スポーツ留学生と学術協定校からの短期留学生が、ほぼ毎日一緒に日本語の勉強に励んでいる。参加しているのは箱根駅伝に挑むケニアからの留学生陸上部のエノック・オムワンバ選手、レスリング全日本学生チャンピオンのカザフスタンからの留学生ボルチン・アレッグ選手、サッカー部の韓国人留学生ら10人のスポーツ留学生と、国際交流短期留学生として1年間の予定で来日したインドネシア、ベトナム、ロシアからの留学生11人。カレッジスポーツセンターの会議室で、平日の12時半から14時までの間、ともに学んでいる。日本語が話せるだけでなく、より一層日本語と日本文化への理解を深めようと取り組んでいる勉強会。個々のレベルに合わせた個別指導で、交流を深めながら、と もに上達している。
この日本語勉強会は、最初、カレッジスポーツセンターがスポーツ留学生を対象に昨年9月に立ち上げ、今年の4月からは国際交流センターが招いた短期留学生が加わる形に発展した。講座の開講時間は月曜から金曜までの毎日12時半から午後2時までの90分間、2つの会議室を使って実施されている。スポーツ留学生については出欠自由、短期留学生については日本語の授業の一環として行われているが、スポーツ留学生の出席率は非常に高く勉強熱心、少しでも早く上達しようと寮で自習を行い、教材を遠征先に持って行く学生もいて、大会がない時は全員が可能な限り出席している。講座の内容は、ひらがなが書ける程度の「4A」レベルから、日本語検定2級レベルの高難度「L」レベルま で、公文式日本語教材を使いそれぞれのレベルで学び、クリアすると「教材進級賞」がもらえる。取材した10月1日にはサッカー部1年のパク・サンリュル選手がE教材への進級表彰を受けた。それぞれに感想を聞いてみると、陸上部のエノック・オムワンバ選手(3年 ケニア)は「漢字検定まで来ました。この授業とっても好きです、しっかり漢字が書けるようになりたい」と話す。ラグビー部のソシセニ・トコキオ選手(3年 ニュージーランド)は「簡単な漢字は少し書けるようになりました。日本語は難しいけど、頑張って勉強する」と話し、サッカー部1年の韓国出身3選手は「来日してまだ半年、まだまだですが、プレーも日本語も頑張ります」と声を揃えた。レスリング部のボルチン・アレッグ選手(2年 カザフスタン)はロシアからの留学生ユーリャ・パルホーメンコさん(20歳)が来たことで、学内でロシア語が話せる学友を得た。アレッグ選手とユーリャさんは「キャンパスでロシア語が話せるとは思っていなかったので、話せることになりホッとした」と話している。1年間の予定で9月に来日したばかりのインドネシア人留学生の3人を代表してギナ・ギナンジャール・アンドリアナさん(写真中央)は「私は5年前以来2度目の来日です、2人の後輩とともに1年間しっかり日本と日本語を学んで帰ります」、3人は昨年10月に横内県知事がインドネシアを訪れた際に締結された山梨学院大学とインドネシア三大学との学術交流協定に基づいて来日したもので10月10日には県庁を表敬訪問することになっている。指導に当たっている山梨学院大学非常勤講師で公文式日本語講師でもある秋山満貴講師は「一斉授業では、どこのレベルに合わせて授業をすればいいのか難しく、スポーツの選手は試合や遠征などでいないこともあるのが大きな悩みでしたが、このやり方だとレベルを一人一人に合わせられるので、早く進みたい人は早く、ゆっくり進みたい人はゆっくり進めます、試合で休んでも自分のペースでやれるので、着実に進歩することが出来ています。一斉授業では大まかにしか見えなかった弱点が、一人ひとり採点するので、判っていない所が的確に分かります、指導しやすくなりました」としている。留学生たちはともに学ぶことで、互いに刺激し合い、互いに切磋琢磨しながら日本語の上達に取り組んでいる。
文・カメラ(M.T)2014.10.1
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