山梨学院パブリシティセンター

HOME

山梨学院パブリシティセンターニュースファイルイメージ画像

「オペレッタ発表会」

~保育科2年生が「こびととくつや」を上演~
~168人全員が手作りで仕上げた舞台~

山梨学院短期大学では伝統の「オペレッタ発表会」を7月2日、山梨学院メモリアルホールで開催した。発表会は保育科2年生が必修科目「保育内容・総合表現授業」の一環として山梨学院短大が伝統的に取り組んできた。保育科2年生168人全員が「脚本・演出」、「キャスト」、「造形表現」、「音楽表現」、「身体表現」、「運営」の各部門に分かれ、学生自ら作品の選定から大道具・小道具、衣装、音楽まで手作り作品として上演された。今回はグリム童話の代表作「こびととくつや」が選ばれた。クリスマスが近づいた夜に貧しい靴屋の老夫婦と小人たちの心温まる交流の物語。舞台をいっぱいに使い学生たちが歌や踊りでグリム童話の世界を表現した。会場には午前、午後に分かれ招待された県内約1000人の園児や児童が詰め掛け、小人の表情や動きに歓声を上げたり、歌に合わせ手拍子を打ってオペレッタを楽しんでいた。今回は、初めての試みで前日に2回の「プレビュー公演」を実施した。保護者、幼児教育関係者、一般の人たち、保育科1年生の前で手作りの「オペレッタ」を披露し、喝采を浴びていた。

山梨学院短期大学、伝統の「オペレッタ発表会」は、すべてを学生たちが準備から公演まで手作りで一つの舞台を全員で制作する。ゼロからの経験は、これまで身につけた知識や技能を活用し、チームワーク力、問題解決能力、コミュニケーション能力などを養い、総合的な表現力を身に付けることを目的にした山梨学院短大独自のカリキュラム。

今回取り上げた作品はグリム童話の代表作「こびととくつや」。靴を作る革が無い貧しくも優しい靴屋の老夫婦に、小人たちが夜中に靴を作り繁盛させていく、そのお礼に服を作り恩返しをするという、老夫婦と小人たちとの温かい心の交流を描いた物語。

この原作を元に脚本・演出、キャスト、大道具・小道具、衣装、音楽制作、照明・音響、運営などすべてを保育科2年生168人が携わった。2月に上演作品が決定すると、「脚本・演出」部門による脚本制作から活動が始まった。5月からは本格的な作業に移り各部門で上演作品に合わせ、舞台に奥行きを与える大道具・小道具の製作、キャストに相応しい衣装、オペレッタのための作詞・作曲、それに華を添える吹奏楽の演奏と合唱、作品に動きを与える身体表現などに取り組み、一体感を持ってすべてが結合した総合舞台を作り上げた。

招待された県内の約1000人の園児・児童は舞台で繰り広げられるグリム童話の物語の中に引き込まれた。愛くるしい小人の表情や動きに、歓声を上げたり、歌や踊りに合わせ手拍子を打って楽しんでいた。舞台終了後は、学生たちはメモリアルホールのエントランス通路に出て、吹奏楽の演奏と合唱に合わせ、全員が笑顔で子どもたちを見送った。引率してきた甲府市立中央保育所の功刀幸子所長は、「毎年来させていただいて、子どもたちも楽しみにしています。小人の表情がすごく印象的で小人が小さいんだと分かるシーンが何度かあって、演出も工夫されていると感じました」と話した。

前日には、昨年までは保育科1年生向けに行っていた「リハーサル」を改め、今回初めての試みとして「プレビュー公演」を2回、保護者、幼児教育関係者、一般人、保育科1年生向けに公演した。公演には1年生を除いた観客約500人の来場があり、大盛況のうちに終了。学生たちは本番に向け、手応えを感じていた。「プレ公演」を鑑賞した保護者は「歌も良かったし、音響も良く、とても良くできていたと思います。身びいきですけどプロよりも良かったです」と笑顔で話した。教育関係者は「前から知ってはいたのですけど、拝見するのは今回初めてです。手作り感があって、あのスペースで表現するというのは大変だったと思いますが、素晴らしかったです。若いっていいなと思いました」と感想を述べた。先輩の公演を見た保育科の1年生は「構成も良く、見ごたえもありました。今見たものを生かして、来年は先輩たちを越えるものを作りたいです」と意気込みを語った。

すべてを出し切った公演後、やり切った充実感から抱き合い涙を流し、喜びを分かち合う姿がそこかしこで見られた。「演出・脚本」リーダーの小宮山香奈さんは「思うようにいかない時が多く、大変でした。みんな保育士を目指していて、子どものことを考えているので、いろいろな視線からの意見があり、それらをまとめる難しさがありました。1週間前に脚本を大幅に短縮する変更があり、最後の最後までバタバタしました。でも何とか乗り切ることが出来てホッとしています」と達成感を覗かせ、「山梨学院短大保育科のメインのイベントなので一生の思い出になりました」と“オペレッタ”の6ヶ月間を振り返った。最後は全員笑顔満面で記念写真に納まった。

文(K.F) カメラ(平川大雪)2015.7.2