全日本学生空手道選手権大会
~女子形2人決勝トーナメント進出~
~田中美佐稀3位、来年は優勝を狙う!~
「平成27年度第59回全日本空手道選手権大会」が7月5日、東京・日本武道館で開催された。大会は男女各個人組手、個人形が行われ、山梨学院大は個人形に男女各2人が出場した。個人形は各地区からベスト8の選手が選抜され、男子34人、女子31人が出場した。予選は採点方式で行い、男女とも上位8人(各コート4人)による決勝トーナメントで学生日本一を争う。男子は、舩越大輔(3年 倉敷高)、小川大貴(3年 高岡工芸高)が別のコートで出場。共に4人に残れず、決勝トーナメントには進めなかった。女子は、同じコートに柄澤愛(4年 帝京高)、田中美佐稀(3年 山梨学院附属高)が登場、田中は2位、柄澤は3位で決勝トーナメントに進出し、柄澤は、小柄ながらスピード、技の切れ、力強い演武を見せたが、相手に及ばず、1回戦で敗退、ベスト8になった。田中は、1回戦を順当に突破。準決勝に臨み、持ち味の体幹の強さによる、ぶれのない技と緩急をつけた力強さと優雅さをもって演武した。相手の全日本強化選手指定の選手に遜色ない形と思われたが、悲願の決勝には進めず3位になった。
空手道「形」は、流派で継承されている形を、決められた技(受け、突き、蹴りなど)で順番に演武し、力の強弱、体の伸縮、技の緩急、その他の諸要素が正しく行われているかを総合的に競う。個人形はフィギィアスケート、団体形はシンクロナイズドスイミングのように芸術性もポイントとなる。大会は、予選は採点方式で行い、決勝トーナメントでは、2人が交互に演武し、審判5人が持つ旗表示により過半数を獲得した選手が勝者となる。
◆男子個人形
技の切れ、スピード、技術の高さが持ち味の舩越大輔(3年 倉敷高)はグループ4番目に登場。持ち味通りの演武を見せ、審判の高い点数を引き出したが、グループ4位以内に入れず予選敗退した。舩越大輔選手は「大きなミスはなかったですけど、いい形が打てたかというと少し疑問が残る。主審の点が良かったので3位にはなれるかと思ったんですが、予選を突破できなかったことは悔やまれます。練習でできたことが本番で出せなかったのでメンタルの強さを磨きたい」と反省した。別グループの小川大貴(3年 高岡工芸高)は、上背のあるダイナミックな形で思い切りの良さを見せ高得点を狙ったが、拮抗したポイントで競い負け、決勝トーナメントに進出できなかった。小川大貴選手は「失敗はなかったです。少し力んだところがあったのですけど、いつも通り行くことを意識していたので、それなりにいい形は見せられたと思っています。」試合前、“小川”という名を全国に轟かすことを目標に掲げていたが、「今日は残せなかったので来年までにはもっと成績を残して在学中には轟かせたい」と明日を見据えた。
◆女子個人形
予選に同じコートに出場した、柄澤愛(4年 帝京高)と田中美佐稀(3年 山梨学院附属高)は、柄澤3位、田中2位で順当に決勝トーナメントに進出を決めた。柄澤は、1回戦で全日本強化選手に指定されている古川かれん(2年 明治大)と対戦。小柄ながらスピード、技の切れ、表現力、力強さ、見た目の美しさと、バランスの取れた演武を見せたが、相手に及ばず敗退、ベスト8になった。試合後、柄澤愛主将は「目標を優勝と高く持って意識して練習してきたのですが、関東大会で同じ相手に負けているので悔しいです。形自体は悪くはなかった。個人戦は最後だったので本当にやり切れ悔いはないです」と笑顔で語った。田中美佐稀(3年 山梨学院附属高)は、1回戦は相手を圧倒し勝利、2回戦の準決勝に臨んだ。対戦相手は、やはり全日本強化選手の一人、強豪川崎衣美子(4年 国士舘大)。田中は、持ち味の体幹の強さによる、ぶれのない技と緩急をつけた力強さと優雅さをもって演武した。相手に遜色ない形と思われたが、相手は田中を上回る演武を見せた。悲願の決勝には進めず3位となった。田中美佐稀選手は「準決勝は、前半は良かったですが、途中から力んで固くなってしまい、自分の思い通りにいかなくなってしまった。関東大会決勝で負けている選手なのですごく悔しいです。来年は絶対に優勝します」と涙を浮かべリベンジを誓った。片田貴士監督は「優勝を狙っていたので残念です。女子は、内容的には2人とも良い形ができた。練習通りでした。男子は近年決勝トーナメントに残れてないですが、舩越が関東大会準優勝で決勝トーナメントに進めると思っていたが」と想定外の結果に下を向いた。「ただ、今回良かったのは、女子主将の柄澤は、今まで個人で結果を残せていなかった選手。努力で全日本強化選手がいるなかでベスト8になったことは後輩につながる。秋の団体戦は日本一を獲ります」と気持ちを切り替えた。
2020年の東京五輪の追加種目の有力候補になった空手は、日本発祥で世界各国に広まったスポーツ。競技人口は世界180か国以上で約4000万人、国内で約300万人の競技者がいる。今大会に出場した精鋭からのオリンピアンの出現。もちろん山梨学院から最高の舞台へ上り詰める選手の輩出を期待したい。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2015.7.5