地域経済発展の原動力を求めて
~本学・経営学研究センターがシンポジウム開催~
~須賀等iCLA副学部長(就任予定)が基調講演~

山梨学院経営学研究センターは、産学官連携を通じた経営教育及び研究の促進を目的に2年前に発足した。地域産業界との深い交流を通じ、「産学官連携」「先端的・実戦的な研究」「知の蓄積の共有・移転」「地域活性化」などをキーワードに活動している。シンポジウムの冒頭、杉村聡経営学研究センター長が挨拶で「大学が一般的に認識されている使命は教育、研究ですが経営学研究センターは、教育が優先される中で研究性に力を入れた組織で、その中で大学には良い先生がいることを地域の人たちと一緒に共有したいという思いから始めたものです」と経営学研究センターの発足の趣旨を話した。
シンポジウムは山梨学院大学国際リベラルアーツ部(iCLA)副学部長(来年度就任予定)の須賀等氏が基調講演した。須賀等氏は、早稲田大学卒業後、大手総合商社・三井物産に入社、在職中に米国ハーバード大学に留学、経営学修士(MBA)を取得。以後投資会社、民間企業の要職、秋田県の国際教養大学客員教授などいくつもの要職を経て、現在に至る。基調講演の中で須賀等氏は「Tully's Coffee Japanの創業から現在まで そしてbeyond―」と題し、総合商社時代に手がけた、若きアントレプレナー(起業家)との出会いから投資にまつわる話をし、「人がやらないことに情熱をもって取り組むアントレプレナー(起業家)にとって、最も必要な資質は人間性」と投資に関わった経験を解説した。また、本学の国際リベラルアーツ部開設に携わったことに関連して、「多くの外国人留学生は日本の文化・産業に興味・関心があり、日本のことを皆さんが思っている以上に知っている。本学に来た、彼らとの交流から山梨の新しい発見が絶対にある。外国人留学生の感性を取り入れたベンチャーが面白い」と地域経済の一つの方向性を挙げた。いくつものベンチャー企業を上場させた先見性に富んだ話に参加者はメモを取り、熱心に耳を傾けていた。
パネルディスカッションでは、野村千佳子経営学研究センター研究員の進行で東秀忠経営学研究センター副センター長、数住伸一研究員、張華(ちょう か)研究員、立石貴子研究員、林有珍(いむ ゆじん)研究員の4人が「地域経済発展のためのキーワード」をテーマに専門的立場から“企業のマーケティング”、“観光産業”、“企業誘致と撤退”、“雇用形態”など地域での現状や課題を発表、その後、パネラーと参加者の活発な意見交換がなされた。
次回のWORKSHOP2015は7月18日(土)に立石貴子経営学研究センター研究員(現代ビジネス学部准教授)による「外資系ホテルの人材育成プログラム」が予定されている。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2015.5.16