山梨学院パブリシティセンター
全国高校サッカー選手権 2回戦
〜攻めて攻めて攻めたが得点ならずPK戦に突入〜
〜守護神古屋俊樹が絶望の淵で起死回生のセーブ〜

「第93回全国高校サッカー選手権大会」は2回戦に突入した。大晦日に滝川二高を1−0で下した山梨学院高校は、正月2日、岐阜工業高と開会式の舞台となった東京・駒沢陸上競技場で対戦した。この日の山梨学院は硬かった初戦と違い、攻め達磨となって攻めに攻めた。岐阜工のシュートをわずか2本に抑え、前後半あわせて13本のシュートを次々に放ったがゴールネットを揺らせず0−0でPK戦に突入した。先行の山梨学院は3人目と4人目が連続して外し、決められたら終わりの絶望の淵に立たされたが、ここで帰ってきた守護神古屋俊樹が起死回生のナイスセーブ、サドンデスに持ち込み、最後は相手の9番目の選手のシュートが外れ、PK戦7−6で勝利、ベスト16に進出した。


両チームのファーストジャージはともにブルー。この日の山学イレブンは、脇にワインレッドのスクールカラーが入った上下グレーのセカンドジャージで快晴無風のピッチに立った。第1試合がPK戦までもつれたため、応援席の入れ替えが遅れ、バス23台で駆けつけた全校応援団がまだ座り切れていない状態で試合は午後2時10分に慌しく始まった。

第93回全国高校サッカー選手権 2回戦
≪山梨学院高vs岐阜工高≫(1/2) 於 東京・駒沢陸上競技場

○ 山梨学院高 0

前半 0−0
後半 0−0
PK 7−6

0 岐阜工高 ●

2戦目の山梨学院は落ち着いてプレーした。序盤こそ、相手と単調にボールを蹴りあったが、15分過ぎからは自分たちの形で攻めあがった。初戦は後半途中から出場しチームの勝利に貢献した池添勘太郎がこの日は先発出場、前半18分に絶妙のクロスをゴール前に上げたのを皮切りに山学イレブンは全員が素早い攻撃と素早い守備で岐阜工を圧倒した。時折カウンター攻撃を許したものの、DFの渡辺剛・大野佑哉・山中登士郎らが落ち着いて防ぎ、相手に組織的な形を作らせなかった、守備陣は岐阜工のシュートを前半1本、後半1本の2本だけに抑えた。攻撃陣は原拓人を基点に宇佐美佑樹・大場祐樹・後半途中出場の伊藤大祐らが前後半あわせて13本のシュートを放ったが一度もゴールネットを揺ら せず0−0でPK戦に突入した。先行は山梨学院で3人目と4人目が連続して外し、決められたら終わる絶体絶命の大ピンチに立たされたが、ここで出場停止処分から帰ってきた守護神古屋俊樹が起死回生のナイスセーブ、サドンデスに持ち込み、最後は相手の9番目の選手のシュートが外れ、PK戦7−6で勝利した。

山学高応援団は、この日も受験生を除く全校生徒がバス23台に分乗して応援スタンドに駆けつけ大声援を送った。ハーフタイムには、ベンチに入れなかったサッカー部員7人が最前列で妖怪ウォッチの「妖怪体操」をして応援スタンドを大いに盛り上げた。妖怪に扮した一人渥美大地選手は「こういうことをやって応援から盛り上げて行こうと演じました。ピッチとスタンドが一体になって絶対勝ちます」とフィールドを見つめた。そして、PK戦、スタンドの女子生徒は相手PKの度に「俊樹〜、止めて〜、俊樹〜」と絶叫した。勝利の瞬間、応援席に向って走りこんできた選手たちを多くの生徒が涙を流しながら迎えた。田中里奈応援団長は「PK戦に入ったときは、みんなが選手と一心同体になってみんなで声を届けました。思いが通じたと思います、良かった〜、明日も全力で応援します」と声を弾ませた。

ナイスセーブのGK古屋俊樹選手は「自分の中では練習はめちゃくちゃしていると思っていて、止める自信はありました。不利になった時に、ここが自分の出番だ、絶対止めてやるという気持ちで挑みました」と修羅場の場面を振り返った。ディフェンスで貢献した渡辺剛選手は「点が取れなくても守備がしっかりしていれば勝てる、俊樹が絶対守ってくれると思っていました。明日はプリンスリーグで1勝1敗の相手で、きれいにつないでくるサッカーをやってくると思います、自分たちは泥臭く気合の入ったプレーで対抗します」と語った。山中登士郎主将は「初戦の滝二戦に続いて点が取れなくて、運が良かったとしか言いようがない試合でした。このままだと勝てないと思うのでしっかり反省して明日の試合に臨みたい」と気持ちを前橋育英戦に向けた。吉永一明監督は「前半も後半も決定機は作れましたがゴールにはいたらなかった。PK戦勝利は運があったなというところです、首の皮一枚のところで、彼らが頑張ってきたことがこういう運につながったのかなと思います。GKの古屋は誰よりも練習した選手、勝利に持っていったのは彼の努力の積み重ね」と取り囲んだ記者団に語った。

3回戦は3日で連戦となる。山梨学院高は2日と同じ駒沢陸上競技場14時10分試合開始で群馬代表・2年ぶり18回目出場の前橋育英高と対戦する。プリンスリーグ関東でいつも闘っている相手、お互いに手の内を知っている同士の対戦となる。山学イレブンは、格好よくではなく、泥臭く、気合の入ったプレーで勝利する。

「文(M.I)カメラ(平川大雪・M.T)2015.1.2
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