全国高校野球選手権山梨大会 5日目
~優勝候補・東海大甲府高と対戦~
~力及ばず、新チームで来年の優勝を誓う~
「第97回全国高校野球選手権山梨大会」5日目の7月20日、甲府・山日YBS球場と富士北麓公園球場で5試合が行われた。4年ぶり6度目の甲子園出場を目指す山梨学院高校は、大会3回戦を山日YBS球場の第1試合で昨年の甲子園出場校、春の山梨大会覇者の東海大甲府高校と対戦した。春の山梨大会では3試合目で敗れ、今大会はノーシードでの出場となった。初戦で甲府昭和高に13-3の大勝で発進した大会2試合目。午前9時に東海大甲府高の先攻で始まった。先発は期待の1年生右の本格派・栗尾勇摩投手(1年)に託された。初回表先頭打者をストレートの四球で出すも0点で抑えた。2回表に安打と四球の走者を1・3塁に背負うと、ここで痛恨のワイルドピッチ、1点を献上。4回には安打3本を浴び、2点を追加された。5回表に吉松塁投手(1年)に継投するが、本塁打を打たれ4-0とリードを許し、再び栗尾がマウンドに送られた。山梨学院は見せ場らしい見せ場もなく、4回まで1安打。5回裏に連続安打でノーアウト1・2塁のチャンスを作るも、後が続かない。点を取られながらも粘り強い投球をしてきた栗尾だが、7回表、ついに力尽き4点を追加され8-0に。7回裏の攻撃も3者凡退に打ち取られ、ここでコールドゲームが成立、山梨学院の夏の大会が終わった。
昨日梅雨明けした甲府市。朝から太陽が容赦なく照りつけ、気温が上昇。山日YBS球場の3塁側スタンドに陣取った応援団が見守る中、山梨学院高は、昨年の甲子園出場校で春の山梨大会の覇者、2年生エース・菊地大輝投手を擁する、今大会も優勝候補筆頭の東海大甲府高に挑んだ。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 合計 | |
東海大甲府 | 0 | 1 | 0 | 2 | 1 | 0 | 4 | 8 | ||
山梨学院 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
山梨学院
[投手]栗尾4回→吉松2/3回→栗尾2回1/3 [捕手]加々美
栗尾 安打9 四死球4 三振1
吉松 安打1 四死球0 三振0
[交代]今釘→福本(H)→栗尾→五十嵐
山梨学院 安打3 四球0 三振4 失策0
東海大甲府 安打10(本塁打1、3塁打1)四球4 三振1 失策2
先発のマウンドは、次のエースと期待される右の本格派・栗尾勇摩投手(1年)に託された。初回表先頭打者をストレートの四球で出す不安定な立ち上がり。0点で抑えるも、2回表にヒットと四球で走者を1・3塁に背負うと、ここで痛恨のワイルドピッチで1点を献上。4回表には安打3本を浴び、2点の追加点を許した。山梨学院の打線は、今大会屈指の好投手、東海大甲府の菊地大輝投手(2年)に4回まで安打1本に抑えられ、沈黙。5回表にファーストに栗尾を回し、吉松塁投手(1年)に継投するも本塁打を浴びると、再び栗尾をマウンドに戻し、この回を1点で凌いだ。野球部員・吹奏楽部・チアリーダーを中心にした全校生徒の声援に応え、山梨学院ナインは5回裏、先頭打者5番・知見寺代司選手(2年)、6番・加々美啓太主将(3年)の連続右前打でノーアウト1・2塁のチャンスを作った。しかしバントで走者を3塁に送れず、次もWプレーで得点チャンスを潰してしまう。7回表東海大甲府は、疲れの見えた栗尾を攻め立て2安打と四球で得た1死満塁のチャンスに、次打者が走者一掃の3塁打を放ち3点を追加、その後も1点を加え勝負を決定づけた。7回裏山梨学院は、最後の攻撃に反撃を願う全校生徒の大声援も及ばず、3者凡退に打ち取られ、8-0の7回コールドゲームで敗退。夏の大会を終えた。
試合後、加々美啓太主将は「自分たちのペースに持っていこうと盛り上がって一生懸命やったんですけど、点が欲しかったです。相手のほうが1枚も2枚も上手で本当にいいピッチャーでした」と相手のピッチャーを評価した。ボールを受けた栗尾投手については「1年生でよくあそこまで投げてくれた。来年へこの悔しさをもって投げて欲しい」とリベンジを託した。最後に「3年間のことは出し切ったんで、悔いはないです」と清々しい笑顔を見せた。
吉田洸二監督は「一言で言うと打てなかったですね。相手のピッチャーも2年生ということでまだまだ対戦することもあるので、打てなかったということを課題にして、練習に取り組みたいですね」と次に切り替えた。また、初めて本格デビューを果たした1年生投手を「夏の先発は初めてだったのでいい勉強になったのでは。まだ1年生なので何が課題というよりも総合的に心技体を鍛え、3年後プロの世界にいけるような選手になってほしい。大きく育てあげたい」と先発の栗尾投手に大きな期待を寄せた。栗尾勇摩投手は「途中までは良かったですけど、終盤に崩れたのは自分の体力不足。課題は、春先からですけどコントロールの甘さが繋がっていて、打たして取るピッチングというよりかは三振を取ろうと思っていたのに、試合の中で修正できなかったのは今後の課題です。秋まで1ヶ月あるので、先輩の分まで甲子園に出ないといけないと改めて思ったので、頑張っていこうと思います」と語った。エースナンバーを背負いチームを引っ張ってきた宮野大夢投手(3年)は「初戦は立ち上がり悪く、満足する内容じゃなかったですけど、練習してきたことを出せばいいと思い、途中からどうにか立て直して投げられて良かった。怪我とかもして辛い時期もあったのですけど、チームメイトから励ましがあったりして、それに応えたくて頑張ってきました。最後の夏、役に立てなかったですけど3年間野球続けてきて、本当に良かったです」と涙ながらに語った。
山梨学院高校野球部の夏の大会は終わった。3年生はこの大会で1・2年生にバトンを渡し、新チームに移行する。気持ち新たに明日から山梨学院球児は、厳しい練習を自らに課し、汗流し、涙こらえ、来年の春・夏の甲子園を目指す。
文(K.F) カメラ(今村佳正) 2015.7.20