「文部科学大臣杯2014年度全日本学生レスリング選手権大会」(インカレ)は2日目の8月27日、岐阜市・岐阜メモリアルセンター体育館でフリースタイルの3回戦から決勝までが行われた。2日目の山学大勢は、断トツの強さを持つカザフスタンからの留学生ボルチンアレッグだけでなく、各階級とも健闘した。125kg級の貝塚賢史と宮内健太の2人の1年生が準々決勝で山学大同士対決を実現させるなど、特に1年生の活躍が光った。フリーの最終成績は、125kg級ボルチンアレッグが圧倒的強さで大会2連覇を達成、70kg級木下貴輪が1年生で準優勝、山学同士対決に勝った貝塚賢史と74kg級本村匠が3位の表彰台に上がった。また、57kg級の朝比奈健人、61kg級松宮大樹 、125kg級宮内健太の3人がベスト8(5位)に入った。
今年の山学大フリーは、最重量級の125kg級が熱かった。昨年の学生二冠王者のボルチンアレッグ(2年 カザフスタン)だけでなく、4人の1年生を含む実に6人の選手を大会に送り込んだ。このうち、アレッグと貝塚賢史(1年 霞ヶ浦)、宮内健太(1年 山梨農林)の3人が2日目に進み、準々決勝で貝塚と宮内が山学同士対決をした。結果はインターハイチャンピオンの貝塚が4−1で勝利、貝塚は準決勝で惜敗し3位となった。貝塚賢史選手は「同期の仲間とともにアレッグ先輩の胸をかり、みなで切磋琢磨して強くなりたい」と語った。アレッグは早稲田大のエース前川勝利を片足タックルからと両足タックルからの2回の大技で10−0(テクニカルフォール)で退けるなど、他をまったく寄せ付けずに大会2連覇を達成させた、ボルチンアレッグ選手は「またチャンピオンになれてよかった、明日からのグレコでも頑張りたい」と少し話せるようになった日本語で話した。専門外ながら明日からのグレコでも優勝を狙う。
今年は1年生の活躍が目立っている。70kg級木下貴輪(1年 鹿屋中央)は3回戦でアジア・ジュニア選手権74kg級代表の強敵小山内光将(日大)を倒し、決勝まで勝ち進んだ。決勝で昨年の世界ジュニア選手権66kg級5位の多胡島伸佳(早大)に敗れ、1年生王者はならなかったが準優勝を獲得した。木下貴輪選手は「1年なので、みんな格上だと思い伸び伸びやることが出来ました。ただ決勝はもうちょっとやれたと悔いが残ります」と話す。木下は今春卒業した兄に続き山学大に入学してきた逸材、もっともっと上を目指している。また、61kg級の松宮大樹(1年 霞ヶ浦)も健闘した。準々決勝で2年連続JOC杯ジュニア60kg級覇者の中田陽(日体大)に敗れたが、いい動きを見せており将来が楽しみな1年生だ。
74kg級で3位を獲得した本村匠(2年 沖縄・浦添工)は苦労人、1年の時に膝を負傷し手術、1年間マットに立てなかったが、5月の東日本学生リーグで復帰し最終戦で勝利、チームの東日本リーグ2連覇に貢献した。このインカレでは、1回戦・2回戦は圧勝、3回戦は殿村和城(国士舘大)に1Pをリードされながら2Pに逆転し11−10で辛勝した。準決勝で敗れたが、大ケガを乗り越えて来た男が3位を獲得した。本村匠選手は「膝も万全になったので2回戦ぐらいまでは行けるかなと思っていましたが、まさか入賞とは思ってもいませんでした、くじ運が良かっただけです」と謙遜していたが、東日本リーグの時より果敢にタックルに入っていた、間違いなく強くなっている。このほか、57kg級朝比奈健人(4年 霞ヶ浦)は3回戦で頭を切り、包帯とテーピングで頭と顔をぐるぐる巻きにして戦い、負傷をおしてベスト8に入った。
大会は明日28日からはグレコローマンが行われる。グレコ勢11人が岐阜決戦に挑む。
文(M.T)カメラ(平川大雪)2014.8.27
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