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酒折連歌講座2015

~川手委員長が色彩を意識した色立を解説~
~作歌や鑑賞を通じ、酒折連歌の魅力に触れる~

山梨学院生涯学習センターは5月21日、酒折連歌講座2015を開講させた。この講座は山梨学院大学と酒折連歌賞実行委員会が主催する「酒折連歌賞」の創設10周年を記念して始まり、今年で8年目を迎える。今年度も全3回の講座が企画され、第1回となる21日は、酒折連歌賞実行委員会の川手千興委員長が「酒折連歌 -創る喜び 味わう楽しさ-」と題し講座を行った。会場となった生涯学習センター講義室には、酒折連歌や短詩型文学などに興味がある市民約90人が詰め掛け、川手委員長の話に耳を傾けた。川手委員長は色彩を意識した付合の一方法である“色立”をテーマに創作のポイントや鑑賞する上での着目点などを和歌や俳句、過去の酒折連歌賞入賞作品を参考に解説。受講者は川手委員長の的確な解説に熱心にメモを取りながら聞き入っていた。また、実作演習も行われ、受講者は “五七七”の音数を指折り数えながら作歌に取り組み、酒折連歌の魅力や奥深さを感じ取っていた。

酒折連歌講座は、山梨学院大と酒折連歌賞実行委員会が主催する「酒折連歌賞」が創設10周年を迎えた2008年に記念事業として実施され、その後も山梨県内への「酒折連歌」の普及・啓発、文学の振興、文化の創造に寄与するため毎年開講している。今年で8年目を迎え、今年度も講座は全3回予定され、第1回目となった5月21日は、酒折連歌賞実行委員会の川手千興委員長が講師を務め、酒折連歌や短詩型文学などに興味がある約90人の市民が会場に詰めかけた。
 
講座に先立ち、酒折連歌賞実行委員会の廣瀬孝嘉副委員長がコーディネーターとして講師紹介や講座の流れを説明。講座は、「酒折連歌 -創る喜び 味わう楽しさ-」と題し進められ、川手千興実行委員長は色彩を意識した付合の一方法である“色立”をテーマに創作のポイントや鑑賞する上での着目点などを和歌や俳句、過去の酒折連歌賞入賞作品を参考に解説。色立は前句に対し、色彩の照応によって仕立てられる付け方であり、色彩イメージを生んだり、趣を添えるなど表現世界を広げたりする効果が期待できるとされている。受講者は川手委員長の的確な解説に熱心にメモを取りながら聞き入っていた。また、実作演習では、実際に受講者が提示された問いの片歌に答えの片歌を作る創作活動も行われ、受講者は川手委員長の説明を思い出しながら“五七七”の音数を指折り数えながら作歌に取り組んでいた。この日創作した問いの片歌には、川手委員長がコメントをつけ、2回目の講座の際に受講者に返却される。この他、味わう楽しさとして過去の酒折連歌賞の入賞作品を鑑賞し、川手委員長は各句のポイントとなる表現やフレーズについて解説を加え、受講者は酒折連歌の魅力や奥深さを感じ取っていた。結びとして川手委員長は「言葉は日常生活のみならず文学作品においても凄い力を持ったものであり、我々の近寄りがたい面も持ち合わせています。大事なことは語彙を豊かにすることであり、それを自分自身の中に蓄積し、それを出して表現するということが求められます。答えの片歌を作る際には、自分だけが持っている感性というものが必ずありますので、他の人には作れない自分だけの世界を作ってみてください」と受講者に語りかけた。
 
酒折連歌講座は、全3回開講し、第2回目は6月25日に歌人で酒折連歌賞選考委員の三枝昂之さん(歌誌「りとむ」発行人、山梨県立文学館館長)が「短歌と連歌の同じところ・違うところ」をテーマに開催され、第3回目は7月23日に俳人で酒折連歌賞選考委員の宇多喜代子さん(現代俳句協会特別顧問)が「季語とたべごと」について講座が行われる。
 
「酒折連歌賞」は今回で17回目を数え、“酒折連歌”は五七七の問いの片歌に、答えの片歌を五七七で返す二句一連の片歌問答。俳句などと違い、作歌上の約束事は五七七で返すことのみ。問いの片歌に続く答えの片歌を作者の感性で自由に発想し、老若男女を問わず詠むことができる歌遊び。今年の第十七回酒折連歌賞は4月1日から募集が開始され、一般部門と小・中・高校生の作品を対象としたアルテア部門のそれぞれの大賞に文部科学大臣賞などが贈られる。応募の締め切りは9月30日必着。

詳しい募集内容と応募の問い合わせは
山梨学院大学酒折連歌賞事務局(TEL055-224-1641 ホームページ
文・カメラ(Y.Y)2015.5.21