山梨学院生涯学習センターは、4月22日、「やまなし学研究2015」第1回講座を開講した。やまなし学研究は、前期コースと9月開講の後期コースに分け、テーマに関心があり、積極的に参加する条件で受講者を募った。今年度の前期コースは、山梨から古くから伝わる風習や気質などについて考える「山梨の風土と民族」、後期コースは、外国人観光客が増え、さらに観光地として注目される山梨県の観光について考える「観光立県の行方2015」が予定されている。今回は、講義方式は全講座を一人の講師がテーマについて解説するスタイルで行われ、深くテーマを掘り下げた講座を展開する。第1回目は、都留文科大学非常勤講師で山梨郷土研究会会員の杉本仁氏が「柳田國男の見た甲州ー中世が生きる山梨ー」と題したテーマで講師を勤めた。講義後半コーディネーターを勤めた椎名慎太郎山梨学院大学名誉教授が参加者に意見を求め、質疑応答が行われた。
山梨学院生涯学習センターでは、年間を通じてさまざまな講座が開催されており、地域に根ざした学習、研究が行われている。「やまなし学研究」は、山梨の文化・社会・風土など多様な観点から課題や今後の可能性を検討する講座。講座は、本学学生が総合基礎教育課目として履修することが可能で、一般社会人と同じ講義室でともに学ぶユニークな地域学研究。4月からの前期コースと9月からの後期コースに分け、ともに受講生を募集する形で行われる。今年度の前期コースは、「山梨の風土と民族」がテーマで4月22日から7月22日まで7回講座で行われ、クリスタルタワー6階生涯学習センター講義室が会場。開講にあたって、永井健夫生涯学習センター長は「従来、何人かの講師の方に講義をしていただいた形を取っていましたが、今回前期コースは一人の講師にテーマを深く掘り下げた講義を展開していただきます」と挨拶した。講師は全7回、都留文科大学非常勤講師・山梨郷土研究会会員の杉本仁氏があたる。第1回目は「柳田國男が見た甲州ー中世が生きる山梨ー」のテーマで行われた。前半では、杉本仁氏がテーマの解説を行い「自分が住んでいるところはどんな風土・気質なのか」を学習の目的に、「地名からある程度、現在自分が住んでいる場所の過去の状況が推測できる」「日常生活のあり方(民間伝承・民族資料)などを歴史資料としたのが民俗学」などと柳田國男の切り開いた民俗学の要旨と山梨との関わりを解説した。講義室を埋めた一般参加者や10人ほどの本学学生は興味深く話に耳を傾けていた。講義後半では椎名慎太郎山梨学院大学名誉教授がコーディネーターとなり、参加者との質疑応答がなされた。講義を聴いた女性は「5年ほど『やまなし学』の講座に参加しています。自分でも少し郷土研究をやっているので、今回の郷土の昔と今が分かる講座は興味がありました。若い人はより興味が沸いたと思います」と話した。また、講義に参加した本学・法学部2年の松木亮介さんは「初めて参加しました。僕自身山梨が好きなので、少し難しかったですがもっと地域学を学んでひとつでも知識になれたらいいなと思っています」と今後の講義に期待した。
《前期コース:山梨の風土と民族》
講師:杉本 仁(都留文科大学非常勤講師/山梨郷土研究会会員)
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日程 |
テーマ |
第1回 |
4月22日 |
柳田國男の見た甲州 ー中世が生きる山梨ー |
第2回 |
5月13日 |
甲州の風土と気質 ー漱石や天民などが見た山梨ー |
第3回 |
5月27日 |
祭礼(年中行事)に残る甲州 ー山梨の道祖神祭りー |
第4回 |
6月10日 |
無尽の文化と相互扶助 ー山梨県人の仲間づくりー |
第5回 |
6月24日 |
人生儀礼と母子愛育会 ー山梨女性の社会進出ー |
第6回 |
7月 8日 |
同族団と親分子分 ー山梨県人の人づくり選挙ー |
第7回 |
7月22日 |
甲州選挙VS津軽選挙 ー山梨県内の首長・議員になるためー |
※いずれも水曜日
9月からの後期コース「観光立県の行方2015」のお申し込みについては、9月1日から電話かWEBで受付の予定になっている。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2015.4.22
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