世界水泳選手権・ユニバーシアード代表選手選考会を兼ねた第91回日本選手権水泳競技大会競泳競技は4月11日、東京・辰巳国際水泳場で5日目のレースが行われた。大会もいよいよ終盤、連日世界水泳選手権代表を巡り激闘が繰り広げられている。山梨学院勢は、総勢12人が出場して自分自身とライバルとの戦いに全身全霊の力を傾けていた。午前には、女子100m自由形、女子200m背泳ぎ、女子200m平泳ぎ、男子1500m自由形の予選が行われ、このうち男子1500m自由形の江原騎士が6位で明日のタイム決勝に、女子200m背泳ぎの山下安輝(4年 山口・豊浦高)、酒井志穂(カレッジスポーツセンター研究員 ミキハウス山梨)、100mバタフライの小野川旭(3年 埼玉・正智深谷高)は夕方からの準決勝に進出、山下安輝が8位でぎりぎり明日の決勝進出を果たしたが、酒井志穂は9位、小野川旭は16位で決勝には進めなかった。女子100m平泳ぎで涙の準決勝敗退の鈴木聡美(カレッジスポーツセンター研究員 ミキハウス山梨)は、200mでも100mのショックを引きずり精彩を欠き、準決勝進出はならかった。また、前日に行われた女子800m自由形予選を6位で突破し、上位入賞も期待された松浦由佳(3年 福井・北陸高)は、タイム決勝の結果7位に終わった。
今回の大会では、女子背泳ぎ陣が奮闘した。50、100mで竹迫麻澄、酒井志穂が入賞を果たし、200mでは山下安輝(4年 山口・豊浦高)が準決勝8位で最終日の決勝に臨む。100mでは入賞を逃したが、200mでユニバーシアード代表を目標に取り組んできた、持ち味の後半型の力が発揮できれば上位も期待される。山下安輝選手は「タイムにはぜんぜん満足していません。最近、最後の50mが少し失速してしまうので、それも前半の硬さにつながっていると思うので、決勝ではもっと冷静に私の良いところが出せるようにベスト(2分11秒66)より上を狙っていきます」と力を込めた。男子1500mの江原騎士(4年 山梨学院大附属高)は、予選を6位で突破し、翌日のタイム決勝に進出した。短距離から長距離までオールラウンドにこなす驚異の肉体に感嘆するが、それは日頃からのトレーニングや調整能力、自己管理によるもの。先日、1500mへの思いを「かなり1500mに向けて練習してきたので、練習で頑張ったことが出来たら予選、決勝なんて軽くいける」と自信を語った。前日、女子800m自由形予選を6位通過した松浦由佳選手(3年 福井・北陸高)は、バタフライ種目から長距離の自由形に転向したのは大学入学後、神田監督のもと、めきめき力を付けてきた。タイム決勝では8位で終わったが、松浦由佳選手は「まだまだ、自分の力が足りないなと思いました。予選より3秒ほどタイムを落としたのが自分の力不足だと思います。スピードの強化と後は心と身体と技術の3つを磨いていきたい」と反省と課題を挙げた。
この大会予想だにしなかった鈴木聡美の不調は周囲を驚愕させた。50mでは2位でタイムも悪くなかったが100mの9位、200mでは予選17位といつもと違った。鈴木聡美選手はレース後「足りないものだらけ。100・200mの伸びのあるスピード、後半の持久力、余裕のある心、足りないものだらけ。もう一度基本的な身体作りから、自分に自信を取り戻す充実した一年にしたい」と語った。輝きある鈴木選手の復活を待ちたい。
他の山梨学院勢は、男子100mバタフライの小野川旭(3年 埼玉・正智深谷高)は、準決勝に進み16位だった。日本選手権初出場の小野川選手は、自己新・県新・山学新を記録した。女子100m自由形の本間あかり(4年 山形・羽黒高)は32位、女子200m平泳ぎの新大学生・奥田百香(1年 愛知・小牧高)は34位、男子1500m自由形の木村雅人(4年 宮城・東北高)は11位、久野正裕(4年 静岡・飛龍高)は27位。
前日4日目の男子200m背泳ぎには平澤一洋(4年 埼玉・武南高)が出場。ベストタイムを更新し14位で準決勝に進出したが、15位に終わり決勝には進めなかった。
≪5日目レース結果≫
山梨学院勢 5日目の成績 |
名前 |
学年 |
種目 |
記録 |
備考 |
本間 あかり |
4年 |
女子100m自由形 |
57秒90 |
32位 |
竹迫 麻澄 |
4年 |
女子200m背泳ぎ |
2分17秒33 |
23位 |
酒井 志穂 |
研究員 |
2分12秒89 |
9位 |
山下 安輝 |
4年 |
2分12秒58 |
8位決勝へ |
小野川 旭 |
3年 |
男子100mバタフライ |
53秒81 |
16位(自己新) |
奥田 百香 |
1年 |
女子200m平泳ぎ |
2分36秒76 |
34位 |
鈴木 聡美 |
研究員 |
2分31秒14 |
17位 |
木村 雅人 |
4年 |
男子1500m自由形 |
15分33秒71 |
11位(自己新) |
久野 正裕 |
4年 |
15分58秒36 |
27位 |
江原 騎士 |
4年 |
15分24秒21 |
6位決勝へ |
松浦 由佳 |
3年 |
女子800m個人メドレー |
8分50秒89 |
7位入賞 |
|
山梨学院勢 4日目の成績 |
松浦 由佳 |
3年 |
女子800m個人メドレー |
8分47秒07 |
6位決勝へ |
平澤 一洋 |
4年 |
男子200m背泳ぎ |
2分02秒26 |
15位(自己新) |
12日の最終日は、江原騎士が出場する男子1500m自由形決勝、山下安輝出場の女子200m背泳ぎ決勝、男女400m個人メドレーには、新大学生の西山雄介、山田千尋が出場する。他に男女100m自由形などが行われる。男女各17種目の全ての競技が終わる。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2015.4.11
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