男子第65回、女子26回全国高等学校駅伝競走大会が12月21日、京都市の西京極陸上競技場を発着点する男子42.195km、女子21.0975kmで行われた。男子は第65回記念大会のため、都道府県47校に地区代表11校を加えた58校、女子は47校が参加して行われた。女子は昨日の雨があがり、晴れ光がまぶしい10時20分スタート、5区間でレースが争われた。優勝は大阪薫英女学院(大阪)が1時間7分26で初優勝を飾った。6年連続14回目出場の山梨学院高校は、昨年に初入賞、今年は優勝候補の一つとして有力校からマークされ期待されていた。しかし、5区間の選手が掲げた自分の設定にはわずかにかなわず、大阪薫英女学院から約1分差、昨年と同タイム1時間8分21の4位に終わった。昨年の6位から2つ順位を上げ、2年連続の入賞を果たしたが期待された優勝という夢には、今一歩届かなかった。女子に続いて12時30分スタートの男子は、フルマラソンの距離を7区間のコースで競った。昨年度、優勝校の山梨学院高校は、主力の3年生が卒業し、1・2年生中心のチーム。12月に行われた壮行会で山口純平主将が挨拶で「昨年の先輩に比べるとまだまだですが、着実に力をつけてきました。十分全国で戦えます」と決意を述べていたが、昨年度優勝校のプレッシャーか、全体の42位、2時間10分30秒。最大限の力が発揮できぬまま終わってしまった。男子の優勝校は、世羅高校(広島)2時間2分39秒、2位の佐久長聖高校(長野)に2分の大差をつけての圧勝だった。
数日前に雪が降り、昨日はまとまった雨が降った京都地方。天気も心配された21日朝。全国の高校生ランナーが集う、憧れの都大路には冬の日差しが輝いていた。女子のスタートが告げられたのは、10時20分。スタート地点の天気は晴れ。気温10度。湿度62%、南南東の風、1.6m,絶好の駅伝日和。レースは序盤1区で優勝候補の常磐高校(群馬)が大阪薫英女学院(大阪)と残り200mまで競い合い最後は常磐高校が振り切り1位で襷をつなぐ展開。山梨学院は中間地点では5位あたりにつけていたが、結局25秒差の8位でつなぐ粘りを見せた。萩倉史郎監督は「1・2区で上位に3・4である程度勝負を決めようと思った。1区の島田美穂(2年・静岡 富士岡中)は予定のタイムで走っています。2区の高橋のところで順位をあげる」と試合を振り返った。2区で区間2位の快走を見せた高橋真以選手(3年 埼玉坂戸中)は「順位は上げることができたですけど、自分のところで本当になるべく先頭集団でトップとからめるような走りをしたかったけど、それができなかったのが悔しい」と反省した。3区三浦祐美香選手(2年・静岡 長泉北中)、4区榑林万由子選手(3年・静岡 富士岡中)がスピード区間で区間4位と粘りの走りで順位を4位に押し上げ、最終5区の畠山実弓選手(3年・山梨 若草中)に追い上げを託した。「常磐高校が前にいたので、追いかけて少しでも1位争いの列に追いつこうと走ったんですけど、中盤で常磐に並んだけど、その後に抜き返されてしまった。3位と4位とでは違いが大きいのでそこは悔しい」と残念がった。しかし萩原監督は「今日の5人は十分力を出してくれた。ちょっと間違えれば8位入賞も分からないですから、この混戦の中よく粘ってくれました」と選手たちをねぎらった。自己管理を徹底させる指導法で粘りの強い選手を育て挙げてきた山梨学院が次に目標にするのは優勝の2文字しかない。
◇山梨学院高校女子成績◇ |
区間 |
距離 |
ランナー |
区間タイム |
区間 |
合計時間 |
総合順位 |
1区 |
6km |
島田美穂(2年) |
19:37 |
8位 |
19:31 |
8位 |
2区 |
約4km |
高橋真以(3年) |
12:06 |
2位 |
32:43 |
5位 |
3区 |
3km |
三浦祐美香(2年) |
9:48 |
4位 |
42:31 |
4位 |
4区 |
3km |
榑林万由子(3年) |
9:30 |
4位 |
52:01 |
4位 |
5区 |
3km |
畠山実弓(3年) |
16:20 |
10位 |
1:08:21 |
4位 |
◇1位 薫英女学院(大阪) 2位 立命館宇治(京都) 3位 常磐(群馬) 4位
山梨学院(山梨) 5位 青森山田(青森) 6位 豊川(愛知) 7位 西京(山口)
8位 神村学園(鹿児島)
山梨県代表の山梨学院高校男子は、4年連続14回目の出場。昨年の都大路を制した優勝タイムは2時間3分53秒。それに比する今年の関東高校駅伝大会の記録は、2時間9分6秒。
5分余りの差。昨年優勝時の力のある3年生が卒業。それからは現在の3年生2人が引っ張る1・2年生中心の若いチームとして新たなチーム作りが行われてきた。県予選では、全員区間1位の記録を残してきた。山梨では通用するものが全国では歯が立たない。この差が物語るものが今回の都大路参加58校中の42位、ゴールタイム2時間10分30秒という結果に表れてしまった。レース後には、二反田眞示監督は「これからの伝統を作ることをこの1年間やってきした。この先いろいろな経験を踏まさせて、来年度に向けて、気持ちも新たに今までの反省もふまえて頑張っていく」と決意を新たにした。新しい収穫もあった。1区、各学校のエースが集まるこの区間で山梨学院の1年生が居並ぶ強豪の中で区間24位と快走を見せた。飯島圭吾選手(1年・埼玉 宮原中)「目標も個人としても30分、30位(区間記録30分24秒、24位)切りという目標していたので、25秒くらいで行けたので来年につながるレースになったと思います」と手ごたえを口にした。また、全体のレースについて「今にチームには昨年走った先輩もいるし、ある程度ならできるだろうという甘い気持ちもあって実際、今日走ってみて全国でボロボロにやられて、来年はこんなみじめな思いはしたくないので自分たちももっと底上げして昨年の先輩たちみたいに輝けるように戻ってきたい」と1年生ながら明るい光を感じさせた。新生チームに期待する。
◇ 1位 世羅(広島) 2位 佐久長聖(長野) 3位 埼玉栄(埼玉) 4位 秋田
(秋田) 5位 小林(宮崎) 6位 市立船橋(南関東) 7位 学法石川(福島) 8位 愛知(愛知)
文(K.F)カメラ(平川大雪・藤原稔・今村佳正・小池裕太)(Y・Y)
| アルバム女子1 | アルバム女子2 | アルバム男子1 | アルバム男子2 |
全国高校駅伝・山梨学院高校応援団
〜師走の都大路に熱い声援がこだま〜 |
山梨学院高校駅伝部の活躍を応援の力で鼓舞すべく、生徒会、吹奏楽部、チアリーダー部、応援団、PTA役員などおよそ150人が山梨から駆けつけた。山梨を前日20日にバスで出発し、京都に1泊しこの日の応援に備えた。昨年の全国高校駅伝では、男子駅伝部が初優勝を果たし、その原動力の一つに応援の力があった。昨年のアンカー・西山令選手は、応援団の大声援を受け、史上初となる競技場内での4校のトラック勝負を制し、県勢初となる快挙を達成。その興奮や熱狂を味わった生徒も2・3年に進級し、自然と応援には力が入った。スタート・ゴール地点となる京都市・西京極陸上競技場には、吹奏楽部、チアリーダー部、応援団などおよそ100人が競技場バックスタンドに陣取った。京都市内は前日に雨が降ったものの、この日は朝から青空が広がり太陽も顔を除き、競技場にも日差しが差し込んでいた。昨年に比べ、温かさを感じることができたが、時折強風が吹き荒れ、底冷えする寒さもあり、寒暖の差が選手や応援団を苦しめた。応援団は競技場から各区間へ向かう選手たちや競技場からスタートし、京都市街へ出る選手たちを熱のこもった応援で送り出した。また、男女のアンカー選手が競技場内に入るとさらに力のこもった応援を行い、ゴール後は全選手を称え、惜しみない拍手を送った。常に笑顔で声援を送り続けたチアリーダー部の向山稔里部長は「応援前に寒い中だけど、笑顔で大きい声で全力で応援しようと部員同士で話をしました。女子が去年よりも良い記録で凄い嬉しかったです。選手の頑張りを見ることができて感動しました。サッカーの全国応援でも笑顔で声を出して選手の気持ちがあがるような応援をしていきたいと思います」と語った。また、吹奏楽部の演奏を指揮した学指揮の渡邉僚太副部長は「選手たちが僕たちの演奏を聞いて元気が出て、良い記録が出せるように応援しました。部員たちはまだ楽譜に目がいきがちなので、もう少し前を向いて良い音が出せれば良いと思いました。チアとの連携不足も若干あったので、サッカーに向けてしっかりとした演奏で応援ができるようにしていきたいです」と話した。時折寒風が吹き荒れる中、襷掛けの袴姿で応援した応援団の田中里奈団長は「2回目の駅伝応援ですが、選手たちの頑張りに応えられるよう一生懸命応援しました。女子は良い記録が出て、みんな楽しんで応援ができていたので良かったです。またすぐにサッカーの全国応援があるので、全校生徒の気持ちをひとつにできるよう、応援を盛り上げていきたいです」と語り、同じく袴姿で応援した眞田帆風副団長は「同級生が多く出場していたので、応援にはより力が入りました。応援も去年よりまとまりが出てきたので良かったです。サッカーはきょうより人数が多い全校応援になるので、全校生徒をまとめあげられるような応援団になりたいと思います」と語った。
閉会式前には選手たちが応援スタンドを訪れ、結果報告会が行われた。この大会を主催する毎日新聞の清水隆明甲府支局長が「男子女子ともに素晴らしい走りだったと思います。私はスタンドで応援を拝見しましたが、生徒が一体となった応援、大変素晴らしかったです。来年もまた都大路に戻ってきて活躍できることを願っております。お疲れ様でした」と挨拶した他、監督や選手代表から応援に対するお礼が述べられた。学校を代表し川手佳彦統括顧問が「今年は女子が4位と躍進しました。昨年は6位で先が見え、今年の結果は、優勝が目の前に見えてきたと言えると思います。駅伝は、伝統を作り上げて、一段一段上がって優勝を掴み取るものだと思います。男子については、今年から新たな出発となり努力を重ねてきました。男子もさらに精進して歴史を一歩一歩また作っていって欲しいと思います。選手は生徒諸君の応援や保護者会、PTA役員など多くの皆様の応援を力に走ることができました。感謝申し上げます」と述べ、大会を総括した。
文・カメラ(Y.Y)2014.12.21
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