山梨学院パブリシティセンター
第91回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会
〜総合4位で29年連続29回目の箱根路へ〜
〜学生や教職員が選手たちに熱い声援を送る〜

第91回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会が10月18日、東京都立川市(陸上自衛隊立川駐屯地〜立川市街地〜国営昭和記念公園)で行われた。山梨学院大学陸上競技部は今年1月の第90回大会の往路で棄権し、シード権が確保できず2年連続の予選会。箱根駅伝予選会は、20kmのコースを各校10〜12人の選手が走り、上位10人の合計タイムで競われる。予選会には48校が出場し、来年1月に行われる本戦への出場権は、合計タイムが少ない上位10校が獲得する。沿道では、朝早く山梨を出発して駆けつけた応援ツアーの学生や教職員が、選手たちに熱い声援を送った。山学大は、前回箱根2区で苦杯を喫したエノック・オムワンバが、スタート直後に集団を抜け出すものの、5キロ過ぎ に村山鉱太(城西大)に先頭に立たれ、その後追い抜くことができず、58分34秒の2位でゴール。また、主将の井上大仁は5位と粘り、山学の上位10人の合計タイムは10時07分57秒。山学は神奈川大、國學院大、東海大に次ぐ4位で29年連続29回目の箱根駅伝本戦出場権を獲得した。


第91回箱根駅伝予選会は、東京都立川市の陸上自衛隊立川駐屯地(立川飛行場滑走路)をスタートし、立川市街地を抜け、国営昭和記念公園にゴールする20キロのコースを各校10〜12人の選手が走り、上位10人の合計タイムで競われる。予選会から第91回大会へは合計タイムの少ない上位10校に出場権が与えられる。

会場となった立川市のスタート前の天候は快晴、気温14.1度。沿道などでは、朝早く山梨をバスで出発した応援ツアーの教職員の他、カレッジスポーツセンターが募集した「カレッジスポーツ観戦ツアー」に参加した学生50人が同じキャンパスで学ぶ仲間に熱い声援を送った。午前9時35分、ピストルの号砲とともに48校561人の選手が一斉スタート。スタート直後エノック・オムワンバ(3年 ケニア・ナイクル高)が集団から抜け出すと他校の選手らもそれを追随。オムワンバは1キロの通過を2分50秒と快調に飛ばす。選手たちは滑走路を2周、約5キロを走り、立川市街地の8キロ、昭和記念公園内の7キロのコースの合計20キロを疾走する。5キロの通過タイムでは、山学がトップ。しかし、5キロ過ぎにオムワンバが城西大の村山鉱太につかまってしまう。村山に独走を許し、抜き返したいオムワンバだったが、徐々に離されてしまう。オムワンバは、10キロを2位で通過。10キロ通過の総合タイムでは、依然トップの山学。一方、主将の井上大仁(4年 鎮西学院高)は3位集団で粘りの走り。他の山学選手たちは個々の設定タイムをもとに攻めの走りで足を進める。前回箱根路での疲労骨折後、初のロードレースとなったオムワンバは、暑さも影響し、思うように足が動かず、前を行く村山を捉えることができない。村山は日本人歴代最高タイムの58分26秒でフィニッシュテープを切り、オムワンバはそれから8秒遅れること58分34秒の2位でゴール。3位集団で粘走した井上は5位でゴール、昨年の箱根9区の阿部竜巳(4年 秋田工業高)は21位と続いた。
山学勢の記録は次のとおり。

 山梨学院大学 10時間07分57秒  最終総合順位 4位
順位  記録  氏名  学年  前回箱根路 
58:34 エノック・オムワンバ 2区
59:25 井上大仁 5区
21 1:00:24 阿部竜巳 9区
25 1:00:31 佐藤孝哉 エントリー
37 1:00:39 兼子侑大 3区
38 1:00:40 谷原先嘉
87 1:01:14 上村純也 4区
142 1:02:03 伊藤淑記 エントリー
148 1:02:10 桃澤大祐 6区
154 1:02:17 前田拓哉 8区
182 1:02:48 礒野裕矢 エントリー
203 1:03:13 山本 新 エントリー

午前11時過ぎから公園内「みんなの原っぱ」で結果発表が行われ、山梨学院大は10時間07分57秒の総合4位で、29年連続29回目の箱根切符を手にした。総合4位の結果がアナウンスされると部員や山梨から応援に駆けつけた学生や教職員らから拍手が起こり、箱根路出場の喜びを分かち合った。総合1位は10時間07分11秒の神奈川大。2位國學院大、3位東海大、4位山学大、5位中央学院大、6位上武大、7位中央大、8位順天堂大、9位城西大、10位創価大までが本戦出場権を獲得。結果発表後、報告会が行われ出場全選手がレースを振り返り、応援への感謝の言葉や今後の抱負を口にした。チームを代表し井上大仁主将は「予選会トップ通過を狙っていたチームでしたが、4位通過という結果になりました。この結果をしっかり受け止めて今後のやるべきこと、やらなければいけないことをやっていき、全日本、箱根では優勝を目指して頑張りますので、今後も応援よろしくお願いします」と挨拶した。飯島理彰コーチは「選手には、Aタイム(目標タイム)、Bタイム(最低限のゴールタイム)の2種類の設定タイムを掲げ、レースに挑みさせました。Aタイムは非常に高いレベルで設定していましたので、選手たちはそのタイムを破ろうと最初から必死にいった結果、トップではなく4位通過という悔しい結果となってしまいましたが、10キロまではトップの記録を出すことができました。このチームは、悔しい思いをして這い上がってくる選手が沢山いますので、全日本、箱根と楽しみにしていてください」と語り、上田誠仁監督は「みなさんの応援のおかげで、29回目の箱根駅伝に出場する権利を得ました。今回出場権を得たということは、2区で途切れた襷が“今度こそ笑顔で大手町のゴールに俺を連れて行ってくれよ”と思っているに違いないと思います。しかしできるなら“颯爽と良い位置で走ってくれよ”と思ってるのかなとも思います。そのための布石として果敢に攻める走りをしました。気温も上がりそうでしたが、予定通りの走りを選手に求めました。果敢に攻めないと全日本でもシード権すら獲得できないと思います。箱根駅伝にはさらにシード権を勝ち得てる10校がいます。現時点では14番目ということになりますので、残された日々を我々は更なる精進を誓いたいと思います」と挨拶した。大学を代表し込山芳行学生センター長は「選手たちからは1位通過でなく残念だという声もあるようですが、予選会の目的は、本戦出場権を取ることですので、十分立派な仕事を成し得たと思います。11月の全日本、1月の箱根と我々にドキドキ感、ワクワク感を与えてくれる陸上競技部の選手たちにきょう以上の熱い声援をお願いします」と述べた。また、応援に駆けつけた陸上競技部のOB・OGのオリンピアンの佐藤由佳(旧姓・三森)さん、柳澤哲さん、大崎悟史さんも後輩たちの本戦出場を祝福した。

報告会後、報道陣の取材に対し、上田監督は「全日本、箱根のことを考えれば、最初つっこんだ走りになり、予選会用の集団走は大まかには作ってあったが、個人の設定したペースでやったので、ラスト5キロは厳しかった。安全パイで少しゆっくりしてラスト後半5キロでスパートという作戦もあったが、今後のレースを考えれば、ある程度の速さで入らないと勝負にならないと思った。そういう点でもまだまだ弱い点が多々あると感じた。このことは、反省材料と改善点として今後修正したい」と延べ、レースを振り返った。全体の2位でゴールしたエノック・オムワンバ選手は「疲労骨折から初のロードレースだった。10キロぐらいから暑さもあり思うように体が動かなかった。(村山選手を)抜きたかったが足が前に出なかった。箱根では区間賞を目指し、チームでも優勝を目指して頑張りたい」と話した。また、全体5位の井上大仁選手は「トップでの予選通過を狙っていたが、それができずに応援してくれた方には申し訳ない気持ちでいっぱいです。折り返しの所で一人ひとりの選手を見て、しっかり頑張っていたが、結果が結果なので、次に向けて一人ひとりが意識して克服できるようにしていきたい。今年掲げた優勝の目標を変えるつもりはないので、しっかり前の方で勝負をして、優勝して去年の悔しさを晴らして恩返しができるように頑張りたい」と語った。

第91回箱根駅伝は来年1月2日・3日に前回大会シード権獲得校10校と予選会通過10校、関東学生連合チーム(旧称:関東学連選抜チーム)の計21チームが出場。東京都大手町から神奈川県芦ノ湖までの往路5区間、復路5区間で行われ、第91回大会から、5区・6区のコースは一部変更される。29年連続29回目の出場となる山学大陸上競技部はチームスローガン「RESTART」を胸に、チーム一丸となって2か月半後の戦いに臨む。

文(Y.Y)、カメラ(小池裕太、Y.Y)2014.10.18
| アルバム1 | アルバム2 |

Copyright (C) 2014 YGUPC. All Rights Reserved.