山梨学院国際交流センターは8月4日、第5回国際交流富士登山を開催した。この企画は、外国人観光客に人気の富士登山を本学で学ぶ留学生にも体験してもらおうと2010年から始まり、留学生の他に日本人学生と教職員が参加して苦楽を共にして山頂を目指すイベント。第3回からは、やまなし観光支援機構や備品レンタルのLa Montの協力を得て実施している。国際交流センターでは、留学生に山梨を理解してもらう事と異文化コミュニケーションを目的に、4月から留学生学外研修ツアーを実施しており、4月19日に富士山世界遺産ツアー、5月25日にほうとう手作り体験ツアー、6月29日に富士急ハイランドツアー、7月19日に富士川BBQツアーを実施した。この富士登山も山梨留学生スタディツアーの一貫として実施された。
当日の朝6時の富士山5合目には、本学に在籍する海外からの留学生、日本人学生、教職員と同行の登山ガイド、やまなし観光推進機構、山梨県庁観光部のスタッフの総勢47人が集結した。体を気圧に慣らす為に約1時間程度この5合目で準備体操や、ガイドから登山の基礎知識や注意事項の説明を受けた。富士登山隊の一行は、午前7時に山頂を目指して5合目を出発した。初めて富士登山に参加したベトナム出身のチャンさんは、「昨日は夜の8時に布団に入りました。富士山に登るためにしっかりと準備をしてきました。がんばって頂上を目指します。」と眼下に山中湖を望みながら話していた。
8合目で体力不足の学生を途中下山させた関係で山頂まで到着したのは、41人であった。山頂を征した参加者達は、達成感から一様に満足した表情を見せていた。ベトナム出身のハーンさんは、「自分の足で日本の世界遺産である富士山に登って来た事が信じられません。途中から呼吸が苦しく、また雨と風のために体全体が冷たくなりなかなか力が出ませんでした。何度も諦めようと思いました。しかし、ここで諦めたらこれまでの努力が無駄になると考え、応援してくれる家族の事を思い浮かべて力を振り絞って頑張りました。頂上に着いた瞬間は、やった!と嬉しさが沸き上がりました。山頂に辿り着く事は素晴らしい事ですが、登って来た過程の方が大事な事だと思います。この経験は、富士 山との闘いというより自分の弱さとの闘いとして一生忘れられない思い出となりました。」と感想を述べた。また、中国出身の範さんは、「日本で一番高い山に登りました。これはとっても凄い体験です。登る途中で具合が悪くなり諦めかけましたが、みんなに励ましてもらって頂上まで行く事ができました。登るときはとても辛かったけれど、でもみんなと登れてとても楽しかったです。」と話してくれた。また、グアム出身のタシーくんは「普段は水泳部で練習していますが、日本一の山を登ることは簡単なことではありませんでした。とても疲れましたが、いい経験ができました。楽しかったです。」と笑顔で語ってくれた。今回の富士登山を通して、5か国の人々が助け合い、安全に楽しく交流する事が出来た。
後期に向けて国際交流センターでは、ぶどう狩り体験ツアーや昇仙峡紅葉ツアーなどの企画を予定している。多くの留学生と日本人学生の応募をお願いしたい。
文・カメラ(山梨学院国際交流センター 雨宮敏弘、早坂愛子)2014.8.5
富士登山アルバム