世界水泳選手権・ユニバーシアード代表選手選考会を兼ねた第91回日本選手権水泳競技大会競泳競技は4月9日、東京・辰巳国際水泳場で3日目のレースが行われた。6日間の日程の中盤、連日注目の選手たちも登場。スイマーたちの熱い戦いが繰り広げられている。この日は、男子200m自由形・女子100m背泳ぎ・女子100m平泳ぎ決勝、男女50m自由形、男女200m個人メドレー、男子200mバタフライ、男子50m平泳ぎ・背泳ぎが行われた。このうち山梨学院勢の江原、竹迫、酒井の3人は2日連続で決勝レースに進出。男子200m自由形の江原騎士は、萩野公介などのトップスイマーに果敢に挑み、5位となった。女子100m背泳ぎの竹迫麻澄は、3位と100分の2秒のタッチの差で悔しい4位。
期待された表彰台には届かなかった。酒井志穂(カレッジスポーツセンタ研究員 ミキハウス山梨)は6位となった。女子50m自由形に出場した本間あかり(4年 山形・羽黒高)は27位。女子200m個人メドレーに出場した新人山田千尋(1年 愛知・豊川高)は35位に終わった。
大会初日、2日目。4月の冷たい雨に会場周辺の満開の桜は花びらを震わせ、はらはらと散りだした。3日目にようやく晴れ間が顔を出し、散り際の美しく静かなたたずまいを見せる風情とは裏腹に、水泳の聖地・辰巳国際水泳場ではスイマーたちが激闘を繰り広げていた。午前中の予選は、山梨学院勢で最初に登場したのは女子50m自由形の本間あかり選手(4年 山形・羽黒高)。自己ベスト更新を目指し力泳したが決勝に進めず27位。また、女子200m個人メドレーには新大学生・山田千尋選手(1年 愛知・豊川高)が出場。中学校時代には全国中学校水泳競技大会において女子400m個人メドレーで優勝した実績を持つ期待の新星。しかし、大学生初めての大会の気負いからか、自己べストにはほど遠くおよばず35位で決勝には進めなかった。
前日に続き2日連続の決勝レースに進んだのは、江原騎士・竹迫麻澄・酒井志穂選手の3人。このうち山梨学院勢最初の決勝レース、男子200m自由形は、江原騎士選手(4年 山梨学院大附属高)。最近めきめき頭角を現し、山梨学院を代表する選手はいまや日本を代表するトップスイマーに変貌した。決勝レースは日本水泳界を担う萩野公介・瀬戸大也選手に果敢に挑み、400m自由形に続き表彰台を狙った。前半100mまで、いつもと同様の積極的な泳ぎで、3位で折り返すと。江原騎士選手は「ラスト粘り切れなくて、前半は隣の瀬戸大也と同じぐらいだったので、ここで競り勝てば代表に行けるなと思ったのですけど、負けましたね。しっかり準備してきたわりに、最近そういう思いばっかりで悔しいですね」と決勝5位の結果を残念がった。しかし、ひとつ上の高みが見えてきた。前日の女子100m背泳ぎ準決勝3位で決勝へ進んだ竹迫麻澄選手(4年 中京大附属高)は、表彰台への期待が大きかった。後半粘って1分0秒台になれば代表に近づくと語っていた竹迫麻澄選手はレース後「前半も後半も予定していたよりも良くないです。落ち着こうと思い、前半落ち着き過ぎてしまったという部分もあります。前半の勢いと後半の粘りという当たり前のことをバランスよくしていくのが課題です」と反省を口にした。準決勝よりタイムを落としたレースは3位と僅か100分の2というタッチの差で昨年と同じ悔しい4位となった。同じ100m背泳ぎ決勝を泳いだ酒井志穂選手(カレッジスポーツセンター研究員 ミキハウス山梨)は今回の優勝タイム1分00秒83を上回る59秒14のベストタイムを持つ実力者だが、6位となった。酒井志穂選手は「間違いなく力はついてきていると思いますが、やはりこういう本番の場で結果を出さなくては意味がありませんし、ここに合わせることができなかったということも自分の弱さの一つだと思います」と謙虚に語った。
≪3日目のレース結果≫
山梨学院勢 3日目の成績 |
名前 |
学年 |
種目 |
記録 |
備考 |
江原 騎士 |
4年 |
男子200m自由形 |
1分48秒81 |
5位 |
竹迫 麻澄 |
4年 |
女子100m背泳ぎ |
1分01秒59 |
4位 |
酒井 志穂 |
研究員 |
|
1分01秒74 |
6位 |
本間あかり |
4年 |
女子50m自由形 |
26秒77 |
27位 |
山田 千尋 |
1年 |
女子200m個人メドレー |
2分20秒81 |
35位 |
明日4日目のレースは、女子200mバタフライ、男子200m背泳ぎ、男子200m平泳ぎの各予選・準決勝、女子800m自由形予選。男女200m個人メドレー、男女50m自由形決勝、男子200mバタフライ決勝が行われ、山梨学院からは、男子200m背泳ぎ予選に平澤一洋(4年 埼玉・武南高)、女子800m自由形に松浦由佳(3年 福井・北陵高)の2人が出場する。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2015.4.9
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