第16回山梨学院アルテア室内管弦楽団演奏会が11月21日、山梨学院メモリアルホールで開催された。この演奏会は毎年この時期に実施され、今年で16回目を数え、やまなし県民文化祭協賛事業として山梨におけるクラシック音楽の普及、向上に貢献している。今年はベートーヴェン特集が組まれ、祝祭劇「アテネの廃墟」序曲Op.113やヴァイオリン協奏曲ニ長調OP.61などが演奏された。演奏会は昼の部と夜の部で構成され、昼の部では山梨学院中の生徒、山梨学院小の児童らが鑑賞。また、山梨学院短大の学生と山梨学院幼稚園の園児らはゲネプロ(通し稽古)を見学。東京フィルハーモニー交響楽団や東京都交響楽団などに所属する一流の演奏家らが奏でる旋律に耳を傾け、迫力ある演奏を肌で感じていた。夜の部では県内のクラシック音楽ファンや地域の人々などが鑑賞し、休憩時間にはワインや日本酒、ソフトドリングが振舞われ高尚な音楽の調べとともに秋の夜長を満喫していた。
山梨学院アルテア室内管弦楽団は、この日のためだけに編成され、音楽ファンを魅了する豪華な顔触れとなっている。メンバーはいずれも東京フィルや都響、東京交響楽団などに所属したり国内外でソリストとして広く活躍しており、今年は40人で編成(内訳:指揮1人、ヴァイオリン14人、ヴィオラ4人、チェロ4人、コントラバス3人、フルート2人、オーボエ2人、クラリネット2人、ファゴット2人、ホルン3人、トランペット2人、ティンパニ1人)。山梨学院短期大学の白河和治教授がタクトを振り、三浦章広氏(東京フィル・コンサートマスター)がコンサートマスターを務めた。
今年は、ベートーヴェン特集が組まれ、演奏曲目は祝祭劇「アテネの廃墟」序曲Op.113、ヴァイオリン協奏曲ニ長調OP.61、交響曲第3番「英雄」変ホ長調Op.55の3曲。この日、午前中に行われたゲネプロ(通し稽古)を山梨学院短大の学生や山梨学院幼稚園の青組園児、保護者が見学。このうち、祝祭劇「アテネの廃墟」の第5曲「トルコ行進曲」を山梨学院小のジュニアオーケストラのメンバーが舞台上で一緒に稽古した他、見学に訪れていた園児たちも飛び入りで舞台上に上がり、「トルコ行進曲」のメロディーを大きな声で歌い上げ、貴重な経験を積んだ。一方、午後に行われた昼の部では「中学生のためのクラシックコンサート」と題し、山梨学院中の1・2年生全員と海外語学研 修が終了している3年生の一部や山梨学院小の希望児童が鑑賞。昼の部では、限られた時間で多くの曲目を鑑賞するために、短い編成での演奏が行われた他、曲目の間に白河教授が西洋音楽の歴史やベートーヴェンの生涯、演奏曲の解説などを行った。また、質問コーナーでは楽器の特性や楽器の演奏方法などの質問が挙がり、楽団員は丁寧に質問に答えていた。昼の部の最後には、特別演奏として、山梨学院ジュニアオーケストラがアルテア室内管弦楽団と午前中に練習したトルコ行進曲を合同演奏。生徒らはこのコンサートを通じ、間近で繰り広げられる一流の迫力ある演奏を肌で感じ、クラシック音楽の世界に浸っていた。演奏後には、代表生徒が「本日は素晴らしい演奏をありがとうございました。壮大な音 楽を聴いてとても感動しました。ベートーヴェンの曲は耳にすることが多く知っていましたが、きょうのコンサートでより深く知ることができました。普段は聴く機会が少ないクラシック音楽に興味を持つことができました。また、附属小学校のオーケストラとの合同演奏も素晴らしかったです」とお礼の言葉を伝えた。夜の部では、県内のクラッシック音楽ファンや地域の人々などがベートーヴェンの世界を堪能し、休憩時間には県内産のワインや日本酒、ソフトドリンクを味わい、芸術の秋の贅沢なひとときを過ごした。
文(Y.Y)、カメラ(平川大雪)2014.11.21
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