テニス大学日本一を決める「平成26年度全日本大学対抗テニス王座決定試合」(略称 王座)が10月22日から26日まで東京・有明テニスの森公園で開催された。山梨学院大テニス部女子は創部まだ9年目ながら2年前に続き2度目の大会出場を果たした。25日の準決勝で2年前には敗れた関西第1代表の関西学院大と対戦し勝利、26日の決勝で大会8連覇中の関東第1代表の名門早稲田大と対戦した。結果はダブルス2組、シングルス3人とも善戦しながらも伝統校の厚い壁に阻まれ勝利を勝ち取ることが出来なかった。ナイター照明の下で行われた表彰式で、チームが初めて獲得した日本第2位大学のメダル“銀メダル”が、この日で部活を卒業する5人の4年生と3年の久次米選手の6人の胸で 燦然と輝いた。
“王座”は、各地区の代表10大学(関東と関西は第1・第2代表)によって大学日本一を競う。山学大テニス部女子は、創部からまだ9年の歴史も伝統もないテニス界では無名の大学ながら、最短最速で学生テニス界最強リーグ「関東大学テニスリーグ1部」に駆け上がり、2年前に続き関東第2代表として2度目の出場をした。女子はダブルス2試合、シングルス3試合で勝敗を決める(男子はD3、S6)。山学大は1回戦シードで2回戦から出場、24日の初戦で九州代表福岡大を5−0で下し、25日の準決勝で関西第1代表の関西学院大と対戦した。
平成26年度全日本大学対抗テニス王座決定試合 準決勝
山梨学院大VS関西学院大 (10/25) 於有明テニスの森公園 |
|
勝敗 |
山梨学院大 |
|
関西学院大 |
D1 |
● |
本郷未生
寺見かりん |
7−5
6−7(14)
6−7 |
村上亜利沙
田中桃子 |
D2 |
○ |
尾崎仁美
久次米夏海 |
6−4
6−4 |
伊藤 遥
酒井渚月子 |
S1 |
○ |
久次米夏海 |
6−2
6−7(0)
6−2 |
宇佐美愛 |
S2 |
● |
本郷未生 |
2−6
2−6 |
田中桃子 |
S3 |
○ |
尾崎仁美 |
6−4
6−3 |
林恵里奈 |
総計 |
○ |
3 |
D1−1
S2−1 |
2 |
D1の本郷未生(3年 神奈川・東海大相模)・寺見かりん(2年 岡山・山陽女子)ペアの戦いは、午前10時17分に始まり終わったのは午後2時19分、4時間を越える大激闘となった。何度も何度もあと1ポイント取れば勝利というところまで行きながら逆転負けを喫した試合について、大会後、富岡信也総監督は選手に対し「あと1ポイントの重さを忘れないでほしい、山学大テニス部のバイブルにしなければいけない敗戦」と語ったほどの悔しい戦いとなった。ダブルス戦1勝1敗の後、シングルス戦で久次米夏海(3年 大阪・城南学園)と尾崎仁美(4年 徳島・小松島西)が激闘を制し勝利、2年前のリベンジを果たした。
平成26年度全日本大学対抗テニス王座決定試合 決勝
山梨学院大VS早稲田大 (10/26) 於有明テニスの森公園 |
|
勝敗 |
山梨学院大 |
|
関西学院大 |
D1 |
● |
本郷未生
寺見かりん |
4−6
3−6 |
梶谷桜舞
林恵里奈 |
D2 |
● |
尾崎仁美
久次米夏海 |
1−6
5−7 |
吉冨愛子
細沼千紗 |
S1 |
● |
久次米夏海 |
3−6
3−6 |
吉冨愛子 |
S2 |
● |
本郷未生 |
0−6
2−6 |
宮地真知香 |
S3 |
● |
尾崎仁美 |
1−6
2−6 |
林恵里奈 |
総計 |
● |
0 |
D0−2
S0−3 |
5 |
インターハイ上位選手が集まる早稲田大の壁は厚かった。富岡好平監督が「早稲田と競るところまでは来た。しかし早稲田の選手は勝負どころでポイントを取る力があり、流れを相手に渡さない力があった。うちの選手にはその力が足りなかった、そこが課題。大学日本一のチームに打ち勝つ力を持つチームに育てなければいけない」と語る完敗だった。優勝は男女ともに早稲田大で女子は9連勝、男子は10連勝となった。
試合後、集まった全部員に対し富岡信也総監督は「昨日の1ポイントの重さをバイブルにしなければいけない。王座の決勝の場に立ったことに誇りを持ち、支えてくれている両親と学校の先生方に感謝して明日につなげよう」と話し、富岡好平監督は「4年生はリーダーシップを発揮してよくチームを引っ張ってくれた、ありがとう。決勝に残れたのはみんなの力だが、まだ相当の差があった。こんないい場面を経験できたことをゼロにしてはもったいない、3年生以下はこれを一つのステップにして次につなげなければいけない」と選手を諭した。三好勲コーチは「みんなと一緒にコートに立ち、みんなが苦しんできたことも知っている。早稲田には勝てなかったが、全国の舞台に立ち過去最高の成績、2年前を超えられたことも一つの事実。4年生は自分の体験を下級生に伝えて引き継いでほしい、下級生はさらに努力して頑張ってほしい」とこの試合で部活を卒業する4年生の努力を称え、下級生にはさらなる向上を求めた。応援に駆けつけた去年の卒業生大塚可奈子さんは「後輩たちが厳しいトレーニングで成長して、確実に日本一に近づいていることを実感しました。日本一を取るまでOG全員で応援します」と後輩にエールを贈っていた。岡田優里主将は「この1年間、早稲田を倒して日本一になろうと決めて、辛いことや苦しいことが多かったですが、みんなのおかげで戦える場所まで来る事ができました。王座に臨む準備が早稲田の方が上だったのかも知れません。結果は残念で悔しいですが、日本一を後輩たちに託します」と話し、涙をぬぐった。尾崎仁美選手は「4年間は辛い時のほうが多くて、何度もテニスを諦めようと思いました。みんなのおかげでここまでやってこれたし、最後に王座の決勝という素晴らしい舞台で戦う幸せを得ました。続けさせてくれた両親とみんなに感謝したいですし、卒業後はテニスに関わる仕事につけることになったので、テニスの楽しさをたくさんの人に伝えて行きたい」と4年間を振り返った。
すべての試合終了後、ナイター照明の下で表彰式が行われた。山学大女子は、2年前には手に入れられなかったメダルを手にし"王座"の歴史ページに第二歩を標した。チームをまとめ、引っ張ってくれた4年生は胸を張って卒部してほしい、3年生以下は先輩たちの思いも胸にしまい、第三歩を標すための第一歩を踏み出してほしい。
文(M.T)カメラ(平川大雪)2014.10.26
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