関東大学ラグビーリーグ戦グループ1部、山梨学院大学の最終戦が11月29日、立正大学を対戦相手に神奈川県相模原ギオンスタジアムで行われた。11年ぶりに関東大学ラグビーリーグ1部に昇格し1年目。山梨学院大学はこれまで過去2回の1部では1勝もできなかったが、今年、念願の初勝利をあげ現在、1勝5敗勝ち点6。8チーム中暫定7位で迎えた最終戦。残留できるか1部2部の入れ替え戦に回るか瀬戸際のこの試合は大事な試合であった。残留は、山学大が勝つか、共に残留争いをしている日大が負けるかにかかっていた。試合は、立正大と激しい雨中での戦いになった。立正大のキックオフで始まった試合は、開始早々1分、立正大が、スクラムから右に展開し、右隅にトライを挙げ先制した。その嫌なムードを跳ねのけたのはわずか3分、立正大のキックボールをCTB大和田政洋がチャージし、そのまま左隅にトライした。その後、落ち着いた試合運びで、前半を12−5で折り返し、後半もフォワードがよく踏ん張り、25−10で勝利し2勝目を挙げた。残留決定は、法政大と日本大の試合結果待ちとなったが、法政大が22−17の接戦で日大を制し、山学大は入れ替え戦ではない、1部の力で勝ち取った悲願の残留を手に入れた。
大学でラグビーをする選手にとって1部リーグで試合をすることは、夢のまた夢、それを目指して日々の苦しい練習に耐えている。今年の関東大学ラグビーリーグ戦1部グループは、昨年の優勝校・流経大のほか、山学大、東海大、大東大、法大、中大、日大、立正大の8校が優勝をかけて総当たりで対戦する。上位6校までが残留し、下位2校が2部リーグ上位2校と入れ替え戦に臨む。山学大はこれまで6戦を戦って1勝5敗勝ち点6で暫定7位。後がないこの日の最終戦、ハーフタイムで、FL大石力也主将(4年 岡谷工業)は「残留をかけて、あと40分を死んでもいいから走り切ろう」と激を飛ばし、後半戦、山学大フィフティーンは、結束を力に主導権を握り優位に試合を支配した。そして、創部以来3回目の挑戦で初めて残留という輝かしい歴史を刻んだ。
平成26年度関東大学リーグ戦グループ1部
山梨学院大学VS立正大学(11/29)神奈川・相模原ギオンスタジアム |
○ 山梨学院大学 25 |
12−前半−5
13−後半−5 |
10 立正大学 ● |
山学大トライ トコオキ2、大和田1、ゴールキック 小川4 |
試合前から降り出した雨は、途中激しい雨になり悪いコンディションのなか進められた。試合開始わずか1分、立正大はスクラムから右に展開し、一気に右隅にトライした。しかし山学大も3分、相手のキックをCTB大和田正洋(4年 常総学院)チャージしそのままトライした。SO小川優真(4年 湘南工科大附)がゴールを決めてすぐに7−5に逆転した。吉田監督は話す「最初とられたのが良い刺激になったんだと思います。そういうもんですね」。その後、雨中の中での試合のため、お互いハイパントが多い試合の展開に、「その分相手が蹴ってきたボールを自分たちのマイボールにしようとした」と大石力也主将は説明する。試合は、一進一退の中、35分、山学大は立正大ゴール前、ラインアウトからそのまま押し切りFLソシセニ・トコキオ(3年 ニュージーランド)がトライして前半を12−5で折り返した。
後半になると山学大ペースのゲーム展開に。ボールの支配率も高くなり、15分、ラインアウトからモールをつくり、そのまま押し切りFLソシセニ・トコキオが右中間にトライ。ゴールも成功して19−5に。さらに24分、38分には立正大のペナルティにペナルティゴールを選択し、SO小川優真が慎重に決めて、25−5と点差を広げた。終了間際に相手にトライを許してしまったが25−10で勝利し、2勝目を挙げた。試合後、FL大石力也主将「自分たちのペースでゲームができたんで後半も安心して自信をもって、前半よりも落ち着いてプレーができた。最後のトライ以外はディフェンスが頑張った」と胸を張った。吉田浩二監督「最後にやってきたことを全部出してきてほしい。何があっても結束を大事にしてもらいたい。相手にことじゃなくて自分たちのプレーをしよう」と選手を送り出したと話した。そして「実はほっとしている」と笑みを見せた。
この日の最終戦は、山梨学院大VS立正大、日本大VS法政大の2試合が行われた。これまでの順位は、法政大学=暫定4位(勝点18)、中央大=暫定5位(勝点15)、日本大=暫定6位(勝点12)、山梨学院大=暫定7位(勝点9)、立正大=暫定8位(勝点6)。今回の山学大の残留の条件は、立正大に勝ち、残留を競う日大が負けた場合が条件になった。この日の結果は、山梨学院大が勝ち、勝ち点を13に伸ばし、日本大VS法政大は、17−22で日本大が負けたため、勝ち点が同じく13に並んだが、山梨学院大が日本大にすでに勝っているため、順位が入れ替わり山梨学院大が6位となり残留が決まった。
残留が決まった後、選手を集めた吉田監督は「山梨学院大の本当の歴史を作った、新たな歴史を作ってくれた。本当に感謝しています。後輩は、この輝かしい結果を継承して、新たな伝統をつくってほしい」と次を見据えた。また、大石力也主将は「5位以内という目標は達成できなかったけれど、本当に悔いはない。後は、今年一歩前に進んだこの一歩を後輩たちは、大学選手権を目指してほしい」と後を託した。
文(K.F)カメラ(平川大雪)2014.11.29
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