山梨学院パブリシティセンター
第十六回酒折連歌賞 受賞者決定
〜大賞(文部科学大臣賞)に宮城の渋谷史恵さん〜
〜受賞作「横顔の子規がくるりと正面を向く」〜

酒折連歌賞実行委員会(川手千興実行委員長)は2月1日、第十六回酒折連歌賞一般部門の大賞(文部科学大臣賞)・山梨県知事賞・山梨県教育委員会教育長賞・甲府市長賞の4句とアルテア賞部門の大賞(文部科学大臣賞)1句など、受賞作100選を発表した。大賞は、宮城県多賀城市在住の渋谷史恵さん(47歳)の句に贈られた。問いの片歌「しおりする文庫本には永遠がある」の問いかけに、渋谷さんは「横顔の子規がくるりと正面を向く」と答えの片歌を返した。選考委員の今野寿美さんは「俳句・短歌の革新に先鞭をつけた正岡子規の肖像を、わずか五七七のなかでこっち向きにさせた手腕は見事な機転」と高く評価した。今年度の大会応募句数は28,703句、例年同様たくさんの答えの片歌が寄せられた。表彰式は2月20日に山梨学院広報スタジオで行われる。


【一般部門】大賞・文部科学大臣賞
(問いの片歌3、しおりする文庫本には永遠がある)
横顔の子規がくるりと正面を向く  渋谷史恵(宮城県多賀城市 47歳 女性)
 
【一般部門】山梨県知事賞
(問いの片歌4、みそ汁にご飯にそえてこの皿二枚)
私にはビタミンと鉄愛が足りない  三枝 新(山梨県立中央高4年 18歳 男性)    
 
【一般部門】山梨県教育委員会教育長賞
(問いの片歌3、しおりする文庫本には永遠がある)
白球が雲に重なる瞬間がある    山本高聖(山梨県立甲府東高2年 17歳 男性)
 
【一般部門】甲府市長賞
(問いの片歌1、栃の実をつぶてのように握りたるまま)
秋空は静かな指を知っているから  永澤優岸(神奈川県川崎市 32歳 女性) 
 
【アルテア賞部門】大賞・文部科学大臣賞
(問いの片歌3、しおりする文庫本には永遠がある)
終わりゆく本のページとはじまるわたし 安藤智貴(山梨県立吉田高2年 17歳 男性) 
 
酒折連歌賞は、5・7・7の問いの片歌に対して、答えの片歌を5・7・7で返す歌遊び。倭建命(日本書紀では日本武尊)ゆかりの連歌発祥地甲府市酒折宮にちなみ1998年に創設され、今年度で第十六回を数える。一般部門の大賞(文部科学大臣賞)・山梨県知事賞・山梨県教育委員会教育長賞・甲府市長賞に加えて、高校生以下を対象に将来楽しみな才能を見出すことを目的に特別賞としてアルテア賞部門が設けられている。今年度からアルテア賞の大賞にも、文部科学大臣賞が贈られることになった。上位5句に加えて、入選(10句)、優秀賞(12句)、優良賞(54句)、アルテア賞佳作(19句)の合計100選が選出された。

今年度の応募句数は28,703句(男性13,725句、女性14,964句、不明14句)で例年同様に2万8千句を超える多数の応募句数となった。最年少応募者は8歳(山梨県の女子)、最高齢応募者は92歳(神奈川県の男性)だった。全国の中学・高校で授業の一環に活用され、学校ごとの団体応募が他の文学賞と比べると圧倒的に多く、今年度は応募句の実に73%が10代で占められた。都道府県別では地元の山梨県が最も多く17,206句、次いで東京都の2,344句、埼玉県、神奈川県、愛知県、兵庫県、静岡県、千葉県、大阪府、福岡県がベスト10都府県となった。また、海外からも香港日本人学校などから19句が寄せられた。受賞者の表彰式は2月20日に山梨学院広報スタジオで行われる。

文(M.T)2015.2.1
100選の詳細及び選評は酒折連歌賞HP

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