平成26年司法試験の合格者が9月9日、法務省から発表された。平成26年司法試験は、受験者8,015人に対し最終合格者は1,810人、合格率は22.58%。山梨学院大学法科大学院からは47人が受験し6人が合格。合格者数6人という数字は、全国74校中37位。合格率は12.77%、これは全国74校中30位、私学順位で見ると49校中13位。会見で荒牧重人法務研究科長は「今年も着実に法曹界に人材を送り出せたことについて嬉しく思っています。また、今年は山学大法学部の出身者が1人合格しました。このことについても大変嬉しく思っています」と喜びを語った。会見には合格した亀子伸一さんと小笠原亘さんも同席し、法曹を目指したきっかけや合格の喜び、今後の法曹としての抱負を語り、恩師と喜びを分かち合った。今年の試験では、山学大から山学大法科大学院に進学・修了した松下啓一さんも2回目の受験で合格を果たし、2年ぶりの「山学」生え抜きの合格者も誕生した。
平成26年司法試験は8,015人が受験し最終合格者は1,810人。合格率は22.58%。合格者の平均年齢は28.2歳で最年長は65歳、最年少は22歳。山梨学院大学法科大学院からは47人が受験。既修コース2人・未修コース4人の計6人が合格し合格率は12.77%。会見で荒牧重人法務研究科長は「今年の合格者は6人ですが昨年より200人以上合格者が絞り込まれ、昨今の法曹養成や法科大学院の実情を見る中では善戦したと思っております。そのような状況で今年も着実に法曹界に人材を送り出せたことについて嬉しく思っています。彼らが頑張ってきた姿を見てきたので、その努力に心から敬意を払いたいです。一方で法科大学院としての評価は、合格した修了生たちが法曹になった時に、彼らが社会に貢献していく中で初めて評価されると思っています。本学出身の修了生たちが法曹の現場に出た時に法科大学院での学びを発揮し、社会で活躍することを祈っています。また、今年は山学大法学部の出身者が1人合格しました。このことについても大変嬉しく思っています」と述べた。
この日の記者発表には合格者2人も同席し法曹を目指したきっかけや合格の喜び、今後の抱負を語った。今年2回目の受験で合格を果たした亀子伸一さんは、大阪府高槻市出身の26歳。創価大学法学部卒業。亀子さんは、中学2年生の時に学校の授業で弁護士という職業を知り、社会的な活動が幅広くでき、色々な人の力になれることに魅力を感じ法曹を意識した。そして、弁護士は世間では敷居が高いと思われているので市民の方々と共感しあえる法曹を目指したいと思い、高校3年の大学受験で本腰を入れ法曹を目指し、法学部へ進学。大学卒業後の進路を考える時には、複数の法科大学院を候補に考え、施設や環境、指導スタッフなどを比較し、山学大法科大学院への進学を決めた。この1年は、1日10時間を目標に勉強を重ねた。試験後は、結果を考えないようにし、司法試験以外の資格試験や公務員試験などを受験。合格の瞬間は、寮の自室で迎え、インターネットで合格を確認。合格を両親に伝えると「無事に合格してよかったね」という言葉をかけてもらった。亀子さんは「まだ実感はないのですが、合格してほっとしたというのが率直な感想です。荒牧先生を始め、支えてくださった方々の恩に報いることができて良かったです」と喜びを口にした。
同じく2回目の受験で合格した小笠原亘さんは、山梨県南アルプス市(旧・櫛形町)出身の27歳。一橋大学法学部卒業。大学で法律に興味を持ち、法律を勉強していく中で法律を使う仕事がしたいと思い、法曹を意識した。大学卒業後は、地元であり、奨学金などの支援制度や寮なども近くにあり、勉強するには最適な環境だと考え、山学大法科大学院に進学。この1年は1日4時間程度の短期集中で勉強を続けた。試験後は実家の畑を手伝ったりしていたものの、合格後・不合格後のことを交互に考えてしまい、落ち着かない日々を過ごした。
合格は自宅の自室で迎えた。インターネットで合格を確認し、自宅にいた祖母に合格を報告し「よかったね」と声を掛けてもらった。小笠原さんは「合格が分かったときは、信じられないという思いがあり、去年の不合格の瞬間が思い出されてしまい、嬉しいというよりは、“本当か”という気持ちが強かったです」と素直な感想を口にした。
二人とも将来は弁護士を志望しており、亀子さんは「社会的な弱者の方と関わることも多いと思いますが、地域に根差して、依頼者の心に寄り添って、事件や紛争の解決を親身に考えていける弁護士になりたいです」と話し、小笠原さんは「将来は、山梨県内での弁護士を志望しており、法律的なトラブルを抱えている方々が気軽に相談できる弁護士になりたいです」と今後の抱負を語った。
この他、山学大法学部から山学大法科大学院に進学した生え抜きの合格者も1人誕生した。2回目の受験で合格を果たした松下啓一さんは長野県塩尻市出身の26歳。高校時代に法曹に憧れ、山学大法学部に進学。学部時代は金亮完ゼミに所属。合格の瞬間は、司法研究室(現・法科大学院研究室)や金ゼミでの思い出、法科大学院で指導してもらった額田先生、梓澤先生、武田先生など恩師の先生の顔が思い浮かんだという。松下さんは「あまり合格の実感はありませんが、ほっとしました。現時点では、どの法曹三者を目指すかは決めていませんが、今まで教えて頂いたことを活かし、苦しい時に力になれる法曹になりたいです」と語り、学部や法科大学院で学んでいる後輩に対し、「“人事を尽くして天命を待つ”自分を追い詰めすぎないで頑張って欲しいです」とメッセージを送った。
文(Y.Y)、カメラ(平川大雪)2014.9.9
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