インターハイ・ホッケー競技、準々決勝に進出した山梨学院高校ホッケー部が4日、春の選抜ホッケー大会全国制覇チームで優勝候補筆頭の横田高(島根)を破る大金星を挙げた。試合は、ボールの7割を支配した横田が攻め、山学は守りを固めてカウンターに徹する展開となった。山学の守護神高野雄介は高校に入ってからホッケーを始めたが、抜群の反応で横田の猛攻をことごとく弾き返した。懸命に守り続けた試合終了2分前、カウンター攻撃で一気に横田ゴールに迫り、故障から復帰の秋山竜太郎がGKをかわしこの試合唯一のゴールを決めた。その2分後、山梨学院ホッケースタジアムは大興奮に包まれた。白根から駆け付けた選手の家族やOBや野球部員やソフトボール部員や25人のチアリーダー部員らが、応援席に一礼する選手に、最高のエールと最高の笑顔を贈った。同様に優勝候補筆頭と戦ったサッカー部は0−1で東福岡高(福岡)に惜敗した。
≪ホッケー≫
平成26年度インターハイ・ホッケー準々決勝
≪山梨学院高vs横田高≫(8/4)於 山梨学院ホッケースタジアム |
○ 山梨学院高 1 |
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得点 秋山竜太郎 |
山梨学院高は1回戦の修明(福島)戦は6−0の圧勝、2回戦の小国(熊本)戦は3−2の逆転勝利で3回戦に駒を進めた。相手は優勝候補筆頭の横田(島根)、当然苦しい戦いになることが予想された。そして、前半から盛んに攻め込まれた。開始5分にペナルティ・コーナー(PC)から強烈なシュートを放たれたがGK1番高野雄介(3年)が好セーブした。高野は甲府市立南西中出身、入学する直前の3月に山学高ホッケー部が全国選抜大会で準優勝したのを見て、「自分もあのホッケー部の一員になりたい」と入部した。GKになってまだ1年半だが、抜群の反応で横田の好シュートを何度も何度も阻止した。山学は守りを固め、時折、意表を突く鋭い縦パスでゴール前に迫るカウンター攻撃 に徹した。前半19分には7番有野孝大(3年)がGKと一対一になる場面を作りループシュートを放ったが阻まれた。両チームGKの攻守が光る試合になった。前半はボールを横田に支配され守る時間が多かったが、後半は守り一辺倒ではなく、一歩も引かずに激しい攻防を繰り広げる時間帯が増えた。横田をサークル内に容易には入れなかった。懸命に守った末に、ついにその時が来た。終了2分前の後半33分、カウンター攻撃で一気に横田陣に入り、5番小澤航太(2年)からのパスをゴール正面で受けた11番秋山竜太郎(3年)がGKをかわしてゴールを決めた。秋山は大会1週間前に肉離れを起こし離脱、「毎日治療に通い、何とか大会に間に合わせた」という体で途中出場、前日の小国戦に続き、2 日連続で歓喜のゴールを決めた。山学チームは、勝てなかった横田高についにリベンジした。インターハイ初のベスト4に進出した。明日5日に白根高校第二運動場15時試合開始で沼宮内高(岩手)と決勝進出をかけて対戦する。
好セーブを連発した174cmのGK高野雄介選手は「子どもの時からやってるみんなと同じように走る体力がなくて、キーパーをさせてもらったら結構できたので、極めようと思うようになりました。家で毎日体幹を鍛えるトレーニングをしています。みんなで優勝を目指してずっとやって来たので、明日も集中して戦います」と語った。2日連続決勝ゴールの秋山竜太郎選手は「今日はカウンター狙いの作戦でした。ディフェンスが粘ってくれて、最後にカウンター一本の形が実現できてよかった」と振り返った。村松翔主将は「前半からディフェンス面で苦しかったですが、サークル内に簡単には入れないことを目標にして体を張り、キーパーの好セーブもあり何とか守り切ることができました。リベンジは果たしましたがこれで終わりではない、気持ちを切り替えます」と明日の準決勝戦に心を向けた。飯田裕一郎監督は「相手は常にベスト4以上の力のあるチーム、今日は我慢して守り、速攻につなげる試合に徹しました。大半が耐える時間でしたが、耐える体力をつけて来ましたので、最後の得点につなげることができたのだと思います」と体力面の強化が勝因と分析していた。観客席で教え子たちを見守っていた白根巨摩中ホッケー部監督の坂本強教諭は「山梨学院さんにお世話になり、子どもたちが逞しくなっているのを見て本当に嬉しく思います。竜太郎君は怪我をして苦しんだようですが、良く決めてくれました」と教え子の活躍に目を細めていた。
≪サッカー≫
平成26年度インターハイ・サッカー3回戦
≪山梨学院高vs東福岡高≫(8/4)於 韮崎市中央公園芝生広場 |
● 山梨学院高 0 |
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前日の2回戦で東海大翔洋高(静岡)を2―1で下し初戦を突破したサッカー部は、優勝候補筆頭の九州の雄東福岡高(福岡)と対戦した。ボールの支配率は東福岡が上回った。前半はCK5本とFK1本を与えた(山学はCK1本・FK1本)がゼロで抑えた。失点は後半開始3分だった、攻め上がろうとした時にミスからボールを奪われフリーキックを決められた。結果的にはこの1点が勝敗を分けた。後半途中から投入された16番宇佐美佑樹(3年)が好シュートを放ったがGKにパンチングで防がれた。終了5分前に得たCKで188cmの長身FW9番原拓人(3年)が倒されPKを得たが、大場のシュートを東福岡のGK脇野にファインセーブされ追いつけなかった。
山中登士郎主将は「前半は狙い通り失点ゼロで行って、後半開始早々に前がかりになったところで失点、甘かったのはあの場面だけであとは攻め込まれても決定機を作らせなかったが、相手は一度のチャンスをものにした。自分たちは何回かあったチャンスで決め切れなかったのは自分たちの甘さ、相手の方が一枚も二枚も上だと感じました。このインターハイで終わりではないので、選手権に向けてしっかり準備したい」と悔しさをこらえた。吉永一明監督は「前半は守備的にという意識で入り、後半攻撃に出るところでの自らのミスからの失点だったので、そこはもったいなかったかなと思います。全国レベルの戦いではこういうぎりぎりの戦いの中でも力を発揮できるようにレベルアップさせていかなければいけない。当然相手はスピードを消しに来るし、分かっている中でもしっかりやることができないといけない、力不足です。個の力も含めて上げていかなければいけない」と真っ黒に日焼けした顔に悔しさをにじませた。
この他、千葉・印西市で行われていた空手男子個人形で舟久保絢哉(2年)が準決勝に進出し3位を獲得した。村田望留(3年)は5回戦(準々決勝)で準優勝した選手に惜敗のベスト8となった。
文(M.T)カメラ(平川大雪)2014.8.4
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