1で下し3回戦に進んだ。この他、千葉・印西市の空手男子個人形で村田望留・舟久保絢哉が2回戦を突破した。テニスは、聖地東京・有明テニスの森公園が舞台、団体女子は京都外大西を下し1回戦を突破した。
≪陸上≫
陸上競技は甲府・小瀬スポーツ公園山梨中銀スタジアムが戦いの舞台。全国から結集した高校生アスリートが、猛暑真っ最中の小瀬で熱き心を燃やした。山梨学院勢は4人が晴れ舞台に進出し2日に揃って登場した。女子走り幅跳びに、近藤祐未(3年)と剱持クリア(2年)の2人が出場、近藤は最初で最後のインターハイで午前中の予選を突破、決勝の1本目に5m72を跳び8位入賞、完全燃焼の夏となった。剱持は予選3本目に大跳躍したがファウルとなり決勝進出ならず不完全燃焼、その心に来年夏の完全燃焼を誓った。3000mの女子駅伝部畠山実弓(2年)は2日の予選はぎりぎりの突破だったが、3日の決勝は実に冷静に自分の走りをした。序盤は第2集団最後尾の17位、そこから周回ごとに一人ずつ抜いて順位を上げ、最後は8位でゴールし入賞を果たした。初のインターハイで笑顔の表彰台に上がった畠山実弓選手は、県外組が多い駅伝部の中では数少ない若草中出身の県内組、地道に走り込んで力を伸ばしトップ選手に急成長した。都大路での活躍も期待される。男子やり投げの青沼李軌(3年)は、関東大会優勝者として慣れ親しんでいるはずの小瀬に臨んだが、全国大会の雰囲気に呑まれ1投目の57m48から伸ばせず決勝進出はならなかった。
≪ホッケー≫
ホッケーの会場は山梨学院ホッケースタジアムと白根中央公園が舞台。山学高は1回戦・2回戦ともホームの山学ホッケースタジアムで戦った。1回戦の修明(福島)戦は相手を圧倒、6−0で勝利した。2回戦の相手小国高(熊本)は、山学大ホッケー部に毎年優秀な選手を送り込んでくる九州一の伝統校、前半は緊張で動きが硬く小国に押し込まれた。29分にPCから先制されたが、31分に7番有野孝大が押し込み同点で後半に入った。後半11分に小国に追加点を奪われ苦境に立ったが給水タイムで声を掛け合い、気合を入れ直した。そして、この試合PCを何度も得ながら生かせなかったが24分に得たPCでバリエーションを変え、2番沖津光輝がプッシュシュートを決め同点に追いつい た。チアリーダーや白根から駆け付けた選手の家族らスタンドの大応援団が大フィーバーでフィールドの選手を大激励した。同点からわずか2分後、チャンスでゴール前に詰めた11番秋山竜太郎の目の前に相手DFのこぼれ球が落ちてきて、秋山はまるで拝むようにして押し込み逆転した。終盤は何度もゴールを脅かされたが、全員が懸命に体を張って守り切り3−2で逆転勝ち、ベスト8に名乗りを上げた。4日の準々決勝で昨年敗れた強豪の横田高(島根)と対戦する。同点ゴールを決めた沖津光輝選手「前半は決めれなかったが、後半のPCはバリエーションを変えて落ち着いて決められた」。決勝ゴールの秋山竜太郎選手「後輩が同点ゴールを決めてくれたので、先輩も頑張らなくてはいけないとゴール前に詰め、気持ちで押し込みました」。村松翔主将「相手が命がけで来ていることを前半に体で感じました。悪い流れが続き苦しかったけど、後半の給水タイムでまだ17分ある、気持ちを一つにしようと切り替え、流れを変えることができました。次は打倒横田、リベンジを果たしたい」。飯田裕一郎監督は「苦しんだ試合に勝てたことで、もう一歩成長できたと思う。地の利を生かして宿敵を倒し、ベスト4に進みたい」と激闘をそれぞれ振り返った。
≪サッカー≫
サッカーの会場は韮崎市中央公園、山梨学院高は2回戦から登場、東海大三高(長野)をPK戦で下し2回戦に勝ち上がってきた東海大翔洋高(静岡)と対戦した。山学のベンチ入りメンバー17人は全員が3年生、この大会から着用の濃い紺色のユニホームで試合に臨んだ。相手の東海大翔洋は東海大一高時代に冬の全国高校選手権を制覇したサッカー王国静岡代表の強豪、全国制覇経験チーム同士の戦いとなった。試合は一進一退だった前半終了5分前にPKを獲得、これを6番大場祐樹が落ち着いてゴール左隅に決め1−0で折り返した。後半開始早々に翔洋に好シュートを放たれたが、GK瀬尾倖大がナイスセーブした。後半12分にFWをそこまで健闘した10番小川雄大から16番宇佐美佑樹に交代、その宇佐美がベンチの期待に応えて流れを変えるプレーをした。交代直後に浮き球をオーバーヘッドシュート、正確に枠内を捉えGKがパ ンチングで逃れた。このプレーで得たコーナーキックで188cmの長身FW原拓人がヘッドで合わせ2−0とした。給水タイム後は何度も押し込まれたが、山学はバイタルエリア内の守備が固かった。体を張ったディフェンスでピンチの芽を摘んだ。ただ、試合終了直前のCKで182cmのDFの要3番渡辺剛が2枚目のイエローで退場処分となり、次の試合に出場できなくなった。このプレーで与えたPKを決められ2−1で試合終了となった。4日の3回戦で優勝候補筆頭の東福岡高(福岡)と対戦する。山中登士郎主将は「勝ったことは良かったが、この内容では次にいい結果が出ないと思うので、帰ってビデオを見て今日の結果をみんなで分析します。退場者を出したことは残念だが、気にしないようにして自分たちのサッカーをして、剛が次に出れるよう明日の東福岡戦に向けて準備したい」と語った。吉永一明監督は「前半は慎重に入りすぎて思い切りの良さがありませんでした。粘り強く守備をしてくるチームだったのでなかなか崩し切れず予想以上に苦労しました。PKでしたが先制点を取れたことは大きかったと思います。終わり方がもったいないなというところはありますが、そこを踏まえて明日の戦いに臨む準備をしたい。地元開催ということで優勝してもらいたいという期待感はあると思いますし、一試合一試合ですが、最終日まで残ることが我々の一つの義務だと思っています。プレッシャーは感じますが、ごまかさずにチャレンジしたい」とインターハイ初戦を振り返った。
この他、千葉・印西市の空手男子個人形で村田望留(3年)・舟久保絢哉(2年)が4回戦を突破した。聖地東京・有明テニスの森公園が舞台のテニスは、女子は団体戦初戦で京都外大西を2−1で下し1回戦を突破、2回戦で美鈴が丘(広島)に0−3で敗れた。男子団体は1回戦で城南(徳島)に0−3で敗れ初戦突破はならなかった。
文(M.T)カメラ(平川大雪・今村佳正)2014.8.3
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