山梨学院小スポーツフェスティバル
~今年のテーマは「Discovery 発見」~
~2週間かけて学び・作り上げたプロジェクト~

山梨学院小学校の一大行事「スポーツフェスティバル」が5月30日、山梨学院古屋記念堂で行われた。子どもたちが提案した1つのテーマに“走る”“蹴る”“跳ぶ”“投げる”の運動要素を取り入れたオリジナルな運動競技が繰り広げられた。準備に2週間の期間をかけて行うスポーツプロジェクトの集大成として最終日に開催されるのが「スポーツフェスティバル」。山梨学院小では、さまざまなプロジェクトを実施しているが、秋に行われる「オクトーバープロジェクト」、冬の「ウインタープロジェクト」とともに3大プロジェクトと呼ばれている。通常の授業とは別に時間を設け、学年の壁を取り払い一つのテーマを協同で追求していく山梨学院小独自の課題探求型学習。「スポーツプロジェクト」は毎年テーマを変え、「大航海時代」、「古代文明」、「太陽系」、「宝石」、「地球」など子どもたちの興味・関心に基づき決められる。今年は「Discovery 発見」が採用され、「Astronomy=天文学」、「Medical=医学」、「Technology=工学」、「Physics=物理学」の4チームに分かれて総合成績を競った。
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■テーマは「Discovery 発見」
今年の「スポーツプロジェクト」は、子どもたちの提案をもとに、文科省の研究開発校として取り組んでいる「科学科」と関連づけしたテーマ、「Discovery 発見」を採用した。2週間かけてテーマについての学習やTシャツ、巨大壁画の製作、競技の開発や練習を行ってきた。会場には4つのチームの5,6年生が2週間かけて描いた、「Astronomy=天文学」、「Medical=医学」、「Technology=工学」、「Physics=物理学」を象徴する「巨大壁画」が掲げられた。「Discovery 発見」のテーマにちなみ、4作品共通の造形要素は円と人体がベースになっている。会場の2階観客席は我が子の元気溌剌とした姿を見ようと保護者で満席に埋まった。学年の壁を取り払った1チーム約90人が4チームに分かれ、自分たちの力で競技の準備から運営まで取り組んだプロジェクト「Discovery 発見」が始まる。
■いよいよフェスティバルの始まり!
照明が落とされた古屋記念堂の天井にプロジェクションマッピングによる、4つのチームをイメージした映像が映し出され、子どもたちによる各チームの説明が日本語と英語で行われた。引き続き全校児童によるオープニングの表現運動で「スポーツフェスティバル」が幕を開けた。競技は5・6年生によるボール運びリレー「惑星の周期」から「万有引力(3・4年 長縄跳び)」、「ビッグバン(1・2年 借り人競争)」、「光の分散(5・6年 ビーチフラッグ)」、「ケプラーの法則(2年・大玉リレー)」など各チームの分野に関連した名称と、自分たちが考えた内容やルールの競技が次々と展開された。途中、応援合戦で会場が盛り上がると、スポーツフェスティバル最大の見所、「循環(全学年 駅伝)」が行われた。各チーム6人の代表が箱根駅伝で使われた襷を掛け、会場内と外の噴水の周りを走るコースを力走、観客席の保護者たちは、スクリーンに映し出される会場外の様子と、会場に戻ってくる走者に一段と熱い声援を送っていた。会場内の興奮が醒め切らないまま、「iPS細胞(3学年 スポーツしっぽとり)」、「電磁誘導(1・2年 脱出リレー)」、「ビックス粒子(5・6年 騎馬戦)」、「DNA二重らせん構造(3・4年 ボール送り)」など、子どもたちが考えた仕掛けを盛り込んだ競技が続き、最後の競技、「HIKARI(5・6年 リレー)」では高学年のひたむきな走りに会場内の興奮は一気に高まった。競技後各チームの6年生走者はコースを1周し、6年間のスポーツプロジェクトの思い出を胸に仕舞った。競技終了後に順位と得点が発表され、1位は700点を獲得したAstro、2位・Techno605点、3位・Medic565点、4位・Physics530点となった。
■いつか世界に誇れるWORLD DISCOVERYに
閉会の挨拶で6年生の笹本次歩君は「さまざまな発見の歴史から見れば、僕たちが取り組んだこの2週間はほんの一瞬にしか過ぎない時間でしょう。しかし、その短い時間の中で多くのことを経験し学んできました」と語り。続いて後藤大智君は「多くの仲間と喜びや苦労を分かち合える素晴らしさは、多くの『DISCOVERY』があったからではないでしょうか。ここにいる一人ひとりの小さな『DISCOVERY』が、みんなの『DISCOVERY』になり、ぼくたちの山梨学院小学校の、大きな大きな『DISCOVERY』になるでしょう。そして、いつか世界に誇れるWORLD DISCOVERYにしていきましょう」と会場の保護者、児童、先生たちに語った。学年の壁を取り払った2週間にわたるプロジェクトの取り組みは、子どもたちをさらに大きく成長させ、みんなで“発見”した感動とともに忘れえぬ大切な思い出になったことだろう。
文(K.F) カメラ(藤原 稔) 2015.5.30