全日本大学ホッケー王座決定戦、最終日
~女子、東海学院大に競り勝ち2年振り優勝~
~男子、3位決定戦で早稲田大を圧倒、次に繋げる~
平成27年度「第34回全日本大学ホッケー王座決定戦」が7月12日、最終日を迎えた。9日から12日までの4日間の日程で埼玉・阿須ホッケー場、駿河台大ホッケー場で熱戦を繰り広げてきた。北海道、東北、北信越、関東、東海、関西から男女各12校が出場し、大学王座を賭けて争った。山梨学院大男子は、最近タイトルから遠ざかり、この大会で9年ぶり2度目の優勝目指したが、11日の準決勝で天理大に競い負け惜敗した。12日午前中に早稲田大と3位を賭けて戦い、山梨学院大が終始試合をリードし5-0で圧倒、勝利した。女子決勝は、昨年の覇者東海学院大学と2年振り5度目の優勝を目指して対戦した。本選では両者激しい攻防の中、1-1で決着が付かず、SO(シュートアウト)戦にもつれ込んだ。両校の応援の中、山梨学院が緊迫の状況を制し、5-4で辛くも勝利、優勝を勝ち取った。今大会、準決勝の2試合、3位決定戦、決勝戦すべてがSO戦になり、上位校の力の拮抗が見られ、4校どこが優勝しても不思議ではない大接戦が繰り広げられた。女子の結果は優勝・山梨学院大、準優勝・東海学院大、3位・天理大となった。男子は、優勝・天理大、準優勝・立命館大、3位・山梨学院大となった。
《最終日 男子の結果》
12日午前中に行われた男子3位決定戦は、朝から真夏の太陽が照りつける阿須ホッケー場で行われた。昨日の準決勝では、押されていた相手に終了間際果敢に攻め込み最後に山学大の意地を見せたが、決定力不足を露呈する内容だった。3位決定戦は、早稲田大と対戦。前半から伸び伸びとプリシアンブルーのユニホームが自由にコートを動き回り、ゴールに攻め込んだ。前半を2-0で折り返すと後半も山梨学院が相手コートに攻め込む一方的展開で6番FW・山崎晃嗣(2年 横田高)、11番FW・河村陸(4年 山梨学院高)、9番FW・小沢諒(2年 川棚高)らの個人技が随所に光る攻撃を見せ、5-0で勝利。3位を確定した。試合後、選手を集めた寺本祐冶監督・部長は「今回、強くなるきっかけが出来た。インカレに繋がる大会だった。選手が強くならない限り、チームは強くならない」と激を飛ばした。大会は、優勝・天理大、準優勝・立命館大、3位・山梨学院大となった。
2015全日本大学ホッケー王座決定戦 男子3位決定戦 《山梨学院大VS早稲田大》7/12 埼玉・阿須ホッケー場 |
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○ 山梨学院大 5 | 前半 2-0 後半 3-0 |
0 早稲田 ● |
得点 前半=蛭田光 上澤祐斗 後半=朝倉祐樹 山崎晃嗣 河村陸(山梨学院) |
《最終日 女子の結果》
山梨学院女子は、春季関東リーグを優勝、春秋季通算42連覇を達成。圧倒的な強さを見せる。11日の準決勝では、前回大会で惜敗した天理大に僅差で雪辱を果たし決勝に進出した。決勝戦は前回大会で優勝している東海学院大と対戦した。山梨学院は立ち上がりこそ緊張感から動きが悪く、相手に攻められるが11分、PCを得ると24番FW・今尾明穂(1年 各務野高)がシュート、先制した。その後、一進一退、両者膠着状態が続く。29分、18番FW・狩野真美(2年 築館高)が一人で力強いドリブルでセンター内に持ち込み17番FW・井澤美空(3年 巻高)がタッチシュートで2点目を上げ、2-0と前半を折り返した。後半4分、相手の上手いパスで持ち込まれ、ヒットされ1点を返された。山梨学院、東海学院とも譲らず激しい攻防が続けられ、両キーパーの攻守にも阻まれ得点が奪えない後半16分、PCを決められ同点。振り出しに戻った。山梨学院はその後も1点を求めて攻め続けるが、2-2で終了。準決勝同様、SO(シュートアウト=サッカーのペナルティーキック)戦となり、1対1の対決は一喜一憂の緊迫した対戦となり、両軍7人目で山梨学院の河村元美(2年 羽衣学園高)がゴールを決め、この瞬間2年振り5度目の優勝を勝ち取った。出場選手、登録選手、応援団がコートになだれ込み抱き合い、喜びを共にした。女子は優勝・山梨学院大、準優勝・東海学院大、3位・天理大となった。
2015全日本大学ホッケー王座決定戦 女子決勝戦 《山梨学院大VS東海学院大》7/12 埼玉・阿須ホッケー場 |
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○ 山梨学院大 2 | 前半 2-0 後半 0-2 SO戦 5-4 |
2 東海学院大 ● |
得点 今尾明穂 井澤美空 SO戦 中尾明日香2 佐藤圭 河村元美2(山梨学院) 得点 清水美並 小寺栞菜 SO戦 清水美並2 真野由佳梨 羽田吹雪(東海学院) |
試合後、ジョン・シアン 女子監督は「山学の試合をしっかりしてくれた。後半の失点は相手を誉めるべき内容で、東海学院も0-2から追い上げ、負けないゲームをしたのでやりがいのあるゲームでした」と相手、東海学院を称えた。8番MF・西永優衣主将(4年 石動高)は「最初、2-0で勝ってて油断せず行こうと思ったが、取り返され焦ってしまった。みんな心が一つになっていたので最後勝つことが出来た。本当にうれしい」と頬を紅潮させた。終始、正確なロングボールで攻撃の起点を作ってきた20番FB・藤井美沙選手(4年 羽衣学園高)は「自分たちは優勝するために練習してきたので結果がついてきてとてもうれしい。自分からチャンスを作ろうという気持ちでゲームに入っていたので、できて良かった」と素直に喜んだ。緊迫したSO戦で最後にゴールを決めた12番FW・河村元美選手(2年 羽衣学園高)は「緊張は余りしなかった。優勝することばかりを考えていたので、自信を持ってできました」と笑顔で話した。脅威の突破力でサークルへボールを送り続けた18番FW・狩野真美選手は「頑張れました。優勝は最高にうれしい。自分の持ち味はスピードなのでスピードを生かしたプレーをしっかりやっていこうと思ってやりました」とやり切った満足を口にした。1番・FW五島梨奈選手(4年 巨摩高)は「初めチーム状態もあまり良くなく、4年生として責任を感じていたのですけど、下の子の協力でチームが一つになり、少しはチームに貢献でき、優勝できてうれしいです。メンバーですけど、試合に出られなかったのは残念です」と涙ながらに語った。
今大会の女子の試合は準決勝戦2試合、3位決定戦1試合、決勝戦1試合すべてが規定競技時間内で同点。決着をつけるSO(シュートアウト)戦に持ち込まれたように、どこの大学が優勝しても不思議ではない、各大学の実力が拮抗してきている。2020年東京五輪に向け、さらに各大学のレベルアップが図られ、世界に通用できる日本代表選手が誕生することを期待したい。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2015.7.12