山梨学院パブリシティセンター
第46回全日本大学駅伝対抗選手権大会
〜山梨学院は5位で2年連続のシード権確保〜
〜井上・区間3位、オムワンバ・区間2位の活躍〜

秩父宮賜杯第46回全日本大学駅伝対抗選手権大会が11月2日、熱田神宮(愛知県名古屋市)から伊勢神宮(三重県伊勢市)までの8区間106.8キロで行われ、伊勢路を舞台に26チームが健脚を競った。「全日本大学駅伝」は、10月の「出雲駅伝」、正月の「箱根駅伝」とともに大学三大駅伝の一つと称されている。今年は台風の影響で出雲駅伝が中止となったため、この全日本大学駅伝が、大学駅伝シーズンの開幕戦。全国の予選会を勝ち抜いた25の大学が頂点を競う、事実上の大学駅伝"日本一"決定戦に、山梨学院大は、3年連続27回目の出場。山学大は前半で10位以降と出遅れたものの、4区で主将の井上大仁がチーム順位を11位から8位まで上げる好走。さらに8区でエノック・オムワンバが3人抜きの快走でチーム順位を5位に上げ5時間21分02秒でフィニッシュテープを切った。山学大は井上、オムワンバらの活躍で2年連続でシード権を確保した。大会は駒澤大が5時間14分36秒で史上3校目となる4連覇を達成した。


午前8時のレースコンディションは、気温16.9度、湿度96%と長距離を走る上で体温の発散ができず、選手たちにとっては厳しい条件。午前8時5分、前回大会のシード校と全国の予選会を勝ち抜いた25大学に東海学連選抜を加えた26チームが一斉スタート。号砲のピストルの音と各大学の応援団やチアリーダーの声援が響きわたり、106.8キロの大学駅伝日本一を決める熱い戦いの火蓋が切られた。1区・佐藤孝哉は先頭集団でレースを進めたものの、12キロ過ぎから徐々に遅れ始め、トップから1分11秒差の11位で襷を2区・市谷龍太郎につなぐ。市谷は大学駅伝のデビュー戦。一つでも順位を上に上げたかったが前半オーバーペース気味になり、後半失速し12位で襷を3区・谷原先嘉へ。谷原は、前を行く京都産業大を抜き、順位を一つ上げ、11位で襷を主将の井上大仁につなぐ。4区・井上は、神奈川大、東海大、中央学院大をかわす3人抜きの好走でチーム順位を8位まで上げ、区間3位の活躍。8位の襷を受けた5区・上村純也は東海大に抜かれ、順位を一つ後退。6区・兼子侑大は前の8位との差を15秒縮めたものの順位をそのままに、9位で7区・阿部竜巳に襷をつなぐ。阿部は、少しでも上位でオムワンバに襷をつなごうと懸命に走り、前を走る城西大をかわし、区間5位の走りで最後の襷を8区・エノック・オムワンバに託す。オムワンバは、6位のシード圏内まで48秒差で襷を受けると、前半から積極的に飛ばす。1分の入りを2分40秒とハイペースに進め、9キロ過ぎに大東文化大をとらえ7位に浮上。11キロ過ぎには早稲田大を抜き6位になり、さらに東海大を抜き、5位に順位を上げる。オムワンバは区間2位と快走し、5時間21分02秒でフィニッシュテープを切り、山学大は2年連続でシード権を確保した。

スタート

■第1区(名古屋市・熱田神宮西門 → 弥富市筏川橋西詰 14.6km)
佐藤孝哉(2年 島根・出雲工業高) 44分09秒[11位] 総合・44分09秒[11位]

■第2区(弥富市筏川橋西詰 → 三重県・川越町高松 13.2km)
市谷龍太郎(1年 山梨・山梨学院高) 40分09秒[12位] 総合・1時間24分18秒[12位]

■第3区(川越町高松 → 四日市市六呂見町 9.5km)
谷原先嘉(3年 兵庫・市立尼崎高) 28分22秒[11位] 総合・1時間52分40秒[11位]

■第4区(四日市市六呂見町 → 鈴鹿市寺家 14km)
井上大仁(4年 長崎・鎮西学院高) 41分28秒[3位] 総合・2時間34分08秒[8位]


■第5区(鈴鹿市寺家 → 津市上浜町 11.6km)
上村純也(2年 栃木・白鴎大足利高) 35分31秒[13位] 総合・3時間09分39秒[9位]

■第6区(津市上浜町 → 松阪市曽原町 12.3km)
兼子侑大(4年 宮城・仙台育英高) 37分09秒[8位] 総合・3時間46分48秒[9位]

■第7区(松阪市曽原町 → 松阪市豊原町 11.9km)
阿部竜巳(4年 秋田・秋田工業高) 35分46秒[5位] 総合・4時間22分34秒[8位]

■第8区(松阪市豊原町 → 伊勢神宮内宮 19.7km)
エノック・オムワンバ(3年 ケニア・ナイクル高) 58分28秒[2位] 総合・5時間21分02秒[5位]
 
ゴール


レース後の報告会で区間2位の走りでチームにシード権を引き寄せたエノック・オムワンバ選手は「皆さんの応援のおかげでシードを取ることができました。これから箱根に向けて頑張ります」と挨拶し、初の大学駅伝デビューとなった市谷龍太郎選手は「大学に入って初めての駅伝でしたが、先輩たちのおかげでシード権を取ることができました。自分も先輩たちに負けないようにこれからも頑張ります」と抱負を述べた。個人では区間3位となった井上大仁主将は「本日、皆様のご声援のおかげでシード権を獲得できました。しかし、我々が目標にしていたことは、優勝であり、まだ、皆様の期待に応えられるような走りができている結果ではありません。箱根まで、チーム一丸となって頑張っていきます」と挨拶した。飯島理彰コーチは「箱根駅伝の予選会が狙っていた結果ではなく、メンタル面・フィジカル面で落ちた状態でこの大会を迎えたが、シード権確保という最低限の目標を達成できたことは良かった。レースを見て思ったのは、まだ駅伝の走りではなく、個人走、もがき方、ラスト1キロのきつくなってからの動きがまだまだできていないので、箱根まであと2ヶ月、その部分を修正して、箱根では最高の結果を出せるようにしたい」と語った。取材陣に対し上田誠仁監督は「エノックに繋がるまでにシード圏内にいられなかったのは反省点。取りこぼした区間はあったが、後半粘ってくれたので大崩れしないで、射程圏内でいけたのでその部分では良かった。初めての大学駅伝になった市谷は、もらう位置が後ろに回ってしまったので、前半オーバーペースで入ってしまい、後半失速してしまった。エノックは、箱根予選会の時も課題だったが、本来の力を発揮できていない。予選会よりは積極的な走りだったが、練習での実力をレースで活かしきれていない、爆発力が足りないので、あと2ヶ月で鍛え直して磨きをかけたい」とレースを振り返り、箱根に向けチームとして「これまでスタミナ作りはしてきたが、予選会を含めてスピードへの対応性が弱いので磨きをかけたい。 箱根は1区からスピード勝負になってきたので、その中で翻弄されない対応力、適応力を強化していきたい」と語った。
 

[最終順位]優勝・駒澤大(5時間14分36秒・大会4連覇)、2位・明治大、3位・青山学院大、4位・東洋大、5位・山梨学院大、6位・東海大。以上、来年のシード権獲得。(上位3校は来年の出雲駅伝のシード権獲得)

文(Y.Y)、カメラ(平川大雪、今村佳正、Y.Y)2014.11.2
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